経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。 p.8
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。 p.8
(1)経営方針 p.8
当グループは、「私たちは地球的視野にたち、人と技術を活かし豊かな社会づくりに貢献します」を企業理念とし、創業以来、豊かな社会づくりへの貢献を究極の目標としております。ブランドメッセージ「つくる まもる ひらく」は、企業理念の実現に向けた当グループの貢献のあり方を示すものであり、当グループの社会への約束として掲げております。 p.8
これらの企業理念及びブランドメッセージのもと、2023年度に10年ビジョン「VISION 2033」を策定いたしました。「VISION 2033」においては、「企業特性や組織能力を活かした事業展開を行い、すべてのステークホルダーから信頼され、安心して任せていただける企業となる」ことを目標に掲げるとともに、「競争力の強化」及び「企業特性を活かせる成長分野への挑戦」を基本方針として、当グループの企業価値の向上を図っております。 p.8
ステークホルダーからの信頼獲得と企業価値の向上の両立を図るため、ビジョン実現に向けた経営の重点事項を以下のとおり定めております。 p.8
(2)経営環境 p.8
当グループを取り巻く経営環境は、当グループが事業を展開する各国の政治・経済の動向に加えて、世界的な脱炭素化の推進に伴う規制や技術の動向の影響を受けるほか、自然災害や地政学リスクなどを背景に不確実性が高まっております。 p.8
足元の経営環境については、以下のとおり認識しております。 p.8
① デフレからの脱却:「金利ある世界」への移行、物価上昇、賃金上昇 p.8
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② 日本企業における競争力回復への動き:成長投資の加速、事業ポートフォリオ改革、収益性改善 p.8
③ 労働市場の構造変化:生産年齢人口の減少、人材獲得及び定着を巡る競争の激化 p.8
④ 働き方・業務プロセスの変化:AI活用の加速 p.8
⑤ 企業価値に対する考え方の変化:ステークホルダー全体を意識した経営への要請の高まりまた、当グループが主要市場とする自動車業界においては、電動化の流れが進展するなか、電気自動車に偏らない多様な技術対応が進んでおります。さらに、コスト競争力や供給体制、開発スピードの優位性を有する新興国企業の台頭や、異業種からの参入による競争領域の拡大等により、グローバルな競争環境は一段と厳しさを増しております。 p.8
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 p.9
上記の経営方針及び経営環境を踏まえ、2026年度を初年度とする「中期経営計画Ver.2」においては、成長基盤の確立に向けた取り組みを進めております。具体的には、財務基盤の強化、「ミクニならではのビジネスモデル」の再構築、人的資本の充実及び環境対応の推進を重要課題として位置づけております。 p.9
■財務基盤の強化 p.9
「金利ある世界」への移行を見据え、当グループは継続的な成長投資と財務規律の両立を重要な課題として認識しております。その実現に向け、投下資本の効率化、運転資金の圧縮及び有利子負債の削減を進め、財務基盤の強化と資金創出力の向上を図ります。 p.9
こうした認識のもと、「中期経営計画Ver.2」において、主要な成果指標を従来のEBITDAマージンからROICに変更いたしました。資本効率の向上を重視する方針を明確化し、2033年度には、WACCを上回るROIC 7%水準の達成を目指しております(2025年度実績は約3%)。 p.9
■強みを活かした「ミクニならではのビジネスモデル」の再構築 p.9
事業環境の変化に柔軟かつ迅速に対応するため、当グループの強みを活かした「ミクニならではのビジネスモデル」の再構築を重要課題としております。その実現に向け、事業戦略及び機能戦略を策定し、これらに基づく実行計画である「総合商品計画」を推進します。「総合商品計画」のもと、開発、生産・調達及び営業の各機能を一体的に連動させ、強みを成長機会の獲得と収益性向上につなげていきます。 p.9
また、収益基盤の安定化に向けて、ガステクノ事業や商社事業等の非モビリティ事業の強化を進め、事業ポートフォリオの充実を図ります。2025年度において、非モビリティ事業は連結営業利益の約35%を占めております。 p.9
■人的資本の充実 p.9
健康経営を基盤とした人的資本経営を引き続き推進するとともに、「中期経営計画Ver.2」においては、処遇改善を柱とする人的投資の拡充及び人事基盤の整備に取り組みます。 p.9
事業戦略と整合的な人事制度への見直しを進め、人材育成、配置、評価及び処遇等の人材マネジメントの高度化を図ります。 p.9
これらの施策を通じて、労働生産性及びエンゲージメントの向上を図り、持続的成長の基盤を強化します。 p.9
■環境対応の推進 p.9
環境対応の推進は、社会的要請への対応であるとともに、事業継続性の確保及び中長期的な企業価値の向上の観点からも重要な経営課題であります。2050年カーボンニュートラルの達成を目標に当グループの事業活動における環境負荷の低減を引き続き推進します。 p.9
■グローバルガバナンス体制の強化 p.9
上記の重点課題に着実に対応していくためには、強固なガバナンス体制及び実効性のある内部統制の維持・強化が重要であると認識しております。連結子会社の元従業員による不正行為を厳粛に受け止め、再発防止策の着実な実行を通じて、グローバルガバナンス体制の強化を図ります。 p.9
事業等のリスク
有価証券報告書に記載された事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクは、以下のとおりであります。当グループでは、これらのリスクが発生する可能性を十分認識してリスク管理を行うとともに、リスクが現実化した場合に備えて損失を最小限に抑える取り組みを進めております。なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書の提出日現在において当グループが判断したものであり、将来発生しうる全てのリスクを必ずしも網羅したものではありません。 p.12
① 経済状況に関するリスク p.12
当グループの連結売上高の80%以上を占めるモビリティ事業が製造販売する製品の需要は、販売先の国または地域における経済状況の影響を受けます。主要販売先である日本、北米、欧州、中国、アセアン、インドにおける景気後退とそれに伴う需要の減少は、当グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 p.12
② 為替・金利などの金融市場変動に関するリスク p.12
当グループは日本に加えて北米、欧州、アジアにおいて事業を展開しております。そのため、各国・各地域における為替相場や金利の変動は、当地における当グループの製品に対する需要のほか、取引価格や仕入価格、金融費用などを通じて当グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外現地法人の損益計算書及び貸借対照表は現地通貨建てで作成されておりますが、連結財務諸表の作成に際して円換算されているため、現地通貨では変動がない場合でも換算時の為替相場によって円換算価額が影響を受ける可能性があります。 p.12
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③ 法令と規制に関するリスク p.12
当グループの中核を担うモビリティ事業は、四輪車・二輪車・汎用エンジン用燃料供給装置類及びエンジン関連機能品類の製造販売を中心としております。そのため、日本国内のみならず事業を展開する海外各国において、自動車の排出ガス規制や燃費規制、工場から排出される汚染物質に係る規制などの様々な法令や規制の影響を受けます。こうした法令や規制の予期せぬ変更は、当グループの開発生産販売活動に影響を及ぼし、当グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、世界的な脱炭素化の流れに応じた内燃機関車に係る新車販売規制などにも影響される可能性があります。 p.12
④ 原材料や部品などの調達や価格変動に関するリスク p.12
当グループは製品製造に必要な原材料や部品を国内外から調達しております。安定的な調達のため、複数の調達先の確保や代替品の検討などを行っておりますが、地政学リスクの高まりや需給バランスの悪化などによって資材価格の高騰や調達難が生じた場合、当グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当グループは、コスト上昇分の適切な価格転嫁に努めております。 p.12
⑤ 製品の品質に関するリスク p.12
当グループは品質を最優先にして製品を設計、生産、販売しておりますが、予期せぬ原因により製品に欠陥が生じるリスクがあります。製品の欠陥は品質保証に係る費用を増大させるほか、当グループ製品の品質に対する信頼性の低下を招き、製品需要を減退させる可能性があります。そのため、当グループは品質に関するリスクの重大性を認識し、常日頃から品質に関する意識を高めるとともに、仕入から生産、物流、販売までを一貫して見通せる仕組みを導入して製品の品質確保に努めております。 p.12
⑥ 競合に関するリスク p.12
当グループの事業は、競合先である他の部品メーカーや納入先メーカーの生産状況によって影響を受けます。また、主力であるモビリティ事業においては、パワートレインの電動化やエネルギーの多様化の進展が将来的に予想され、異業種から自動車業界に参入する機会が増えております。こうした業界の構造変化や競合の状況が当グループの想定を上回って進行した場合、当グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 p.12
⑦ 大規模災害や感染症に関するリスク p.12
地震や台風などの自然災害によって、当グループ及び納入先や調達先を含めた当グループのサプライチェーンが被害を受ける可能性があります。また、当グループの国内拠点の多くが東海地震及び都市直下型地震の対象地域に所在しているため、大規模な災害が発生した場合、当グループの製造販売活動が著しく落ち込み、当グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当グループは製造拠点の耐震性強化を図るほか、防災訓練の実施や防災・災害復旧マニュアルの整備など事前対策に取り組んでおります。また、新たな感染症の世界的な大流行などによっても、当グループの製造販売活動が影響を受ける可能性があります。 p.12
⑧ グローバルな事業展開に関するリスク p.13
当グループの拠点が所在する国や地域においては、次のような様々なリスクが考えられます。それぞれのリスクには適宜対応しておりますが、これらの事象が発生した場合は、当グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 p.13
・紛争の勃発 p.13
・労働環境の違いによる争議等の発生 p.13
・サイバーテロを含むテロ攻撃、戦争、財政破綻など p.13
・コピー製品等の当グループが保有する知的財産権への侵害 p.13
・予期せぬ訴訟 p.13
研究開発活動
当グループでは、開発部門及び各事業部に所属する技術グループにおいて研究開発活動を行っております。 p.20
当連結会計年度における当グループ全体の既存製品の改良・応用等を含む研究開発費用総額は6,166百万円であります。また、このうち「研究開発費等に係る会計基準」に規定する「研究開発費」は1,843百万円であります。当連結会計年度における各セグメントの研究開発状況と成果及び費用は次のとおりであります。 p.20
(1)モビリティ事業 p.20
モビリティ事業では、CO2削減に向けて、燃費向上および電動化に寄与する電子制御燃料噴射システムとサーマルマネージメントの開発に取り組んでおります。サーマルマネージメント技術の強化として、完成車メーカーとの提携により、電気自動車(BEV)の先行開発業務を進め、特にバッテリーやモーターの温度管理技術を強化しております。 p.20
主要製品である二輪車向けエンジンコントロールユニット、冷却水制御バルブ、電動オイルポンプ、電動ウォーターポンプを主体に、これらの基礎となる制御技術、アクチュエータ技術、センシング技術、材料技術等の研究開発を行っております。さらに、シミュレーション技術を進化させ、開発スピードと精度の向上を図ります。 p.20
当事業に係る研究開発費用は5,874百万円であります。 p.20
(2)ガステクノ事業 p.20
ガステクノ事業では、人々の安全性を守り、地球温暖化対策や暮らしの更なる利便性や快適さ向上実現に向け、立ち消え安全装置、ガス制御ユニット、ガス開閉弁など家庭用ガス機器関連製品、家庭内の水回りを中心とした水制御製品、パッケージエアコン用自然蒸発式加湿器の開発を行っております。 p.20
当事業に係る研究開発費用は262百万円であります。 p.20
(3)商社事業 p.20
該当事項はありません。 p.20
(4)その他事業 p.20
その他事業では、大・中型車両などの自動走行実証実験における操作駆動装置の開発、自律遠隔フォークリフトソフトウェア開発及び天井走行式介護リフトのロボット化の開発を行っております。 p.20
当事業に係る研究開発費用は29百万円であります。 p.20
設備投資等の概要
当グループは、モビリティ事業を中心に4,994百万円の設備投資を実施しました。なお、このうちファイナンス・リースによる機械装置等設備投資が209百万円含まれております。 p.21
モビリティ事業におきましては、新製品の開発、基礎研究、新機種の生産及び合理化等のため4,543百万円の設備投資を実施しました。 p.21
ガステクノ事業におきましては、新製品の開発、基礎研究、新機種の生産及び合理化等のため313百万円の設備投資を実施しました。 p.21
商社事業におきましては、79百万円の設備投資を実施しました。 p.21
その他事業におきましては、57百万円の設備投資を実施しました。 p.21
なお、当連結会計年度において重要な設備の除却、売却等はありません。 p.21