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業種›輸送用機器›AeroEdge
AeroEdge

AeroEdge 7409

栃木県足利市に本社を置くチタンアルミブレードの加工生産会社。p.62015年設立。2026年6月期の売上高 51億円。

  • 東証グロース
  • 6月決算
  • 日本基準
  • 従業員 208人
  • aeroedge.co.jp
輸送用機器自動車・輸送機

企業概要

出所: 有価証券報告書 2026年6月期 p.1国税庁

企業名
AeroEdge株式会社(AeroEdge Co., Ltd.)p.1
法人番号
4060001027529 国税庁
設立
2015年9月(航空機エンジン用チタンアルミブレードの製造販売を事業目的としたAeroEdge株)p.5
資本金
568 百万円p.5
代表者
代表取締役社長兼 執行役員CEO 森西淳p.1
本店
栃木県足利市寺岡町482番地6p.1
電話番号
0284-22-3125p.1
業種
輸送用機器(東証33業種)JPX
決算期
6月日本基準p.1
監査法人
EY新日本有限責任監査法人p.59
従業員数
208人(連結)p.2155人(単体)p.5
関係会社
子会社-社、関連会社・共同支配企業-社
URL

上場企業情報

出所: JPX 銘柄情報有価証券報告書 2026年6月期 p.1

証券コード
7409JPX
市場区分
東証グロースJPX
33業種
17業種
自動車・輸送機JPX
規模区分
EDINETコード
E38695p.1
上場
2023年7月p.5
発行済株式総数
12,390 千株p.5
直近の有報
2026年6月期(提出 2026年9月28日)p.1
配当
-円配当性向 -%p.5
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事業の内容

出所: 有価証券報告書 2026年6月期 p.6–11

事業の内容

当社グループは、「ゼロからイチを創る ~常識を疑い、組織力で難しい課題に挑戦する~」という経営理念のもと、ものづくり企業として、航空機関連部品、並びにその他製品の加工製造・販売を主な事業内容としております。また、創造性と技術力で製造業に新たな価値を提供することを目的とし、Additive Manufacturing(積層造形)※1等の新たなものづくりに向けての研究開発を推進しております。 p.6

当社グループは「加工事業」の単一セグメントで活動しておりますが、参考として、当社の事業・機能を主要製品であるLEAPチタンアルミブレード加工とその他の2つの分野に分類し、以下のとおりご説明いたします。 p.6

なお、当社は2026年6月に株式会社オノプラントを完全子会社化しております。 p.6

(1) LEAPチタンアルミブレード加工 p.6

① 事業の特徴 p.6

当社グループは商業用航空機である、仏Airbus社製A320neoファミリー機と米Boeing社製737MAX機用エンジンである「LEAP」に搭載される、チタンアルミ製の低圧タービンブレードの加工生産・販売を行っております。航空機エンジンは、主にファン、低圧コンプレッサー、燃焼器、高圧コンプレッサー、高圧タービン、低圧タービンから構成されておりますが、低圧タービンは、燃焼ガスのエネルギーを回転力に変換しシャフトを介してファンに伝達する役割を担っており、当社のチタンアルミブレードは、その低圧タービンの最後段を構成しております。 p.6

<チタンアルミ製低圧タービンブレードの搭載図> p.6

当社は、航空機エンジンメーカー大手である仏SAFRAN社と、LEAPエンジンに搭載される、当該チタンアルミブレード需要の一定の割合を供給する契約(仏SAFRAN社のLEAPエンジンの生産に必要なチタンアルミブレードの総量の40%分。2028年1月からマーケットシェアは40%台後半に変更となる予定)を締結しております。そのため、当社のチタンアルミブレード生産量は、LEAPエンジンの生産量、並びにLEAPエンジンが搭載される737MAX及びA320neoファミリー等の生産量に影響を受けることとなります。一方で、航空機販売の特徴として、そのリードタイムの関係上、数年前から受注を受け付けることから、長期に渡って受注残高を積み上げることとなります。その結果、他業界と異なり、需要予測が長期間に渡って見込みやすい業界となります。当社においても、仏SAFRAN社からは数週間分の確定発注とともに、一定期間の発注見込みも提示されることから、一定程度の高い販売予測を見込むことができます。販売単価についても契約によって原則として定められているため、当社の売上金額は一定の精度で見込むことができます。また、現時点においては、材料が無償支給であることによる変動費の低さから、売上増加に伴う利益率の拡大が期待できる収支モデルとなっております。 p.6

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<搭載される航空機及びエンジンとチタンアルミブレードの関係> p.7

② 製品の概要 p.7

当社グループが生産・販売するチタンアルミ製の低圧タービンブレードが搭載されるLEAPエンジンは、米GE Aerospace社と仏SAFRAN社の合弁企業であるCFM International社により開発生産され、先端の技術を搭載することにより、従来機種より消費燃料とCO2排出量の15%削減を実現したエンジンであり、航空機グローバルシェアNo.1の仏Airbus社製A320neoファミリー機とNo.2の米Boeing社製737MAX機に搭載されております(出典:一般財団法人日本航空機開発協会、2026年6月末時点)。 p.7

航空業界においては、燃料費高騰や環境負荷等への対応を背景に、燃費の向上が求められております。チタンアルミブレードは、従来使用されていたニッケル合金製のものと比較し、約半分の比重であるため機体の軽量化に貢献するとともに、高温における強度劣化が少なく、耐熱性も兼ね備えた部品となります。そのため、旧来エンジンよりも性能を向上させることを目的に、LEAPエンジンに導入された新たな技術要素のうちの1つとなっております。なお、チタンアルミブレードは、従来材料より軽量である一方で、量産加工の難易度が高く、LEAP向けチタンアルミブレードを供給している企業は当社を含めてグローバルで2社のみとなります。当社は仏SAFRAN社と取引契約を締結し、当該チタンアルミブレードを供給しております。 p.7

当社グループでは、最適な工程設計の開発、CAMによる加工プログラムの自社作成、加工に必要なエンドミル(切削加工に用いる工具)の自社設計と生産、設備メーカーとの協働による特殊設備の導入、治具の自社開発設計と製作、非破壊検査設備の導入や品質検査体制の自社整備等を行うことで、チタンアルミブレードの量産加工を実現しております。チタンアルミブレードの量産加工の特徴は以下のとおりです。 p.7

<チタンアルミブレードとその量産加工の特徴> p.7

項目 説明 p.7

硬くて脆い金属間化合物 チタンアルミとは、金属間化合物(2種類以上の金属によって構成される化合物)の一種(Ti-48Al-2Cr-2Nb)であり、比重がNi(ニッケル)合金の約半分程度でTi(チタン)合金よりも優れた耐熱強度を有するが、硬くて脆い特徴があり、加工難易度が高い p.7

希少金属故に技術が未確立 チタンアルミは従来のニッケル合金などの耐熱合金と比較し、最適な加工条件が大きく異なり、切削加工にあたっては、工具及び切削条件の選定難易度が高く、特別なノウハウが必要となる p.7

複雑形状且つ高精度の両立が必要 最新の空力設計を採用し、空力性能と軽量化を追求しており、複雑形状かつ要求精度が厳しい p.7

量産化が困難 金属間化合物であるチタンアルミは、品質を維持しながら効率的な量産工程の確立が非常に難しく、量産化実現の例はグローバルでも極めて少ない p.7

③ 航空業界部品で求められる能力と当社の状況 p.8

航空機エンジン産業は高度な安全性及び信頼性を確保するため、構成部品はロット番号やシリアル管理によるトレーサビリティが求められており、サプライヤーは設備の変更や加工プログラムの一部修正等の全ての生産プロセスの変更や修正において航空機エンジンメーカーの認証や許可が必要となります。そういった背景から、生産サプライヤーはあらゆる面で、高い水準の能力を具備することが求められております。 p.8

求められる能力 当社の状況 p.8

工程設計力 航空機部品においては、「難削材※2」「複雑形状」「特殊工程※3」「精密検査」が要求され、複雑に絡まった難易度の高い工程設計が必要となりますが、これらを自社で設計し、顧客要求を実現しております。 p.8

工具開発力 チタンアルミ材料の特殊性や翼面の三次元形状に合わせた最適な加工を実現するためには専用工具の開発・設計が不可欠となります。3D CADを用いた工具設計や、工具形状測定機による品質保証体制を自社で構築するとともに、自社内での製造により原価の低減を実現しております。 p.8

加工技術力 航空部品量産加工には、最適な設備選定や、治工具設計、加工条件設定が重要となります。当社はこれらの技術開発を行い、自社でまとめる総合力を有しております。また、難易度の高い加工や、自動化を実現するためのシステム開発やDXにも積極的に取り組み、高効率なオペレーションを追求しております。 p.8

品質マネジメント力 当社は、航空産業の品質マネジメントシステム、顧客要求事項に準拠した品質保証の体制を独自に構築しております。 JISQ9100※4、JISQ14001※5、JISQ27001※6及びNadcap※7等の認証取得に加え、社内の工程変更手続き、トレーサビリティ管理など、品質データ統合による品質管理の高度化を実現しております。また、検査工程においては、接触式、非接触式の高精度三次元測定機による検査体制と管理体制を整えております。 p.8

プロジェクトマネジメント力 海外OEMから航空エンジン部品を受注するためには、単なる『製造能力』だけではなく、グローバルコミュニケーション能力は当然のことながら、開発から量産フェーズにおける提案力、技術開発力、対応力、非破壊検査及びサプライヤーコントロールを含む一気通貫の量産体制の構築能力が不可欠となります。当社はこれらを実行する統合力を有しております。 p.8

先端検査技術力・ 分析力 歩留り向上には、材料に起因する問題やクラック等のメカニズム解析が不可欠となります。当社は、材料観察やSEM分析※8、X線等の技術を駆使し、自社内で技術的な問題解決を行うことが可能です。治具構造やクランプ力の最適化を行うため、FEM構造解析※9を用いて定量的な評価や設計へフィードバックする取り組みも行っております。 p.8

特殊工程の具備 航空エンジン部品には、FPI(蛍光浸透探傷検査)※10や、Xray(X線透過検査)等、いわゆる特殊工程が必要となります。特殊工程は、専門設備の他、検査員も数百時間に及ぶOJTが必要となる等、保持するには高いハードルが存在しております。当社はこれらの工程を自社で実施するための設備と技術を保有するとともに、国際特殊工程認証であるNadcapを取得しております。 p.8

④ 航空機体及びエンジン産業構造 p.8

当該事業が属する産業構造は下記のとおりであります。 p.8

a.航空機産業の特徴 p.8

航空機エンジンは高度な品質水準が求められるため、開発から品質及び生産の安定化までに長い年月と莫大な金額の設備投資が必要となります。また、品質及び生産が安定化した後も他産業と比較にならないほどの品質水準と生産管理水準が求められることが特徴です。航空機産業と自動車産業との比較は下記のとおりとなります。 p.8

<航空機産業の特徴~自動車産業との比較~> p.9

航空機産業 自動車産業 p.9

ユーザー ・特定(航空事業者) ・不特定(主に個人) p.9

安全基準・審査 ・国際基準に照らした認証・証明が必要 ・厳格な品質管理(工程管理・検査) ・各国の独自基準 ・厳格な品質管理 p.9

開発期間 ・通常10年以上 ・通常1~2年程度 p.9

製品サイクル ・20~30年程度 ・4~6年程度 p.9

部品点数 ・約300万点(ボーイング777の場合) ・専用部品が多い ・約2~3万個 ・部品共通化 p.9

年間生産数 ・月産数十機程度 ・1モデル数十万台 p.9

完成品メーカー <機体> ・Airbus、Boeing、COMAC 等 <エンジン> ・GE、Pratt & Whitney、Rolls Royce 等 トヨタ自動車、フォルクスワーゲン、ルノー、日産、ゼネラルモーターズ、現代自動車、フォード・モーター、本田技研工業、FCA、PSA、ダイムラー、スズキ、BMW、マツダ、SUBARU、三菱自動車、上海汽車、長安汽車、吉利汽車、BYD、テスラ 等 p.9

(出所:経済産業省「航空機産業の動向と参入のタイミング」を参考に当社作成) p.9

b.航空機体及びエンジンメーカー p.9

航空機産業はその産業構造から、参入障壁が高く、最終製品メーカー(機体及びエンジン)が少数の企業で占められていることが特徴となります。実質的に、商業用航空機体メーカーは仏Airbus社及び米Boeing社の2社、航空機エンジンメーカーは米GE Aerospace社、米Pratt & Whitney社及び英Rolls Royce社の3社で大半のシェアが占められております。なお、当社の製品であるチタンアルミ製タービンブレードが搭載されるLEAPエンジンは、米GE Aerospace社と仏SAFRAN社の合弁企業であるCFM International社が開発したエンジンとなります。 p.9

<主要な航空機体及びエンジンメーカー> p.9

航空機体メーカー 航空機エンジンメーカー p.9

仏Airbus社 米Boeing社 米GE Aerospace社 (仏SAFRAN社と合弁でCFM International社) 米Pratt & Whitney社 英Rolls Royce社 p.10

c.航空機エンジン産業のライフサイクル p.10

航空機や航空機エンジンは、その長い開発期間と多額の開発費用から、ライフサイクル期間が、他産業の製品のライフサイクル期間より長期間になることも特徴です。従って、航空機エンジン産業の事業収益モデルは莫大な初期投資と、長期に渡る品質管理体制と生産管理体制の準備と構築を必要とすることが特徴となります。一方で、参入障壁が高く、新規参入企業が少ないために将来の利益を計画しやすいという特徴があります。そして、航空機エンジン産業において、事業の初期段階である導入期には赤字事業となりますが、設備投資が一巡した成長期以降は継続的に黒字事業となることが一般的なビジネスモデルとなっております。 p.10

d.航空機体と航空機エンジンの種類 p.10

実質的に唯一の商業用航空機体メーカーである仏Airbus社及び米Boeing社が現在新規受注を進めている旅客用機体種類は限定されております。仏Airbus社の新規受注機体種類は、A350、A330、A220、A320neoファミリーの4機種のみであり、米Boeing社の新規受注機体種類は、777機、787機、737MAX機の3機種のみとなっています。そのうち、当社製品が搭載されるLEAPエンジンが搭載される機種は、仏Airbus社のA320neoファミリー機及び米Boeing社の737MAX機となります。 p.10

仏Airbus社のA320neoファミリー機では、LEAPエンジンを含めた2種類のエンジンが採用されており、米Boeing社の737MAX機では100%の機体でLEAPエンジンが搭載されております。LEAPエンジンが搭載される両機種は主に国内線で多く使われる中小型のNarrow Body機(狭胴機)であり、燃費が良く環境負荷が低いことが特徴となっております。 p.10

e.航空機輸送の考え方と受注残高機数 p.10

航空機輸送の考え方として、ハブアンドスポーク方式と、ポイントトゥポイント方式の考え方があります。ハブアンドスポーク方式は、大型のWide Body機(広胴機)等を活用し、主要空港などの大規模拠点(ハブ)に輸送を集中させ、そこから中小型のNarrow Body機等を活用して各拠点(スポーク)に輸送を行う方式となります。一方で、ポイントトゥポイント方式は、中小型機等を活用し、出発地から目的地に直接輸送を行う方式となります。以前は、大型機でないと長距離飛行ができなかったこともあり、ハブアンドスポーク方式が多く採用されておりました。しかしながら、エンジン性能の向上による規制の変更や、中小型機の燃費向上に伴う長距離飛行の実現に伴い、乗換等の手間が不要で柔軟なフライト設定が可能なポイントトゥポイント方式の考え方を取り入れる航空会社が増加しております。その結果、中小型機の需要が大きく増加する傾向にあり、仏Airbus社及び米Boeing社ともにLEAPエンジンが搭載される中小型機の受注残高が大きく増加しております。 p.10

<航空機種別の受注残高機数(単位:機)> p.10

仏Airbus社 米Boeing社 p.10

機体種類 受注残高機数(※1) 機体種類 受注残高機数(※1) p.10

機数 構成比 機数 構成比 p.10

A320neoファミリー(※2) 7,469 80.9% 737MAX(※2) 5,404 72.4% p.10

A350 870 9.4% 787 1,195 16.0% p.10

A220 582 6.3% 777 748 10.0% p.10

A330 303 3.3% 767 84 1.1% p.10

その他 6 0.1% その他 37 0.5% p.10

合計 9,230 100.0% 合計 7,468 100.0% p.10

※1 一般財団法人日本航空機開発協会(2026年6月末時点) p.10

※2 LEAPエンジン採用機種 p.10

(2) その他の加工 p.10

当社グループは、チタンアルミブレードの生産販売以外にもチタンアルミブレードの加工で培った技術・経験、並びにAdditive Manufacturing技術(※1)も活用し、LEAPエンジン以外の航空機エンジン部品、eVTOL(電動垂直離着陸機、いわゆる空飛ぶクルマ)用部品やガスタービン用部品の受託加工を行っております。これら受託加工は、社内の設備で全てを加工する場合もあれば、協力サプライヤーに加工の一部を委託する場合もあります。社内の設備で加工する場合は、その量産規模にもよりますが、一定程度の設備投資が必要となる場合があります。このうち、LEAPエンジンとは異なる航空機エンジン部品2件については、2024年に竣工した新工場において量産立上げに取り組んでおり、うち1件は当連結会計年度中に量産を開始しております。 p.10

また、2026年6月には、国内大手重工業メーカーを主要な取引先として航空機体部品及び防衛関連部品の加工を主力事業とする株式会社オノプラントの全株式を取得し完全子会社化したことにより、事業領域を機体部品及び防衛関連分野にも拡大しております。 p.10

[事業系統図] p.10

[用語解説] p.10

※1 Additive Manufacturing(積層造形)とは、三次元造形する方法の一連の手法で、3Dの設計図を元に3Dプリンタで材料を積層し立体を造形する工法のことです。 p.11

※2 難削材とは、材料の性質により機械で切削加工がしにくい、あるいは「取り扱い自体が難しい材料」のことを指します。 p.11

※3 特殊工程とは、材料又は部品の物理的、化学的、電気的又は金属冶金的特性を変化させる工程であって、破壊試験、非破壊検査又は解析を行わなければ特性を評価することができない工程のことを指します。 p.11

※4 JISQ9100とは、航空宇宙・防衛産業に特化した品質マネジメントシステムに関する国際認証規格です。 p.11

※5 JISQ14001とは、 国際標準化機構(ISO)が策定した環境マネジメントシステムの国際認証規格です。 p.11

※6 JISQ27001とは、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際認証規格です。 p.11

※7 Nadcapとは、米国のNPOであるPRI (Performance Review Institute)が審査機関として運営している、国際航空宇宙産業における特殊工程や製品に対する国際的な認証制度です。 p.11

※8 SEM分析とは、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)によって電子線を試料に当て、表面を観察する装置を活用した分析手法であり、高倍率観察(10万倍以上)が可能となります。 p.11

※9 FEM構造解析とは、有限要素法(Finite Element Method)を用いて構造力学における数値解析を行う代表的手法です。構造物や物体を小さな要素(Elements)に分割して、方程式を用いて計算し近似解を求めることで、構造物にかかる荷重により発生する変位や応力の値や分布を導きます。 p.11

※10 FPI(蛍光浸透探傷検査)とは、特殊工程の1つであり、表面に開口している目視では見えにくいキズを検査する非破壊検査方法です。 p.11

第一部 第1 企業の概況 3 事業の内容EDINETで原文を開く → p.6–11

業績指標

連結 17指標単体 22指標5期出所: 有価証券報告書 2026年6月期「主要な経営指標等の推移」 p.2–5

連結(日本基準)

指標直近前期比5期 CAGR推移 (古 → 新)出所
売上高
百万円
5,084
2026年6月期
--p.2
経常利益
百万円
1,117
2026年6月期
--p.2
親会社株主に帰属する当期純利益
百万円
781
2026年6月期
--p.2
包括利益
百万円
760
2026年6月期
--p.2
純資産額
百万円
4,793
2026年6月期
--p.2
総資産額
百万円
12,261
2026年6月期
--p.2
1株当たり純資産額
円
193.4
2026年6月期
--p.2
1株当たり当期純利益
円
32.77
2026年6月期
--p.2
潜在株式調整後1株当たり当期純利益
円
29.63
2026年6月期
--p.2
自己資本比率
%
39.1
2026年6月期
--p.2
自己資本利益率
%
16.3
2026年6月期
--p.2
株価収益率
倍
55.0
2026年6月期
--p.2
営業活動によるキャッシュ・フロー
百万円
2,959
2026年6月期
--p.2
投資活動によるキャッシュ・フロー
百万円
-3,217
2026年6月期
--p.2
財務活動によるキャッシュ・フロー
百万円
1,309
2026年6月期
--p.2
現金及び現金同等物の期末残高
百万円
2,628
2026年6月期
--p.2
従業員数
人
208
2026年6月期
--p.2
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提出会社(単体)

指標直近前期比5期 CAGR推移 (古 → 新)出所
売上高
百万円
5,084
2026年6月期
+41.2%+26.8%p.3
経常利益
百万円
1,173
2026年6月期
+107.6%+223.1%p.3
当期純利益
百万円
836
2026年6月期
+13.9%+226.9%p.3
持分法を適用した場合の投資利益
百万円
-
2026年6月期
--p.4
資本金
百万円
568
2026年6月期
+14.6%+54.4%p.5
発行済株式総数
千株
12,390
2026年6月期
+222.4%+146.9%p.5
純資産額
百万円
4,849
2026年6月期
+24.7%+50.1%p.5
総資産額
百万円
11,488
2026年6月期
+39.9%+21.0%p.5
1株当たり純資産額
円
195.6
2026年6月期
+16.1%+42.4%p.5
1株当たり配当額
円
-
2026年6月期
--p.5
1株当たり当期純利益
円
35.08
2026年6月期
+10.0%+212.0%p.5
潜在株式調整後1株当たり当期純利益
円
31.73
2026年6月期
+10.9%-p.5
自己資本比率
%
42.2
2026年6月期
-10.8%+24.3%p.5
自己資本利益率
%
19.2
2026年6月期
-9.0%+121.3%p.5
株価収益率
倍
51.4
2026年6月期
+225.3%-p.5
配当性向
%
-
2026年6月期
--p.5
営業活動によるキャッシュ・フロー
百万円
-
2026年6月期
--p.5
投資活動によるキャッシュ・フロー
百万円
-
2026年6月期
--p.5
財務活動によるキャッシュ・フロー
百万円
-
2026年6月期
--p.5
現金及び現金同等物の期末残高
百万円
-
2026年6月期
--p.5
従業員数
人
155
2026年6月期
+17.4%+16.6%p.5
株主総利回り
%
368.1
2026年6月期
+257.4%-p.5
単位は指標名の下に記載。前期比は直近期と前期の差、5期 CAGR は5期(4年間)の年平均成長率。推移は各行の最小と最大で正規化した形で、色は前期比の符号。出所列の p.N は有価証券報告書の該当ページ。

沿革

14件出所: 有価証券報告書 2026年6月期 p.5

  1. 2015年9月航空機エンジン用チタンアルミブレードの製造販売を事業目的としたAeroEdge株式会社を菊地歯車の100%出資により設立(資本金3,000万円) p.5
  2. 2016年1月菊地歯車の航空宇宙部門をAeroEdge株式会社に分割。合わせて菊地歯車の一部従業員が当社に転籍 p.5
  3. 2016年3月菊地歯車が仏SAFRAN社と締結していたLEAPエンジン向けチタンアルミ製低圧ブレードの販売契約主体を、菊地歯車から当社に移管 p.5
  4. 2016年4月栃木県足利市に本社工場竣工 p.5
  5. 2016年4月チタンアルミブレード初出荷 p.5
  6. 2017年12月経済産業省より「地域未来牽引企業」に選定 p.5
  7. 2018年7月航空品質マネジメントシステム認証(JISQ9100:2016 & JISQ9001:2015(ISO9001:2015))(※)を取得 p.5
  8. 2018年9月環境マネジメントシステム認証(JISQ14001:2015(ISO14001:2015))(※)を取得 p.5
  9. 2019年10月国際特殊工程認証(Nadcap)(※)を取得 p.5
  10. 2023年7月東京証券取引所グロース市場に株式を上場 p.5
  11. 2024年6月本社工場敷地内に新工場(B棟)が竣工 p.5
  12. 2025年4月情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証(JISQ27001:2023(ISO/IEC27001:2022))(※)を取得 p.5
  13. 2026年4月栃木県足利市に試験評価施設(ラボ棟)が竣工 p.5
  14. 2026年6月株式会社オノプラントを完全子会社化(現連結子会社) p.5

大株主

上位10名出所: 有価証券報告書 2026年6月期 p.46

#株主名所有株式数(千株)持株比率出所
1菊地歯車株式会社2,15717.41%p.46
2豊田通商株式会社1,38011.14%p.46
3森西淳1,37711.12%p.46
4DMG森精機株式会社1,2009.68%p.46
5株式会社日本政策投資銀行8386.77%p.46
6野村信託銀行株式会社(投信口)5504.44%p.46
7株式会社日本カストディ銀行(信託口)4443.58%p.46
8BOFAS INC SEGREGATION ACCOUNT2041.64%p.46
9GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL1981.60%p.46
10モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社1901.54%p.46
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持株比率は発行済株式(自己株式を除く)に対する割合。信託銀行の株式数は信託業務に係るもの。

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  • 役員 7名
  • 従業員・人的資本
  • 開示の記述 5章 全文
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役員

7名男性6名 女性1名2026年9月28日現在出所: 有価証券報告書 2026年6月期 p.55–56

  • 代表取締役社長兼 執行役員CEO森西淳代表取締役p.55
  • 取締役兼 執行役員COO/CTO水田和裕p.55
  • 取締役兼 執行役員CFO コーポレート本部長今西貴士p.55
  • 取締役安藤尚p.56
  • 常勤監査役岡村久雄p.56
  • 監査役谷津範之p.56
  • 監査役長壁優子p.56

従業員・人的資本

出所: 有価証券報告書 2026年6月期「従業員の状況」 p.65 ほか

連結従業員数
208 人
単体従業員数
155 人
平均年齢
36.8 歳
平均勤続年数
4.2 年
平均年間給与
6,374,000 円
女性管理職比率
0.0 %
男性育児休業取得率
100 %
男女賃金差異(全体)
64.7 %
同(正社員)
69.2 %
同(パート・有期)
75.7 %
役員の女性比率
14.3 %(女性1名/7名)
自己資本比率(連結)
39.1 %
ROE(連結)
16.3 %
EPS
32.77 円
BPS
193.4 円
株主総利回り
368.1 %

セグメント別従業員数(連結)

セグメント従業員数(人)出所

開示の記述

出所: 有価証券報告書 2026年6月期 の該当章をそのまま掲載

経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度現在において、当社グループが判断したものであります。 p.13

(1) 経営方針 p.13

当社グループは、「ゼロからイチを創る ~常識を疑い、組織力で難しい課題に挑戦する~」という経営理念のもと、日本のものづくり企業として、グローバルで成長することを目指しております。そのために、航空機関連部品に代表される難易度の高いものづくりに取り組むとともに、最先端技術の開発やイノベーションを推進しております。 p.13

(2) 経営環境 p.13

航空輸送業界は、新型コロナウイルス感染症による航空旅客需要の急激な減少に伴い甚大な影響を受けましたが、移動制限の緩和が進むにつれ航空旅客需要は急激に回復し、2024年には新型コロナウイルス感染症発生前の水準にまで回復するとともに、今後は長期にわたり成長することが見込まれております。 p.13

昨今多くの航空会社は大型機を活用し、主要空港などの大規模拠点(ハブ)に輸送を集中させ、そこから中小型機を活用して各拠点(スポーク)に輸送を行うハブアンドスポーク方式ではなく、中小型機等を活用し、出発地から目的地に直接輸送を行うポイントトゥポイント方式を採用する傾向があります。これは、エンジン性能の向上による規制緩和や、中小型機の燃費向上に伴う長距離飛行の実現に伴い、ポイントトゥポイント方式の方が、乗換等の手間が不要で柔軟なフライト設定が可能となるためであります。こういった背景により、中小型機である仏Airbus社製A320neoファミリー、並びに米Boeing社製737MAXについては、2025年の年間引渡機数がそれぞれ、607機、440機に対し、2026年6月末時点での受注残高機数は、それぞれ7,469機、5,404機となり(出所:一般財団法人日本航空機開発協会)、受注残高機数は年間引渡機数に対して10年を超えるほどの水準となり、今後も生産を拡大することが見込まれております。仏Airbus社、並びに米Boeing社は、これらの需要に対応するために増産に向けて取り組んでおり、両機種には当社製品が搭載されるLEAPエンジンが採用されていることから、当社グループのチタンアルミブレードの需要も増加することが見込まれます。 p.13

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また、航空機業界は、新型コロナウイルス感染症による影響を発端としたサプライチェーンの毀損や人手不足等により、各種部品を供給できるサプライヤーが世界的に不足しています。こうした中、チタンアルミブレードの供給実績があり、地政学的に安定した日本にある当社グループにとっては、新たな量産案件を獲得できる機会が拡大しています。 p.13

その他にも、航空業界では2050年のカーボンニュートラル実現を目指し、機体メーカー及びエンジンメーカーにおいてCO2削減に向けた取り組みが加速しております。今後、CO2削減に向けた取り組みが、当社グループを含めたサプライチェーン全体で更に求められることになると考えられます。 p.13

(3) 中期経営戦略 p.13

当社グループは、仏SAFRAN社との契約に基づき、LEAPエンジンに搭載されるチタンアルミブレードの量産加工・販売を主たる事業としております。仏SAFRAN社は、拡大する航空機需要に対応するため、LEAPエンジンの生産能力増強を進めております。他産業と比較して高い品質水準が求められる航空機関連部品の量産には、サプライヤーにも高い技術力や品質保証力が要求されることから、長期的に高品質な部品を安定供給できるサプライヤーを確保する動きが強まっております。特にチタンアルミブレードは、当社グループを含め、世界で2社のみが供給していることから、LEAPエンジンの生産拡大には、当社の生産能力の拡大が不可欠となります。そうした中、当社グループの量産実績、生産性向上への取組み、品質水準、技術開発に基づく提案、並びにこれらを支える組織体制等を評価頂き、2024年10月に仏SAFRAN社との間で供給期間の延長、マーケットシェアの拡大等に関する更新契約を締結しました。 p.13

一方で、チタンアルミブレードの材料は、欧州企業1社のみに生産を依存していることから、供給リスクを抱えておりました。このような状況を踏まえ、当社グループは、材料供給から加工までを担う垂直統合体制の構築と、収益拡大を目指し、数年にわたり新材料の開発に取り組んでまいりました。その結果、新材料の量産化に目途が立ち、2027年6月期から量産供給を徐々に開始するとともに、2028年1月からはマーケットシェアが更に拡大する予定です。 p.13

当社グループは、チタンアルミブレードの需要増加およびマーケットシェアの拡大により、チタンアルミブレード加工販売を拡大するとともに、チタンアルミブレードの新材料の販売を新たに加えることで、売上と利益の増加を目指します。あわせて、生産効率の向上と原価低減に取り組むことで、収益力強化を図っていきたいと考えております。また、当社グループは、航空業界全体で求められるCO2排出量削減を重要なサステナビリティ課題と認識し、CO2削減に向けて継続的に取り組んでまいります。 p.13

一方で、当社グループはチタンアルミブレード販売への依存度が高いことから、チタンアルミブレード量産加工で得た技術・経験、並びに資金を活用し、新たな航空機部品の量産案件の獲得を進めてまいります。現在、2024年6月に竣工した新工場でLEAPエンジン以外の別の航空機エンジン部品の量産立上げを2件同時で進めております。航空機案件は初期投資が高く、量産立上までに時間はかかりますが、量産化が進むと、資金を長期に渡って獲得し続けることが可能となります。引き続き、当社の技術との適合性、収益性を考慮しながら、新たな量産案件の獲得を進めていく計画であります。 p.14

加えて、2026年6月に、航空機体部品の加工を主力事業とする株式会社オノプラントを完全子会社化いたしました。株式会社オノプラントをグループに迎えることで、航空機需要が拡大する中で、航空機関連ビジネスにおける事業ポートフォリオの拡充およびプレゼンスの向上を図るとともに、民間航空機体部品や防衛分野へ事業領域を拡大し、航空機関連ビジネス全体での競争力強化を目指します。この実現に向けて、当社が有するグローバルな顧客ネットワークと、株式会社オノプラントが有する国内大手重工業メーカーとの顧客基盤を相互に活用することで、新規取引の創出や取引拡大を目指します。また、当社の加工技術や一貫工程による生産能力を株式会社オノプラントへ展開することにより、付加価値の高い製品提供を実現し、両社の持続的な事業成長につなげていく考えです。 p.14

次にマーケット需要を見据えながらも、先端研究開発を積極的に進めていくことにより、製造業として長期的な収益力の基盤を構築したいと考えております。新たに供給開始予定のチタンアルミブレードの新材料の量産開発に加え、AM(Additive Manufacturing、積層造形、いわゆる3Dプリンタ)技術、並びにAM技術を活用した航空機エンジン部品のMRO(整備・補修・オーバーホール)についても技術・事業開発を進めております。AM技術は製造業の考え方を大きく転換させる可能性があり、将来の製造業のあるべき姿を常に検討しながら、研究開発を推進してまいります。 p.14

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループでは、売上高、営業利益、EBITDAを重要な経営指標として管理しております。 p.14

当社グループは、企業として、一定程度の売上高規模を確立し、事業基盤の安定性を確保するとともに、安定した利益成長を継続することが、重要であると考えております。 p.14

一方で、当社グループは、チタンアルミブレード販売への依存度が高く、事業ポートフォリオ及び収益源の多様化を図り、特定製品への依存度を下げることが、永続的な成長のためには不可欠であると考えております。そのためには、チタンアルミブレード以外にも売上拡大を図ることが必要となりますが、新規量産案件拡大のためには、設備投資等の初期投資が発生し、一時的な利益率の低下を招くことが想定されます。そのため、現時点においては、営業利益に加えて、売上高も重要な指標であると考えております。加えて、新規量産案件拡大のための設備投資が今後も継続すると考えられることから、収益性や現金創出力をより適切に把握するために、減価償却費の影響を排除した指標であるEBITDAも重要な指標と位置付けております。 p.14

(5) 優先的に対処すべき事業上の課題 p.14

① 原価低減と生産効率の向上による利益及びキャッシュ・フローの創出航空機需要拡大によるチタンアルミブレードの需要拡大に伴い、当社グループの売上高は増加するとともに、新型コロナウイルス禍において積極的に取り組んだ工程の自動化、内製化、その他原価低減活動やトヨタ生産方式の実践により、当社グループの損益分岐点は新型コロナウイルス発生前から大きく低減しました。 p.14

一方で、需要の増加、マーケットシェアの拡大に対応しながら、チタンアルミブレード新材料の量産化を実現するために、大型の設備投資や人員拡充を進めており、固定費が増加することが想定されます。こうした状況下で利益やキャッシュ・フローを拡大するためには、原価低減や生産効率の向上が不可欠となります。当社グループは、この課題に取り組むため、より一層の生産性の向上及び生産体制の構築に努め、中長期での利益及びキャッシュ・フローの最大化を推進してまいります。 p.14

② 収益の多様化と生産性の向上 p.14

現在、当社グループの収益の大半が仏SAFRAN社に対するLEAPエンジン向けチタンアルミブレードの量産加工・販売から成り立っております。収益の多様化を図るために、チタンアルミブレードの新材料の鋳造量産に加え、LEAPエンジンではない別の航空機エンジン部品の加工量産の立ち上げを進めております。当連結会計年度から、LEAPエンジンではない別の航空機エンジン部品の加工量産が一部開始されましたが、利益やキャッシュ・フローの拡大を図るためには、歩留まりの向上や生産性の向上を図ることが不可欠となります。当社グループはこの課題に取り組むため、より一層の量産技術開発、生産性の向上及び生産体制の構築に努め、中長期での利益及びキャッシュ・フローの最大化を推進してまいります。 p.14

また、チタンアルミブレードの加工で培った技術・経験、並びにAM(Additive Manufacturing、積層造形、いわゆる3Dプリンタ)技術等を活用し、更なる新規案件の獲得に積極的に努めてまいります。 p.15

③ 環境問題への取組 p.15

当社グループは、環境問題に積極的に対応するため環境マネジメントシステムの国際規格「JISQ14001」の認証を取得しております。また、製品の品質保証、顧客満足度や情報セキュリティの向上等を目的に、航空宇宙・防衛産業に特化した品質マネジメントシステムの国際規格「JISQ9100」や、情報セキュリティマネジメントシステム「JISQ27001」認証を取得しております。 p.15

一方で、航空産業においては、機体メーカーやエンジンメーカーが、カーボンニュートラル実現に向けたCO2削減への取り組みを強化しており、サプライヤー全体でCO2削減を実現することが求められております。当社は、気候変動に係るリスク及び収益機会が当社の事業活動や収益等に与える影響について、必要なデータの収集と分析を行い、環境問題に向けた取り組みを加速してまいります。 p.15

④ 技術の開発 p.15

当社グループが、加工技術で今後も競争優位を発揮し、収益性を維持するためには、新たな技術を取り入れることが不可欠であります。また、収益の多様化を図るために、新材料やAM等、新たな技術の開発を取り入れていくことも必要であります。当社グループは、積極的に新たな技術の開発を行い、技術的優位性及び収益の多様化を図ってまいります。 p.15

⑤ 人財の採用育成 p.15

当社グループが、新たな技術開発や新たな案件に取り組むためには、優秀な人財の確保と育成が不可欠であります。当社グループは、新規採用を強化するとともに、育成とフォローアップ体制の整備を充実させることにより人財のスキルアップと組織の活性化を図ってまいります。 p.15

⑥ 資金調達と財務基盤の安定性の確保 p.15

当社グループが、LEAPエンジン向けチタンアルミブレード需要拡大、新材料の量産、並びに収益の多様化実現に向けた新規案件を拡大するためには、新たな設備投資が不可欠となります。 p.15

当社グループは、収益多様化に向けた新たな設備投資を実行できるように、内部留保の確保と株主還元の適切なバランスを検討し、財務内容の最適化に努めてまいります。また、金利上昇下でも資金調達に支障をきたさぬように、金融機関との連携を密にしてまいります。 p.15

⑦ 内部管理体制の強化とコーポレート・ガバナンスの充実 p.15

当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上のため、内部管理体制の充実が不可欠であると認識しており、役職員のコンプライアンス意識の向上、当社グループの取引態様に即した内部管理体制の構築など、コーポレート・ガバナンス体制の強化に取り組んでまいります。 p.15

第一部 第2 事業の状況 1EDINETで原文を開く → p.13–15

事業等のリスク

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 p.20

当社グループは、これらのリスクの発生可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。そのためのリスク管理体制としては、リスク管理規程を定め、四半期に一回(必要に応じて適宜)代表取締役、常勤取締役及び常勤監査役等で構成されるリスク・コンプライアンス委員会を開催し、リスクの調査、網羅的認識及び分析、各種リスクに関する管理方針の協議及び決定等を行うとともに、それら内容については、適宜取締役会にて報告が行われております。 p.20

なお、本項目の記載は全てのリスクを網羅したものではなく、業績等に影響を与えるリスクは下記項目に限定されるものではありません。また、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度現在において当社グループが判断したものであります。 p.20

(1) 事業に関するリスク p.20

① 主要な事業活動の前提となる事項、並びに特定の取引先及び製品への依存について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:大) p.20

当社グループは、航空機である仏Airbus社製A320neoファミリー機及び米Boeing社製737MAX機に搭載されるLEAPエンジンの構成部品であるチタンアルミ製低圧タービンブレードの生産・販売を主たる事業活動としており、当該部品を仏SAFRAN社へ販売しております。当社グループは、当該チタンアルミブレードの販売契約(当該契約の内容は、「第2 事業の状況 5 重要な契約等」をご参照ください)を同社と締結しておりますが、当社グループの連結売上高に占める同社、並びに同製品(関連売上を含む)への売上高の割合は2026年6月期において97.1%となっており、同社、並びに同製品への取引依存度が高い水準にあります。そのため、当社グループは、当該販売契約を事業に関わる重要な契約であると認識しております。 p.20

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当該契約において、仏SAFRAN社は、原則としてLEAPエンジンの生産に必要なチタンアルミブレードの総量の一定割合(以下、マーケットシェア)を契約期間中に渡って、かつ、原則として契約に定められた価格で当社に発注することが定められております。ただし、同社からは一定期間の発注見込数量が提示されますが、当該見込数量は保証されているわけではなく、確定発注数量は数週間分のみとなり、最低発注数量等も定められておりません。また、当該契約期間終了に伴う更新は自動で行われるわけではありません。 p.20

当社が(a)契約不履行や破産等した場合、(b)当社の支配株主が同社の競合企業となった場合、(c)LEAPエンジンの事業主体が変更された場合、(d)同社がオフセット取引(特定の国に製品を購入してもらう見返りに、技術移転や経済発展等を目的として、当該国での現地生産を行うといった取引)を実行する場合、(e) 当社とマーケットシェアや地理的条件が同じ前提において、価格・品質・生産体制面で、当社より一定水準以上の優位な競合先が発生した際に、当社が追随できない場合には、当該契約が終了、もしくはマーケットシェアが減少する可能性があります。また、LEAPエンジンの生産が何らかの理由で一時中断となった場合は、同社は当社の生産ラインの一時中断を要求することができ、その際の経済的保証はないことが定められています。ただし、上記(e)の事象が発生した場合に、同社はマーケットシェアを削減する権利を有する一方で、当該権利を行使することにより、当初のマーケットシェアの一定水準以上を削減する場合は、同社は一定の損害補償を当社に対して行うことが定められております。 p.20

なお、現時点において、上記記載の契約終了やマーケットシェアの変更等に影響を与える事象は発生しておりません。 p.20

当社グループは、仏SAFRAN社と、2024年10月に契約期間の延長およびマーケットシェア拡大に関する更新契約を締結しました。加えて、2025年11月に、2027年6月期からの新材料の供給、2028年1月からの更なるマーケットシェア拡大に関する更新契約を締結いたしました。これらの状況から当社は同社から一定の評価を得ているものと考えており、また、高い品質が求められる航空機エンジン部品製造は他業界と比較して参入障壁が高く、競合他社の参入は容易でないことから、今後も同社と取引を継続できるものと考えております。しかしながら、上記記載の契約終了やマーケットシェアの変更に該当する事象が発生した場合は、当社グループの業績、財務状況等に大きな影響を及ぼす可能性があります。 p.20

また、当社製品が搭載される航空機等に重大な不具合や事故が発生した場合、その原因究明及び安全性の確認のため同型式航空機の運航を見合わせることや、航空機等に安全性を著しく損なう問題が発生した場合は、各国において、安全性が確認されるまで同型式航空機の運航が認められない場合があります。 p.20

これにより、当該機体の生産計画の変更、生産停止などが発生した場合、当社グループの業績、財務状況等に大きな影響を及ぼす可能性があります。 p.20

当社グループは、引き続き同社が満足する製品を供給し、グローバル航空機エンジンメーカー大手である同社との取引関係を強化していく方針でありますが、同社、並びに同製品への依存度を引き下げるため、他の航空機エンジン部品等、当社の強みを発揮できる分野での新規量産案件の拡大に努めてまいります。 p.21

② 経済動向の悪化について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中) p.21

当社グループの売上高の多くは航空機に使用される部品販売で構成されています。航空機業界は経済・マクロ動向の影響を受けやすく、世界的な景気悪化や国際紛争・テロの発生、感染症の流行等による旅客需要の減少や原油価格の高騰により、エアラインや航空機メーカー等の業績や経営基盤が悪化した場合、当社グループの受注高や売上高の減少など、当社の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 p.21

③ 原材料の代替について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:短期、影響度:大) p.21

当社グループの売上高の多くを占める航空機エンジン用のチタンアルミブレードの材料は、仏SAFRAN社からの無償供給となっております。そのため、直接的に当該資材等の価格が当社の業績に影響を与えることはありませんが、この原材料については、その特殊性から供給元が限定されるものとなっており、供給者における事故や品質上の問題、あるいは国際情勢の悪化等により供給不足及び納入の遅延等が発生した場合は、生産スケジュールの遅延に伴う売上や利益の減少による業績の悪化、また、それに伴う売上入金の減少による資金繰りの悪化等、当社の業績、財務状況等に大きな影響を及ぼす可能性があります。過去においても、当該材料の供給元における新型コロナウイルス等に起因する人員不足や設備故障の発生等による材料の供給遅延が発生しており、当社の生産数量に一定の影響を与えております。 p.21

当社グループは、当該材料供給の影響を最小限にするために、新材料の開発を進めてまいりましたが、量産化に目途がたったことから、2027年6月期から徐々に自社新材料の供給を開始する予定です。自社で新材料を量産することにより、材料供給リスクの回避を目指してまいります。 p.21

④ 新材料の量産について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:大) p.21

当社グループは、材料の供給リスクを回避するため、また、収益拡大を図るため、チタンアルミブレードの新材料を数年にわたり開発してきましたが、量産化に目途がたったことから、2027年6月期から徐々に自社新材料の供給を開始し、最終的には当社で加工するチタンアルミブレードの全量を自社新材料に切り替えていく予定です。一方で、鋳造による新材料の量産は、当社にとって初めての経験であり、万が一、新材料の量産化に失敗した場合や、量産スケジュールに遅延が発生した場合、また、想定通りの歩留まりを達成出来ない場合には、チタンアルミブレード全体の売上や利益の減少による業績の悪化、また、それに伴う売上入金の減少による資金繰りの悪化等、当社グループの業績、財務状況等に大きな影響を及ぼす可能性があります。 p.21

当社グループは、新材料の量産体制を早期に構築することにより、これらのリスク低減を図ってまいります。 p.21

⑤ 新規案件の量産について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中) p.21

当社グループは、特定製品、特定顧客への依存度を引き下げるために、新工場を含む、設備投資を実施し、新たな航空機関連部品の量産立上げを進めております。当連結会計年度において、一部量産が開始され、2027年6月期から収益化されることを見込んでおります。一方で、万が一、当該量産に失敗した場合や、量産スケジュールに遅延が発生した場合、また、想定通りの歩留まりを達成出来ない場合には、業績の悪化、また、それに伴う売上入金の減少による資金繰りの悪化等、当社グループの業績、財務状況等に大きな影響を及ぼす可能性があります。 p.21

⑥ 為替レートの変動について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大) p.21

当社グループの売上高の多くを占める航空機エンジン用のチタンアルミブレードは、米ドルによる外貨建て取引により輸出販売しております。2024年10月の仏SAFRAN社との契約改定において、為替レートの影響をヘッジするために、一定の為替レートレンジを超えて円高になった場合には、一部販売価格を引き上げ、円安になった場合には、一部販売価格を引き下げる契約を締結しましたが、一定の為替レートレンジ内においては、引き続き為替変動による影響を受けやすくなっております。また、当社は副資材等については、一部輸入によって調達していますが、輸出に対する輸入の割合は低いものとなっております。そのため、当社グループの業績は、為替相場の円高局面ではマイナスに、円安局面ではプラスにそれぞれ影響を受け、想定を超えた為替レートの変動があった場合には、当社の業績、財務状況等に大きな影響を及ぼす可能性があります。 p.21

当社グループは、これらの為替変動の影響を最小限にするため、為替予約取引等により、為替変動リスクのヘッジに努めてまいります。 p.21

⑦ 自然災害等の影響について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大) p.22

当社グループの主たる生産拠点は栃木県のみであります。そのため、栃木県において大規模災害が発生した場合や、工場での事故や火災が発生した場合には、生産設備の破損、物流拠点の麻痺等が生じ、生産拠点の操業停止等、当社グループの生産体制が重大な影響を受け、当社の財政状態、経営成績等に重要な影響が及ぶ可能性があります。 p.22

当社グループは、自然災害等の事象が発生する場合に備えて、事業継続計画(BCP)を策定し、一部工程について外注先を確保するとともに、可能な限り最短での生産復旧が可能となるように、生産復旧までのマニュアルの作成や、社内研修等を実施することで、業務中断に伴うリスクを最小限に抑えるように努めてまいります。 p.22

⑧ 製品品質や安全について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中) p.22

当社グループは、品質や安全に関する法令・規則の遵守及び製品品質や信頼性の向上に努めております。しかしながら、万一、製品に起因する品質上・安全上の問題により大規模なリコールや賠償請求に発展する場合は、多額のコストの発生につながり、当社グループの信用低下や財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、顧客との契約上の保証条項の内容においても、支払補償費などの発生費用により当社グループの信用低下や財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 p.22

当社は、当該リスクを防止するため、品質や安全に関する管理基準の適切な運用を実施しております。具体的には、航空品質認証であるJISQ9100を取得し、それに基づいた品質保証システムの確立と管理を行うとともに、主要顧客である仏SAFRAN社の認証や国際特殊工程認証であるNadcapを取得・維持管理することで品質を担保しております。製造工程を変更する場合は、規程に基づく顧客承認プロセスを含む工程変更手続きを厳格に行い、履歴管理を実施しております。当社グループは徹底した品質や安全に関しての社内ルールを整備・運用することにより、品質・安全リスクを最小限に抑えるように努めております。また、当社グループは航空PL保険に加入することにより、大規模なリコールや賠償請求等に対する備えを行っております。具体的には、当社は、仏SAFRAN社が求める水準の航空PL保険に加入しており、同社との契約上、チタンアルミブレードの販売における当社の賠償責任は、当該航空PL保険金額が上限となっております。 p.22

⑨ 生産キャパシティの不足について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中) p.22

当社グループ製品が搭載される航空機である仏Airbus社製A320neoファミリー機及び米Boeing社製737MAX機は、商業用航空機全体の受注残高の多くを占めており、両機種ともに生産拡大を進めております。また、仏SAFRAN社との契約更新により、2028年からマーケットシェアも拡大する予定です。当社は、これら需要の拡大及び、マーケットシェアの拡大に対応するため、今後設備投資等を行い生産キャパシティの増強を進めていく必要があります。しかしながら、当社が十分な生産キャパシティを確保できずに供給遅延等が発生した場合には、供給遅延に伴うペナルティ費用の発生に加えて、顧客である仏SAFRAN社からの信頼を失い、同社との将来の取引に悪影響を及ぼす可能性があります。 p.22

当社グループは、生産性向上を図ることにより、生産キャパシティの増強を継続的に推進するとともに、必要な設備投資等を行うことにより、生産キャパシティが不足しないように対応してまいります。 p.22

⑩ 法的規制等に関するリスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大) p.22

当社グループは、事業活動を行うに際して、製造物責任法・独占禁止法・下請代金支払遅延等防止法・廃棄物の処理及び清掃に関する法律・工場立地法・消防法・毒物及び劇物取締法等の法的規制を受けております。当社グループは、JISQ9100やJISQ14001の認証を取得した工場として、各種法令・規則に則り生産活動を行っておりますが、今後、新たな法令の制定等規制の動向によっては、当社グループの事業展開が制約され、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、当社グループは直接的な法的規制は受けませんが、当社グループ製品の供給先である航空機エンジンが搭載される航空機等に重大な不具合や事故が発生したことにより、関係当局から当該航空機の型式証明等が取り消された場合、当社の受注数量が減少することになり、当社グループの業績、財務状況等に大きな影響を及ぼす可能性があります。 p.22

当社グループは、法務業務を担当する経営管理部が、新たな法規制等を定期的に確認・対応すること、また、リスク・コンプライアンス委員会により当社グループ事業に影響を与え得る法規制等を幅広く確認し、必要に応じて対応を行うことで、当該リスクを最小限に抑えるように努めております。また、特定製品への依存度を引き下げるため、他の航空機エンジン部品等、当社の強みを発揮できる分野での新規案件の拡大に努めてまいります。 p.22

⑪ 固定資産の減損リスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中) p.23

当社グループは、設立から2022年6月期まで継続して営業赤字を計上しておりました。また、製造業であることから工場建物、機械設備等、多額の固定資産を保有しております。今後も新規量産案件の拡大や、新材料の量産化に向けて、固定資産が増加していくことが想定されます。当該固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損損失を認識すべきであると判定した場合には、それぞれの固定資産について回収可能性を評価することとなります。回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、その差額は減損損失として当該期の損失として計上されるため、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 p.23

当社グループは、原価低減活動や新たな収益源の拡大に取り組むことで、減損リスクを最小限に抑えるように努めてまいります。 p.23

⑫ のれんの減損リスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中) p.23

当社グループは、企業買収に伴い発生したのれんを計上しております。当該のれんにつきましては事業価値を適切に反映したものと考えておりますが、事業環境の変化等により当初期待した成果が得られない場合、のれんの減損処理等が発生し、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性がございます。 p.23

当社グループは、投資後のモニタリングを適切に行い、シナジー創出と収益化の確度向上に取り組むことで、減損リスクを最小限に抑えるように努めてまいります。 p.23

⑬ 新型コロナウイルス等の感染症の発生について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中) p.23

新型コロナウイルス感染症拡大は航空機による移動制限をもたらし、世界中のエアライン及び航空機メーカーは減便・減産を余儀なくされました。新型コロナウイルスやその他の感染症が今後新たに発生・拡大した場合は、航空機需要が減少し、当社グループの業績見通しが毀損する可能性があります。 p.23

当社グループは、感染拡大防止のための対策を徹底するとともに、引き続き生産・製造規模の臨機応変な対処を行い、資金需要についても金融機関と緊密な調整を進めるなど対応を継続しております。また、原価低減活動や新たな収益源の多様化、事業継続計画(BCP)策定により、当該リスク発生時の影響を最小限に抑えるように努めてまいります。 p.23

⑭ 有利子負債への依存度について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:小) p.23

当社グループは製造業であり、通常、収益の計上に先行して設備投資が必要となります。現状の事業拡大局面においては、設備投資額は増加傾向にありますが、資金面では手元資金に加えて金融機関からの借入金等によって調達しており、2026年6月期末において、5,410,909千円の借入金(総資産に対する割合44.1%)があります。そのため、収益力が低下し、借入返済に必要な十分なキャッシュ・フローを計上出来なかった場合や、当社の信用力低下等何らかの理由により調達に制約を受けた場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 p.23

当社グループでは、2026年6月期末において、2,628,381千円の現預金を保有しており、一定の手元流動性を確保しておりますが、金融機関との良好な関係の維持・強化に努めるとともに、常に手元流動性の確保や資本効率の向上等の観点から検討を行い財務基盤の強化に取り組んでまいります。 p.23

⑮ 金利の上昇について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:小) p.23

現在、当社グループにおける資金調達は、金融情勢も勘案の上、金融機関からの長期借入にその多くを依存しております。当連結会計年度においては、チタンアルミブレードの新材料供給やマーケットシェア拡大等に向けて、新たな借入を実施し、2026年6月期末において、5,410,909千円の借入金があります。今後、世界的な金融引き締めにより、金利が上昇した場合には、資金調達コストが更に増大し、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 p.23

当社グループは、保有現預金や自己資本比率水準等の財務の健全性を維持・強化するとともに、資金調達手段の多様化等を進め、低利かつ安定的な資金の確保に努めてまいります。 p.23

⑯ 財務制限条項について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:小) p.23

当社グループは、安定的な資金運用を図るため、金融機関から資金調達を行っておりますが、一部の金融機関との取引について、「第5 経理の状況 [注記事項](連結貸借対照表関係)」に記載のとおり、借入契約に財務制限条項が付されたものがあります。万が一、これらの条件に抵触した場合には、期限の利益の喪失等、当社の経営成績及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。 p.23

当社グループは、経済情勢や金利動向、財務バランスを総合的に勘案し、有利子負債の適正な水準の維持に努めながら事業展開を行ってまいります。 p.24

⑰ 情報セキュリティについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:小) p.24

当社グループでは、製品の設計・開発、生産、販売など、事業活動において、情報技術やネットワーク、システム(ITシステム)を利用しております。これらITシステムの運用、並びに導入・更新に際しては、システムトラブルや情報の外部漏洩が発生しないよう安全対策を講じるとともに、情報セキュリティマネジメントシステム(JISQ27001)認証を取得し、情報セキュリティ体制の強化を図っております。しかしながら、予想を超えるサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウイルス侵入等により、重要な業務の中断やデータの破損・喪失、機密情報の外部漏洩などが発生する可能性があります。この場合、当社グループの信用低下や財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 p.24

当社グループは、情報セキュリティ対策の充実、役職員への教育、情報システムの社内バックアップ体制等により、当該リスクを回避できるように努めてまいります。 p.24

(2) 事業体制に関するリスク p.24

① 代表取締役社長への依存及び当社グループの事業推進体制について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:小) p.24

当社の代表取締役社長である森西淳は、当社の創業者であり、設立時より最高経営責任者であります。同氏は、事業経営に関する豊富な経験と知識を有しており、現在においても経営方針や事業戦略等の立案及び決定を始め、取引先やその他各分野にわたる人脈等、当社グループの事業推進の中心的役割を担っており、当社における同氏への依存度は一定程度高いものとなっております。そのため、何らかの理由により同氏が当社グループの経営者として業務遂行が継続できなくなった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。 p.24

当社グループでは、同氏に過度に依存しないよう、経営幹部、並びに業務推進役の拡充、育成及び権限委譲による分業体制の構築等を進めることにより、当該リスクを回避できるように努めてまいります。 p.24

② 人財の確保・維持について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:小) p.24

当社グループが今後事業の拡大を行うにあたり、優秀な人財を獲得・育成することが重要な課題と考えております。そのため、採用活動及び研修制度、人事制度の強化に努めておりますが、業務上必要とされる人財を確保・育成できない場合や、退職者の増加等により必要な人財が維持できない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 p.24

当社グループは、採用活動、研修制度及び人事制度の強化により、当該リスクを回避できるように努めてまいります。 p.24

(3) その他のリスク p.24

① ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:小) p.24

当社では、取締役、従業員等に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、既存株主が有する保有株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、当連結会計年度末現在における新株予約権による潜在株式数は1,769,700株(2026年7月1日付で実施した普通株式1株につき2株の割合の株式分割考慮後)であり、発行済株式総数の7.1%に相当しております。 p.24

当社グループは、収益力を高め、企業価値の向上を行うことで当該リスクを回避できるように努めてまいります。 p.24

② 配当政策について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:小) p.24

当社グループは、成長過程の途上にあり、経営基盤の長期安定に向けた財務体質の強化及び事業の継続的な拡大・発展を目指すため、内部留保を充実させることが必要であると考えており、これまでに配当を実施したことはなく、また、今後も当面の間は配当を実施する予定はありません。しかしながら、株主利益の最大化を重要な経営目標の一つとして認識しており、今後の株主への剰余金の配当につきましては、業績の推移、財務状況、今後の事業への投資計画等を総合的に勘案し、内部留保とのバランスをとりながら検討していく方針であります。 p.24

当社グループは、収益力を高め、企業価値の向上を行うことで、株主利益の最大化を実現できるように努めてまいります。 p.24

第一部 第2 事業の状況 3EDINETで原文を開く → p.20–24

研究開発活動

当社グループは、現在、受託加工を主たる事業としておりますが、製造業としてグローバルに成長していくため、次の研究開発にも取り組んでおります。当連結会計年度において当社グループが支出した研究開発費の総額は180,839千円であります。 p.34

(1) チタンアルミブレード用新材料開発 p.34

当社グループは、現在、仏SAFRAN社から無償支給されたチタンアルミブレードの材料であるチタンアルミ合金を、チタンアルミブレードに加工し、同社に納入しております。一方、航空機需要が拡大するなか、当該材料の生産は欧州企業1社に依存しており、供給リスクを抱えております。このような状況を踏まえ、当社グループは、当該リスクへの対応策として、また、材料供給から加工までを担う垂直統合体制の構築と収益の拡大を目指し、国立研究開発法人物質・材料研究機構と共同で、数年にわたりチタンアルミ合金(以下「新材料」といいます。)の製造プロセスの開発に取り組んでまいりました。 p.34

新材料は、チタンやアルミ等の原料を鋳造して生産するチタンアルミ合金であり、LEAPエンジン向けの材料となります。現行の材料と比較して完成形状に近いことから、原料の使用量を抑えられ、原料コストに加えてその後の加工コストも削減することが可能となります。また、環境面においても、日本国内で材料を生産することにより、従来よりも材料の輸送距離が短縮され、サプライチェーン全体でのCO2削減が見込まれます。 p.34

これらの研究開発の結果、新材料の量産化に目途が立ち、2025年11月に仏SAFRAN社と、新材料の供給及びマーケットシェア(LEAPエンジンの生産に必要なチタンアルミ製低圧タービンブレードの供給シェア)の拡大に関する契約を締結いたしました。新材料については、仏SAFRAN社とともに数年にわたり評価を実施し、LEAPエンジンに搭載可能であることを確認しております。LEAPエンジン用チタンアルミブレードにおいて、材料から加工まで一貫して量産する企業は、当社グループが世界で初めてと認識しており、この垂直統合戦略の実現により、競合他社に対する優位性を確保し、チタンアルミブレードサプライヤーとしての確固たる地位を確立できるものと考えております。 p.34

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当連結会計年度においては、当社グループが保有する溶解炉を用いて量産準備に着手いたしました。開発段階から量産段階への移行期間と位置付け、試作数をさらに拡大して製造オペレーションの習熟を進めるとともに、品質の改善とコスト削減の検討を継続しております。また、当連結会計年度の大きなマイルストーンとして、仏SAFRAN社から品質保証の一環として求められている材料の成分分析を行うための試験評価施設(ラボ棟)が竣工し、同社から当該試験評価に関する国内初の認定を取得いたしました。これにより、新材料を現行の加工ラインで加工した場合の最終的な品質が良好であることを確認できたことから、量産に向けた認証の取得に向けた各種の最終確認を進めました。今後も、認証の取得とさらなる高度化に向けて、化学分析技術者の採用及び育成を計画に沿って進めてまいります。 p.34

(2) AM技術開発 p.34

当社グループは、AM(Additive Manufacturing、積層造形、いわゆる3Dプリンタ)技術の開発を進めております。積層造形とは、電子ビームやファイバーレーザーにより金属粉末の溶融凝固を繰り返して金属部品を製作する技術であり、従来は加工が困難であった複雑な形状の部品を造形することが可能となります。一方、高額な設備を要すること及び造形に時間がかかることが、量産に向けた課題となります。当社グループは、保有する金属積層造形設備2台を用いた研究開発を推進するとともに、積層造形による試作品の受託を行い、設計機能や当社グループが実績を有する精密加工及び非破壊検査の技術も取り込んだ新たなビジネスモデルの構築を検討しております。また、積層造形はデジタル製造や分散型製造モデルとも呼ばれ、従来のサプライチェーンや大量生産モデルとは異なる事業展開が可能になると考えられることから、積層造形とデジタル技術を組み合わせたビジネスモデルの検討も進めております。 p.34

当連結会計年度においては、従来から注力してきた鉄道車両部品へのAM適用に加え、航空機用部品への適用を見据えた試作を受託し、より付加価値の高い産業における実績を積み上げました。鉄道車両と同様に、航空機もそのライフサイクルが長いため、運用後期には補給部品のサプライチェーンの維持が課題となっており、AMはその解決手段の一つとなり得るものと考えております。加えて、中長期の人財育成の取組として当社グループが商標を登録した「AM Native®」の活動の一環である3Dプリンティングの体験イベントについて、小中学生の夏休み期間に合わせて内容を充実させました。引き続き、当社グループの航空機エンジン部品の量産経験とAM技術開発の強みを融合し、航空機産業に代表される付加価値の高い産業におけるAM適用の拡充に取り組んでまいります。 p.34

(3) AMを活用したMRO技術開発 p.35

航空機エンジンは、その安全性を確保するため、一定の飛行時間又は飛行回数ごとに定期的な整備・補修・オーバーホール(MRO)を行うことが求められており、エンジンに搭載される各種のタービンブレードについても、その過程で補修が必要となります。当社グループは、当該MRO市場への参入を目指し、技術開発を進めております。 p.35

当連結会計年度においては、これまでのチタンアルミブレードの補修技術開発で得た知見と、AMの受託事業を通じて得た顧客ニーズに基づき、発電用ガスタービン及び航空機エンジンにおいて修理需要の高い部品及び材料の特定を進めました。あわせて、一部の材料について要素実験に取り組み、AMによる修理の初期段階の実現可能性を検証いたしました。また、社内の量産工程で使用する治工具について、AMによる補修と強度の向上を狙い、研究機関と連携して技術開発を行い、要素実験の結果を踏まえ、実機への適用に向けた段階へ移行することといたしました。航空分野では、エアライン、航空機リース会社及びエンジンOEMに対してMRO市場のニーズ調査を進め、事業参入の立案に資するネットワークの構築と情報収集を加速させております。MRO事業は、その市場規模と成熟度から海外での事業運営も視野に入れる必要があるため、これらの活動はグローバルに展開しております。AMの用途は欧米を中心に世界的に拡大しており、最新技術をベンチマークしながら、海外との連携もさらに加速してまいります。これらの成果の一部を学会誌等に寄稿するなど、当社グループの技術力の発信も継続しております。引き続き、AMを活用した補修技術の確立と市場展開に向けて、研究開発活動を進めてまいります。 p.35

第一部 第2 事業の状況 6EDINETで原文を開く → p.34–35

設備投資等の概要

当連結会計年度に実施いたしました設備投資の総額は3,103,860千円(建設仮勘定を含む。)となりました。主な投資内容は、LEAPエンジン向けチタンアルミブレードの新材料の供給、並びにマーケットシェア拡大に向けたラボ建屋、生産設備及び検査装置等となります。 p.36

なお、当社グループの事業は、加工事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 p.36

第一部 第3 設備の状況 1EDINETで原文を開く → p.36

企業データ

このページに載っている件数

業績指標39指標 × 5期
沿革14件
大株主10名
役員7名
開示の記述5章、約26,612字
関係会社0社
適時開示未取得(TDnet)
知的財産未取得(特許庁)
公共調達未取得(調達ポータル)
このデータをAIで使うMCP対応クライアント(Claude、Cursor など)から、この会社の業績指標・沿革・役員・開示の記述を構造化データで取得できるようにする予定です。
接続方法(準備中)

同業

輸送用機器東証33業種

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