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業種›輸送用機器›いすゞ自動車
いすゞ自動車

いすゞ自動車 7202

神奈川県横浜市に本社を置く大型トラック・バスの製造会社。p.61937年設立。2026年3月期の売上収益 3.5兆円。

輸送用機器自動車・輸送機TOPIX Mid400配当あり従業員1万人以上

企業概要

出所: 有価証券報告書 2026年3月期 p.1国税庁

企業名
いすゞ自動車株式会社(ISUZU MOTORS LIMITED)p.1
法人番号
5010701000904 国税庁
設立
1937年4月(東京自動車工業株式会社(資本金100万円、現在のいすゞ自動車株式会社)を設立)p.5
資本金
40,644 百万円p.4
代表者
取締役社長CEO 山口真宏p.1
本店
神奈川県横浜市西区高島1丁目2番5号p.1
電話番号
045-299-9035p.1
業種
輸送用機器(東証33業種)JPX
決算期
3月IFRSp.1
監査法人
EY新日本有限責任監査法人p.69
従業員数
43,005人(連結)p.29,089人(単体)p.4
関係会社
子会社120社、関連会社・共同支配企業-社p.6
URL

上場企業情報

出所: JPX 銘柄情報有価証券報告書 2026年3月期 p.1

証券コード
7202JPX
市場区分
東証プライムJPX
33業種
17業種
自動車・輸送機JPX
規模区分
TOPIX Mid400JPX
EDINETコード
E02143p.1
上場
1949年5月p.5
発行済株式総数
688,751 千株p.4
直近の有報
2026年3月期(提出 2026年6月23日)p.1
配当
92.000円配当性向 80.4%p.4
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事業の内容

出所: 有価証券報告書 2026年3月期 p.6–7

事業の内容

当社の連結財務諸表は、IFRS会計基準に準拠して作成しており、関係会社の状況においてもIFRSの定義に基づいて開示しています。 p.6

当社グループは、当社及び連結子会社120社、持分法適用会社等(関連会社、共同支配事業及び共同支配企業)35社で構成されており、自動車事業を主たる事業として、これを補完するための金融事業を行っています。 p.6

自動車 p.6

当事業においては、大型トラック・バス、小型トラックを中心としたCV・LCV及びパワートレイン(注)の製造・販売、それらに関連する物流等の各種サービス事業をグループの中核事業として国内外に展開しています。 p.6

生産体制は、当社による製造・組立と、当社が供給するコンポーネントを在外グループ企業により組立てる現地生産を行っています。また、自動車以外の主力製品であるエンジンは、日本及びアジア地域で生産しています。 p.6

国内の販売体制は、中央官庁並びに大口需要者の一部に対しては、大型トラック・バスを当社が直接販売にあたり、大型トラック・バス、小型トラックほかの、その他の需要者に対しては販売会社がその販売にあたっています。 p.6

海外への販売は、当社グループ企業の販売網及びゼネラル モーターズ グループ各社等の販売網並びに商社等を通じ行っています。 p.6

金融 p.6

当事業においては、当社グループが製造する自動車及び他の製品の販売を補完するための金融並びに車両のリース事業を行っています。 p.6

各事業における主な関係会社については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」をご参照ください。 p.6

(注)文中「CV」「LCV」「パワートレイン」とあるのはそれぞれ「商用車」「ピックアップトラック及び派生車」「エンジン、トランスミッション及び駆動系のコンポーネント」のことを示します。 p.6

以上、述べた事項を事業系統図によって示すと概ね次のとおりとなります。 p.7

第一部 第1 企業の概況 3 事業の内容EDINETで原文を開く → p.6–7

業績指標

連結 26指標単体 16指標5期出所: 有価証券報告書 2026年3月期「主要な経営指標等の推移」 p.2–4

連結(IFRS)

指標直近前期比5期 CAGR推移 (古 → 新)出所
売上収益
百万円
3,479,074
2026年3月期
+7.5%-p.2
税引前利益
百万円
230,575
2026年3月期
-5.9%-p.2
親会社の所有者に帰属する当期利益
百万円
134,876
2026年3月期
-3.7%-p.2
親会社の所有者に帰属する当期包括利益
百万円
222,108
2026年3月期
+60.3%-p.2
親会社の所有者に帰属する持分
百万円
1,479,509
2026年3月期
+7.8%-p.2
総資産額
百万円
3,663,138
2026年3月期
+10.9%+6.4%p.2
1株当たり親会社所有者帰属持分
円
2,152.8
2026年3月期
+11.7%-p.2
基本的1株当たり当期利益
円
193.1
2026年3月期
+1.2%-p.2
希薄化後1株当たり当期利益
円
193.1
2026年3月期
+1.2%-p.2
親会社所有者帰属持分比率
%
40.4
2026年3月期
-2.9%-p.2
親会社所有者帰属持分当期利益率
%
9.5
2026年3月期
-6.9%-p.2
株価収益率
倍
11.5
2026年3月期
+8.8%+4.2%p.2
営業活動によるキャッシュ・フロー
百万円
247,419
2026年3月期
-2.6%+9.5%p.2
投資活動によるキャッシュ・フロー
百万円
-169,996
2026年3月期
+16.0%-p.2
財務活動によるキャッシュ・フロー
百万円
-83,237
2026年3月期
+8.1%-p.2
現金及び現金同等物の期末残高
百万円
385,431
2026年3月期
+7.4%+3.1%p.2
従業員数
人
43,005
2026年3月期
+2.1%-0.7%p.2
売上高
百万円
-
2026年3月期
--p.3
経常利益
百万円
-
2026年3月期
--p.3
親会社株主に帰属する当期純利益
百万円
-
2026年3月期
--p.3
包括利益
百万円
-
2026年3月期
--p.3
純資産額
百万円
-
2026年3月期
--p.3
1株当たり純資産額
円
-
2026年3月期
--p.3
1株当たり当期純利益金額
円
-
2026年3月期
--p.3
自己資本比率
%
-
2026年3月期
--p.3
自己資本利益率
%
-
2026年3月期
--p.3
単体の指標を見る単体の指標を閉じる

提出会社(単体)

指標直近前期比5期 CAGR推移 (古 → 新)出所
売上高
百万円
1,541,051
2026年3月期
+7.9%+8.5%p.4
経常利益
百万円
60,695
2026年3月期
-28.7%-10.9%p.4
当期純利益
百万円
79,918
2026年3月期
+2.9%-2.6%p.4
資本金
百万円
40,644
2026年3月期
+0.0%+0.0%p.4
発行済株式総数
千株
688,751
2026年3月期
-3.5%-3.0%p.4
純資産額
百万円
826,619
2026年3月期
-2.8%+2.4%p.4
総資産額
百万円
1,782,262
2026年3月期
+7.3%+5.4%p.4
1株当たり純資産額
円
1,202.7
2026年3月期
+0.7%+5.5%p.4
1株当たり配当額
円
92.00
2026年3月期
+0.0%+8.7%p.4
1株当たり当期純利益金額
円
114.4
2026年3月期
+8.2%-0.1%p.4
自己資本比率
%
46.4
2026年3月期
-9.4%-2.8%p.4
自己資本利益率
%
9.5
2026年3月期
+10.5%-6.8%p.4
株価収益率
倍
19.4
2026年3月期
+1.8%+8.8%p.4
配当性向
%
80.4
2026年3月期
-7.6%+8.7%p.4
従業員数
人
9,089
2026年3月期
+3.2%+3.1%p.4
株主総利回り
%
222.2
2026年3月期
+12.6%+12.4%p.4
単位は指標名の下に記載。前期比は直近期と前期の差、5期 CAGR は5期(4年間)の年平均成長率。推移は各行の最小と最大で正規化した形で、色は前期比の符号。出所列の p.N は有価証券報告書の該当ページ。

沿革

16件出所: 有価証券報告書 2026年3月期 p.5

  1. 1937年4月東京自動車工業株式会社(資本金100万円、現在のいすゞ自動車株式会社)を設立 p.5
  2. 1938年7月川崎工場操業開始 p.5
  3. 1941年4月商号を「ヂーゼル自動車工業株式会社」と改称 p.5
  4. 1944年3月本店を品川区東品川より品川区南大井へ移転 p.5
  5. 1949年5月東京証券取引所上場 p.5
  6. 1949年7月商号を現在の「いすゞ自動車株式会社」と変更 p.5
  7. 1953年2月ルーツ社とヒルマン技術援助提携の契約に調印 p.5
  8. 1962年1月藤沢工場操業開始 p.5
  9. 1971年7月ゼネラル モーターズ コーポレーション(GM社)と全面提携に関する基本協定書に調印 p.5
  10. 1972年6月栃木工場操業開始 p.5
  11. 1984年6月北海道工場操業開始 p.5
  12. 1994年5月車体工業株式会社(資本金1,000百万円)と合併 p.5
  13. 1998年9月GM社との合弁(持分比率60:40)会社ディーマックス リミテッド(DMAX)設立 p.5
  14. 2002年11月北海道工場を分社化し、「いすゞエンジン製造北海道株式会社」を設立 DMAXの持分の20%をGM社へ売却 p.5
  15. 2004年5月川崎工場を閉鎖し、藤沢工場、栃木工場へ再編 泰国いすゞ自動車株式会社の議決権比率を47.9%から70.9%に引き上げ、同社と泰国いすゞエンジン製造株式会社を連結子会社化 p.5
  16. 2006年4月GM社と資本提携の解消について合意、GM社はその保有する当社株式全数を三菱商事株式会社と伊藤忠商事株式会社と株式会社みずほコーポレート銀行へ売却 販売金融機能を担う子会社 いすゞリーシングサービス株式会社設立 当社子会社である株式会社アイメタルテクノロジーと関連会社であるテーデーエフ株式会社及び自動車部品工業株式会社の3社は株式移転により、当社子会社となる共同持株会社「IJTテクノロジーホールディングス株式会社」を設立 いすゞモーターズ インディアのピックアップトラックの組立工場開所 GMイーストアフリカ(General Motors East Africa(以下「GMEA」という。))が保有する株式を取得し、同社を連結子会社化、GMEAは、「いすゞイーストアフリカ」に社名を変更 GMサウスアフリカが保有するいすゞトラックサウスアフリカ(Isuzu Truck South Africa)株式を取得し完全子会社化、「いすゞモーターズサウスアフリカ」に社名を変更 IJTテクノロジーホールディングス株式会社は傘下のテーデーエフ株式会社、株式会社アイメタルテクノロジー、自動車部品工業株式会社を吸収合併し、株式会社IJTTに商号変更 カミンズ・インクと、パワートレイン事業に関する包括契約を締結 AB Volvo社と「協業基本契約」及び「株式譲渡契約」に調印 同社が保有するUDトラックス株式会社の全株式を、当社が取得することを合意 トヨタ自動車株式会社、日野自動車株式会社と商用事業における協業に関する共同企画契約を締結(2021年7月に契約を終了) トヨタ自動車株式会社と資本提携 UDトラックスを株式取得により完全子会社化 東京証券取引所プライム市場に移行 DMAXの持分の40%をGM社へ売却し、合弁を解消 本店を現本社所在地(横浜市西区高島1丁目2番5号)へ移転 トヨタ自動車株式会社、スズキ株式会社、日野自動車株式会社と商用事業における協業に関する共同企画契約を締結(2025年1月に契約を終了) 株式会社IJTTを株式の譲渡により持分法適用会社化 トヨタ自動車株式会社、スズキ株式会社、日野自動車株式会社、ダイハツ工業株式会社と商用事業における協業に関する共同企画契約を締結 トヨタ自動車株式会社と次世代FC路線バスの共同開発に合意 いすゞ自動車販売株式会社の吸収分割を実施 「いすゞ(中国)発動機有限公司」を持分法適用会社化 UDトラックスとの国内販売機能統合を決定 UDトラックスとの合併に向けた検討を開始 p.5

大株主

上位10名出所: 有価証券報告書 2026年3月期 p.46

#株主名所有株式数(千株)持株比率出所
1日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)92,00113.36%p.46
2三菱商事株式会社63,6339.24%p.46
3伊藤忠自動車投資合同会社52,9387.69%p.46
4株式会社日本カストディ銀行(信託口)48,4097.03%p.46
5トヨタ自動車株式会社39,0005.66%p.46
6STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 50500116,8992.45%p.46
7JPモルガン証券株式会社14,8172.15%p.46
8野村信託銀行株式会社(投信口)10,9571.59%p.46
9JPMORGAN CHASE BANK 38578110,0131.45%p.46
10全国共済農業協同組合連合会10,0001.45%p.46
残り9名の株主名と持株比率は無料登録で表示されます無料登録して表示
持株比率は発行済株式(自己株式を除く)に対する割合。信託銀行の株式数は信託業務に係るもの。

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役員

13名男性10名 女性3名2026年6月23日現在出所: 有価証券報告書 2026年3月期 p.61–64

  • 取締役会長片山正則p.61
  • 取締役副会長南真介p.61
  • 代表取締役 取締役社長CEO山口真宏代表取締役p.61
  • 取締役副社長 CHRO髙橋信一p.61
  • 取締役 CTO 商品技術戦略部門EVP藤森俊p.62
  • 取締役柴田光義p.62
  • 取締役宮井真千子p.62
  • 取締役中野哲也p.63
  • 取締役 監査等委員阿部博友p.63
  • 取締役 常勤監査等委員渡邉正夫p.63
  • 取締役 常勤監査等委員川浪正人p.63
  • 取締役 監査等委員桜木君枝p.64
  • 取締役 監査等委員細井友美子p.64

従業員・人的資本

出所: 有価証券報告書 2026年3月期「従業員の状況」 p.82 ほか

連結従業員数
43,005 人
単体従業員数
9,089 人
平均年齢
40.1 歳
平均勤続年数
15.6 年
平均年間給与
8,376,000 円
女性管理職比率
5.3 %
男性育児休業取得率
89.5 %
男女賃金差異(全体)
85.9 %
同(正社員)
81.7 %
同(パート・有期)
104.5 %
役員の女性比率
23.1 %(女性3名/13名)
自己資本比率(連結)
40.4 %
ROE(連結)
9.5 %
EPS
193.1 円
BPS
2,152.8 円
株主総利回り
222.2 %

セグメント別従業員数(連結)

セグメント従業員数(人)出所
自動車事業42,656p.82
金融事業349p.82

開示の記述

出所: 有価証券報告書 2026年3月期 の該当章をそのまま掲載

経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。 p.11

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 p.11

(1)経営方針・企業理念・行動方針 p.11

当社グループを取り巻く事業環境の変化は日増しに加速しており、事業は複雑性を増しています。こうした状況下で、当社グループはさまざまな社会課題を解決し、商用車業界をリードしていくために、自らの存在意義、そしてお客様・社会に対する提供価値を問い直すことが必要とされています。 p.11

このような課題認識のもと、当社グループは、従業員一人ひとりが高い視座に立ち、同じ価値観を共有し、一丸となって社会課題の解決に取り組むことが必要と考え、2023年5月に新経営理念体系「ISUZU ID」を策定しました。 p.11

「ISUZU ID」の概要は以下のとおりです。 p.11

◆PURPOSE(使命):地球の「運ぶ」を創造する p.11

お客様、そしてパートナーの皆さまと地球上のすべてのモノ・ヒトの「運ぶ」を主体的に創造するとともに、カーボンニュートラルへの対応や、進化する物流への貢献など、新たな「運ぶ」の価値を提供し、社会を豊かにしていきたい、という決意を表しています。 p.11

◆VISION(将来像):「安心×斬新」で世界を進化させるイノベーションリーダーあらゆる社会課題の解決に貢献していくために、従来大切にしてきた「安心」に、「斬新」を掛け合わせ、イノベーションリーダーを目指します。 p.11

◆MISSION(任務):あなたと共に「運ぶ」の課題を解決するすべての人々と共に社会を前進させるという意志を込め、4つの分野(お客様満足度・地球へのやさしさ・働きがい・社会への影響力)でNo.1を目指します。 p.11

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◆CORE VALUE(コア・バリュー):相互成長 p.11

イノベーションリーダーとして、一人ひとりが挑戦・変化・貢献する意欲を持ち、集団として尊重・信頼・刺激し合うことで、成長していきます。 p.11

今後、当社グループは「ISUZU ID」を起点に、既存事業の更なる強化と新事業への挑戦を通じて社会課題の解決に貢献し、世界を進化させるイノベーションリーダーを目指します。 p.11

(2)対処すべき課題 p.11

「地球の『運ぶ』を創造する」をPURPOSE(使命)として、「運ぶ」に関わるさまざまな社会課題を解決するためには、多様化するお客様ニーズや不確実性の高い事業環境にもしなやかに対応し、絶えず柔軟に変革し続けることが不可欠です。 p.11

変革の実現に向け、当社グループでは2024年4月に、中期経営計画「ISUZU Transformation – Growth to 2030」(以下「IX」という。)を公表しました。「IX」は「ISUZU ID」のVISION(将来像)とMISSION(任務)を、足元からのフォーキャストと「ISUZU ID」からのバックキャストで、2030年目線で具体化し策定したものです。当社グループは2030年に向けて、創造・提供する価値を従来の商品軸から、新たにソリューションへと広げ、ビジネスモデルを変革します。現在の収益拡大と、未来の収益への投資を両輪として、お客様・社会をはじめ、あらゆるステークホルダーが抱える課題を「安心×斬新」な「運ぶ」で解決する、「商用モビリティソリューションカンパニー」を目指していきます。 p.11

次に挙げる課題は、「ISUZU ID」及び「IX」の実現のみならず、自動車業界・商用車業界におけるお客様のご期待や技術的変革に対応するため中長期的な観点から抽出したものです。 p.11

「運ぶ」を創造する新事業への挑戦 p.12

物流業界を取り巻く環境は、カーボンニュートラル(以下「CN」という。)社会の実現が急がれるなか、昨今の慢性的なドライバー不足等の課題を抱えています。こうしたお客様・社会課題の解決に貢献し、未来の新たな収益へと成長させるため、従来培ってきた当社の強みである「安心」を活かし、「自動運転ソリューション」、「コネクテッドサービス」、「カーボンニュートラルソリューション」の3領域を軸に、「安心×斬新」でお客様と社会の課題を解決する新事業に挑戦します。これら新事業への挑戦に向け、総額1兆円規模のイノベーション投資を着実に実行します。 p.12

(当連結会計年度の取組み) p.12

「自動運転ソリューション」については、2027年度までの「自動運転レベル4技術」を活用したトラック・バス事業の開始に向け、技術獲得の推進及び複数の実証事業を実施しました。2025年10月には、経済産業省及び国土交通省が推進する「自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト(RoAD to the L4)」の「高速道路における高性能トラックの実用化に向けた取り組み(テーマ3)」の集大成として、国内商用車メーカー4社合同で新東名高速道路における総合走行実証を開始しました。また、同じく2025年10月に、神奈川県平塚市で実施された自動運転バス実証実験事業に当社が開発・製造した「エルガEV自動運転バス」を提供したほか、2026年1月には栃木県・愛知県間を結ぶ自社部品物流ルート内において自動運転大型トラックの公道実証を開始しました。さらに、2026年3月からは、自動運転用ソフトウェアスタック技術に強みを持つ株式会社ティアフォー及びAIコンピューティング技術に長けたNVIDIA Corporationと共同で、自動運転レベル4バスの社会実装に向けた取組みを開始しています。 p.12

「コネクテッドサービス」では、かねてより運行管理・ドライバー支援サービス「MIMAMORI」、高度純正整備サービス「PREISM」等の先進的なサービスを、業界に先駆けて導入してきました。2025年12月には、これらに加え、商用BEV(※)向けのエネルギーマネジメントサービス「SmartEVer」の提供を開始しました。同サービスを通じ、1拠点で複数台のBEVを導入・運用する際の充電管理や電気料金の抑制を実現することで、お客様のBEV導入によるメリットを最大限に引き出すことが可能となりました。また、「MIMAMORI」への荷待ち自動判定機能や作業時間集計機能等の追加、「PREISM」への故障予兆検知機能の追加等、既存のサービスの性能向上及び機能追加も実施しました。 p.12

「カーボンニュートラルソリューション」では、多様な動力源での技術開発・商品提供及びBEVの普及と市場競争力向上にむけた実証実験の推進に取り組みました。2025年9月には、株式会社ファミリーマート及び伊藤忠商事株式会社と連携し、バッテリー交換式EVトラックを使用した配送実証を横浜市で開始しました。本実証実験では、左右両側からのバッテリー同時交換を可能とした国内初の仕様の車両を使用し、バッテリー交換時間をディーゼル車の燃料給油と同程度まで短縮することに寄与しました。さらに、NGV(天然ガス車)トラックへのバイオメタン充填実証への参画や空港におけるEVトラック活用検証も、パートナー連携を通じて実施しました。 p.12

(※)BEV:Battery Electric Vehicle(今後の計画) p.12

「自動運転ソリューション」では、2027年度までに、日本及び北米を皮切りに自動運転レベル4技術を活用したトラック・バスの事業化を目指します。この実現に向けて、当連結会計年度に開始した当社グループ独自の公道実証を引き続き推進するほか、北海道むかわ町に新設した国内商用車メーカー初の自動運転専用テストコースも、2027年9月に本格的な稼働開始を計画しています。これらの取組みによるノウハウの蓄積と、当社が従来培ってきた「通常時、緊急時の車両制御技術」、「お客様による使われ方の熟知」を掛け合わせることで、2027年度より順次、高速道路・ハブ間での輸送や、市街地をはじめとする路線バスの自動運転ソリューションを提供していきます。 p.12

「コネクテッドサービス」では、国内においては運送事業者・荷主の輸配送効率を高めるサービスを提供するほか、業界を超えたさまざまなデータを商用車情報基盤「GATEX」と連携させることで、新たなサービスの創出や既存サービスの高度化・効率化を推進します。さらに、北米より高度純正整備サービス「PREISM」とEVトータルソリューションプログラム「EVision」を展開し、2028年までに北米以外の主要地域へも対象エリアを拡大します。 p.12

「カーボンニュートラルソリューション」では、「いすゞ環境長期ビジョン2050」に基づき、マルチパスウェイで技術開発を進め、各国の使われ方・地域状況・社会動向に適した商品を展開することで、CN社会実現に貢献します。具体的には、2030年までに全車種でCN商品をラインアップに加える予定です。また、CN商品の開発加速のため、藤沢工場内に電動開発実験棟「The EARTH lab.」を新設し、2026年6月の稼働開始を目指しています。 p.12

さらに、2030年代のEV普及期を見据え、価格競争力のあるBEVの投入や、バッテリー交換式ソリューション「EVision Cycle Concept」をはじめとする周辺事業の展開を本格的に推進し、社会のCN化を牽引します。2026年度には、トヨタ自動車株式会社と共同開発を進めている次世代燃料電池路線バス(次世代FC路線バス)の生産を開始します。同取組みを皮切りに、FCV(※)については、実用性・需要を見極めながら、路線バス及び小型車を足掛かりに展開することを計画しています。 p.12

(※)FCV:Fuel Cell Vehicle p.13

「運ぶ」を支える既存事業の強化 p.13

当社グループは150カ国以上で事業を展開し、うち35カ国以上でシェア第1位、グローバル販売台数は57万台以上と、世界中のお客様・社会の「運ぶ」を支えてきました。今後も業界を牽引するとともに、お客様・社会の「運ぶ」を支え続けるためには、既存事業の商品力・販売力を強化し、グループの事業基盤を一層強固にする必要があります。当社グループは、商用車市場のグローバルリーディングカンパニーとして、2030年度に新車販売85万台(トラック45万台及びピックアップトラック40万台)以上の販売を目指します。 p.13

(当連結会計年度の取組み) p.13

当連結会計年度も引き続き、各国の使われ方、地域状況、社会動向に適した商品の開発、展開に取り組みました。 p.13

日本においては、小型トラック「ELF 4WD」のフルモデルチェンジと「ELF mio4WD」の追加、中型トラック「フォワード」に対する先進安全装備や軽量・低燃費エンジンの搭載、大型トラック「ギガ」の安全・運転支援機能及びコネクテッド機能強化等、幅広い商品の性能向上を実現しました。また、海外においては、1トン積みピックアップトラック「D-MAX」のバッテリーEVモデルにあたる「D-MAX EV」をタイで生産開始し、2025年夏より欧州主要国で発売しています。 p.13

加えて、当連結会計年度においては、「トータルライフサイクルで稼働を支えるサービス」の提供に向け、アフターセールス事業の強化及び海外展開に向けた取組みを加速しました。日本においては、首都圏・東海・近畿を中心に、アフターセールス拠点の新設や拠点更新投資を進めてまいります。また、海外ではグループ初となるリース会社Isuzu Financial Services Australia Pty Ltd.(以下「IFSA」という。)を豪州に設立し、2025年10月より営業を開始しています。 p.13

(今後の計画) p.13

日本においては、当社とUDトラックスの連携を重視した車両の生産及び販売体制の再構築を推進します。具体的には、大型トラックの共通プラットフォーム共同開発及び市場投入を見据え、生産機能を藤沢工場からUDトラックス上尾工場へ移管し、2028年の稼働開始を目指しています。また、いすゞ連結販売会社とUDトラックスの地域販売拠点の統合を2027年4月までに完了し、ブランド横断でのサービス提供によるお客様の利便性向上と同時に、業務フローやシステムの統一による効率的な運営を目指します。さらに、国内のアフターセールス事業についても拠点新設や拠点更新を継続し、2030年までに2,050億円規模の新規投資を行うことを計画しています。 p.13

海外においては、日本国内で先行してフルモデルチェンジした先進装備搭載の小型・中型トラックを、北米を皮切りに順次、豪州や欧州などの市場に投入します。生産機能やサプライチェーンの強靭化に向けた取組みとして、米国においては、サウスカロライナ州の新生産拠点の2027年中の稼働開始を目指すとともに、北米市場での需要増加が見込まれるBEV部材の現地調達化を推進します。また、タイにおいても、LCV旗艦工場の自動化・ライン統合等を通じた競争力強化を目的とした設備投資を行い、2027年の稼働開始を目指します。さらに、アフターセールス事業の海外展開を加速することで、「稼働を守るバリュープロバイダー」としての海外市場での地位確立を目指します。特に、メンテナンスリース事業については、当連結会計年度のIFSA設立を皮切りとして、北米や南アフリカ、東南アジアなどの地域に順次展開・強化します。 p.13

「ISUZU ID」を基軸とした経営基盤の確立 p.13

「ISUZU ID」で示すVISION(将来像)・MISSION(任務)、「IX」で示す「商用モビリティソリューションカンパニー」への変革を実現するためには、人的資本経営やグローバル視点でのグループ経営を支える経営基盤の確立が必要不可欠です。当社グループではグローバル基準の人財マネジメント基盤の整備、「安心×斬新」を実現する人財への投資を加速し、更なる事業成長を目指していきます。 p.13

(当連結会計年度の取組み) p.13

執行体制の強化と社内意思決定の迅速化を企図し、CTO・CLO・CDXOの新設と、部門数を15から11に集約する組織再編を決定し、2026年4月より実施しました。(詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」中の「(3)人的資本・多様性」を参照ください。) p.13

さらに、DXケイパビリティの充実に向け、グループ横断的な生成AIの展開及びデジタル人材育成推進に向けた取組みを加速しました。これらの取組みを通じ、開発データ・ツールの一元化により、国内外のグループ会社を横断したグローバルな開発体制の構築を実現しています。 p.14

(今後の計画) p.14

「ISUZU ID」のビジョン・ミッションを起点とした人的資本経営への進化に向け、グローバル基準の人財マネジメント基盤を整備し「安心×斬新」を実現する人財への投資を継続し、社員一人ひとりの成長を更なる事業成長へ繋げていきます。従来の職能型を改め、職務型を採用した人事制度については、2024年4月に管理職者を対象に開始、2025年4月より非管理職者にも適用を開始しました。今後、それぞれの特性を踏まえながらグループ各社へ人的資本経営への進化に向けた仕組みや取組みの浸透を図っていきます。職務(ジョブ)の明確化とそれに基づいた適所適財の人財配置、公正な評価・報酬を実現することで、対話と育成の文化を醸成し、従業員の更なる成長を支援します。また、社員が失敗を恐れず積極的に挑戦することで相互成長し、またメンバー間で刺激し合い相互価値を創出する集団へ進化を目指すべく、マネジメント層の負荷軽減等の職場改善の取組みを通じ、エンゲージメントに関する肯定的回答率を2030年までに70%に高めることを目指します。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」中の「(3)人的資本・多様性」を参照ください。 p.14

また、当社と100%子会社であるUDトラックスの2027年度中の合併に向けた検討を開始します。この取組みは、両社の人財やインフラなどの経営資源の一体化による、高い付加価値の創出と意思決定の迅速化を目指しています。 p.14

さらに、物流に関する課題解決に向け、外部機関と連携した人財育成も強化します。引き続き、2025年2月に東京大学と開設した「トランスポートイノベーション研究センター」に当社グループより毎年3名の技術者を派遣し、物流・交通分野の社会課題解決を推進します。 p.14

「IX」を達成するための経営基盤を確固たるものにするべく、迅速かつ適切な意思決定を実現するガバナンス体制及びリスクマネジメントをはじめとした内部統制の強化にも引き続き注力していきます。 p.14

強固な収益基盤・財務基盤の確立及び成長投資と株主還元の両立 p.14

当社グループは、企業価値の持続的な向上を目指し、事業継続及び将来成長に必要な投資を優先に実行していきます。グループ全体での既存事業の強化を軸に、新事業を強力に推進することで、2030年度には売上収益6兆円、営業利益率10%以上を目指します。 p.14

(当連結会計年度の取組み) p.14

当連結会計年度は、国内では市場の堅調な推移により車両販売台数が増加し、海外でもホルムズ海峡封鎖の影響による中近東向けの出荷停止や米国関税影響・市況悪化等に伴うCV(商用車(トラック及びバス))の北米向け販売台数の減少、タイを中心とした厳しい市況の継続といった下押し要因はあったものの、CVは中近東・アフリカ・中南米を中心に、LCV(ピックアップトラック及び派生車)はアフリカ・オセアニアを中心に車両販売台数が増加し、総車両販売台数は前連結会計年度に比べ42,625台(8.1%)増加し565,858台に、売上収益は3兆4,791億円となりました。他方で、米国関税影響・資材費等の上昇・為替影響・成長関連費用の増加の影響により、売上収益営業利益率は5.9%、ROEは9.5%となりました。 p.14

投資については、当連結会計年度においてもイノベーション投資としてCN対応や自動運転関連、既存事業投資として販売・サービスインフラ強化に向けた投資を実施し、設備投資及び研究開発支出は合わせて3,092億円となりました。株主還元では、1株当たり配当金を前連結会計年度から据え置き、配当金は638億円となる予定です。また、自己株式取得は500億円と、適正な自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)を維持した、機動的な自己株式取得に取り組みました。財務健全性としては、各格付にてA格を取得しています。 p.14

(今後の計画) p.14

企業価値の持続的な向上を目指し、事業により得られた収益をもとに、将来成長に必要な投資を優先して実行するとともに、株主還元と財務健全性を両立していきます。 p.14

収益面は、2027年度に売上収益3兆7,000億円、営業利益率7.0%、2030年度には売上収益6兆円、営業利益率10%以上、ROE15%以上を目指します。 p.14

投資については既存事業投資とイノベーション投資を積極的かつバランスを見ながら実行することで、長期にわたる持続的な成長の実現を目指します。具体的には、2031年3月期までにイノベーション投資1兆円、既存事業投資1.6兆円、合わせて2.6兆円規模の投資を計画しています。2027年3月期までは既存事業投資として国内販売拠点整備・北米CV新工場・大型トラックのUD上尾工場への生産集約などを実行し、イノベーション投資として自動運転関連の研究開発費などを計画していますが、2031年3月期にかけてはイノベーション投資のウエイトを徐々に増やしていく予定です。このように積極的なイノベーション投資を推進しつつ、既存事業ではDXを活用することで業務効率化を図り、収益を確保します。 p.14

株主還元は、配当性向は平均で40%を維持し、着実な配当成長を目指します。2027年3月期の配当金については、2026年3月期から2円増配の1株当たり94円を下限とし、配当性向40%以上の方針に基づき決定します。また、固定資産と自己資本(親会社の所有者に帰属する持分)のバランスを考慮しつつ、適正な自己資本水準を意識しながら、機動的に自己株式取得を継続します。また、財務健全性は、各格付でのA格を維持しつつ、有利子負債(社債及び借入金、リース負債の合計)も活用していきます。 p.14

第一部 第2 事業の状況 1EDINETで原文を開く → p.11–14

事業等のリスク

当社グループでは、グループ全体のリスクマネジメント活動の責任分担及び実効性を向上させるために、三線防御体制を前提としたリスクガバナンス体制を構築しています。当社における各部門及び当該部門が所管するグループ企業を第一線、当社グループのリスクマネジメントを所管するCRMOの指揮監督のもと専門組織であるリスクマネジメント部を第二線、さらに監査部を第三線と位置づけ、各防御線が相互に連携をしながらリスクマネジメント活動を行っています。 p.22

また、リスクマネジメント活動の実効性を担保するため、リスク管理確認会議を毎月開催し、重点リスク項目を中心に各部門及びグループ企業の予防的取組み及びインシデント管理の対応状況を確認するとともに、その内容を経営層へ報告しています。 p.22

CRMOは、インシデント発生時には、発生部門又はグループ企業に解決に向けた速やかな対応を指示するとともに、危機に転化するおそれがある場合は、その影響を極小化するために、CRMOが指名するメンバーによる対応チームを組成し、各種対応方針等を決定、実行しています。 p.22

なお、事業影響が生じる重大な危機に繋がる可能性がある場合は、速やかに経営に報告し、対応方針について審議・決定しています。 p.22

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 p.22

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月23日)現在において当社グループが判断したものです。 p.22

(1)世界経済・金融市場・自動車市場に起因するリスク p.22

① 主要市場の経済状況・総需要の変動 p.22

当社グループの全世界における売上収益のうち、主要な部分を占める自動車の需要は、当社グループが製品を販売している国・地域、特に日本、タイ、米国などの主要国市場における経済状況の影響を受けます。 p.22

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また商用車市場は、新興国においては物流需要の増加が見込まれることから、当社グループは一部の新興国市場を戦略地域と定め、拡販活動を進めています。そのため、一部の新興国市場における経済状況もまた、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 p.22

当社グループは、経済状況・需要動向の見通しの正確な把握に努めるとともに、製品を販売する市場の分散によって影響を極小化していますが、追加関税措置等により、世界的に経済環境の不透明さが増しており、当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 p.22

② 自動車市場における競争 p.22

当社グループの全世界における売上収益のうち、主要な部分を占める自動車市場は、激しい競争が繰り広げられています。競争環境の激化は当社製品の競争力に影響を及ぼし、価格変動やシェア変動を引き起こす可能性があります。競争に影響を与える要素は、製品性能、安全性、燃費、環境負荷、価格、アフターサービスといった当社製品に起因する事項の他、各国の電気自動車(EV)等への補助金政策や関税政策をはじめとする外部起因の事項を含め多岐にわたり、各国の市場によって状況は異なります。 p.22

当社グループは、主要市場での競争力を維持・強化するため、当社製品に起因する要素の改善に取り組みながら、競争力の高い製品について継続的に開発・生産・販売並びにそのアフターサービスを実施していますが、主要市場や新興国市場等での他社との競争に劣後した場合や業界再編に伴う当社の競争優位性が失われた場合、及び各国の政策等が当社グループに不利な内容となる等の場合、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 p.22

③ 地政学リスクの発生 p.22

当社グループの製品の調達、生産及び販売活動は、日本国内のみならず広く海外で行われ、事業展開する各国・地域において許認可をはじめとした各種政策の影響を受けます。また、戦争や政権交代等の政治情勢の変化、経済安全保障を目的とした保護政策(関税政策等)による経済状況の変化は、当社グループの経営・事業活動及びサプライチェーンに影響を与えます。当社グループでは、こうした不確実性を地政学リスクとして認識し、特に以下の予期せぬ事象が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 p.22

・国家間紛争・内戦、革命、クーデタ、騒擾、テロ p.22

・潜在的に不利な租税政策(関税政策等)の変更 p.22

・輸出入、技術移転の制限 p.22

・事業等に係る各国の法令、規制(排出ガス規制並びに燃費/CO₂規制)の変更 p.23

・安全保障上のリスクがある設備、ソフトウエア、クラウドサービス、委託先等の利用・調達に関する制限 p.23

・事業・投資の許認可基準の変更 p.23

・当社グループ財産の直接的又は間接的収用 p.23

・情報やデータの管理や移転の制限 p.23

・送金や兌換の規制 p.23

・為替・金利政策 p.23

・重要な海上交通路の寸断 p.23

当社グループは、各国・地域、特に日本、米国、アセアン地域、中国、欧州地域における地政学リスクの情報収集を行い、法規制の変化に備えた投資や新技術・製品の開発を行う等、様々な対策を実施しています。しかし、上記のような地政学リスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 p.23

なお、2026年2月以降の中東情勢の緊迫化に伴い、ホルムズ海峡周辺で海上輸送の安全性及び安定性が低下しており、今後の事態の推移によっては、当社グループのサプライチェーンに影響を及ぼす可能性があります。 p.23

④ 為替及び金利の変動 p.23

当社グループの事業には、世界各地における製品の生産と販売が含まれています。各地域における売上、費用、資産、負債を含む現地通貨建の項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されています。換算時の為替レート、特に米ドルやタイバーツ等の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。さらに、為替変動は、当社グループが購入する原材料の価格や販売する製品の価格設定に影響し、実際に原材料価格や製品価格の変動が生じています。 p.23

また当社グループは、日頃よりキャッシュ・フローの管理に努めていますが、資金調達に関わるコストは、市場金利が急激に上昇した場合、支払利息の負担が増大する可能性があります。 p.23

当社グループは、為替及び金利の変動による影響を極小化すべく、現地生産に加えて、先物為替予約取引を含むデリバティブ金融商品の活用を行っています。 p.23

しかし、為替及び金利の大きな変動が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 p.23

⑤ 原材料等価格の変動 p.23

当社グループは、自動車製造にあたり、鉄、非鉄金属、樹脂等の原材料や半導体をはじめとする外製品を使用しており、加えて、xEVの研究・開発やBEVの市場投入等によってレアメタル等の使用が増加することを見込んでいます。 p.23

世界的な需給逼迫等によりこれらの原材料価格、外製品価格やエネルギー価格及び輸送等にかかる費用が上昇すると、当社グループとしての調達コスト・製造コストもそれに伴い上昇する可能性があります。その際、生産性向上などの内部努力や製品価格への転嫁などをもってしても上昇分のコストを吸収できなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 p.23

(2)事業に関するリスク p.23

⑥ 新しい技術革新やビジネスモデル変化などへの対応 p.23

当社グループの事業に関わる外部環境は大きく変化しています。商用車市場のお客様ニーズの多様化や商用車を用いたビジネスモデルの変化、「CASE」に代表される技術革新、生産・販売・アフターサービス・バックオフィス業務におけるデジタルイノベーションの推進、ESG投資やSDGs達成への社会的な要請は、当社グループの事業の拡大と深耕の好機です。 p.23

当社グループは、こうした技術革新や社会的要請に速やかに対応するため、常設部署を設置し、全社横断の複数プロジェクトを推進しています。また、当社グループは商用モビリティソリューションカンパニーへの進化を掲げ、自動運転ソリューション、コネクテッドサービス、カーボンニュートラルソリューション等の「運ぶ」を創造する新事業の創出・拡大を目指しています。しかし、万が一、これらの技術革新や社会的要請に速やかかつ十分に対応できなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 p.23

⑦ 研究開発の失敗や遅延 p.23

当社グループの置かれた事業環境は、競争の激化や市場ごとに異なる商品ニーズの多様化などが見込まれます。 p.23

このような経営環境に対応し、「運ぶ」を支える「ものづくり事業」を推進していくには高い技術と市場のニーズを的確にとらえた製品を提供する研究開発への取組みが不可欠です。 p.24

当社グループは、将来の市場ニーズの予測、研究開発分野の優先順位付けを通じて、新たな技術や製品の開発に取り組んでいますが、求められる技術水準への到達や市場ニーズの的確な把握に失敗や遅延が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 p.24

⑧ 合弁事業をはじめとするアライアンス先との提携目的の未達 p.24

当社グループは、いくつかの国において、各国の法律あるいはその他の要件により合弁で事業を行っています。また、国内外の販売ではディーラーやディストリビュータと提携し、研究開発では合弁事業や業務提携を行っています。 p.24

当社グループは、合弁相手やアライアンス先の経営状況、ガバナンス、その他重要な非財務情報も含め、様々な情報をもとに業務提携の要否を検討しています。しかし、合弁相手やアライアンス先の経営方針、経営環境の変化等により、アライアンス先が適時適切な技術・製品の提供に失敗や遅延が生じた場合、及び当社グループがアライアンス先から求められる技術水準への到達に失敗や遅延が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 p.24

⑨ 販売・供給における大口顧客への依存 p.24

当社グループは、当社製品である自動車やその構成部品等を、一部特定の大口顧客企業に供給しています。当社グループは、大口顧客企業との関係を維持するとともに、新規顧客の開拓によりリスク分散を図っていますが、顧客企業の生産・販売量の変動など当社グループが管理できない要因により、上記の対策をもってしてもリスクを受容できない場合は、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 p.24

⑩ 資材、部品等の調達の不足や遅延 p.24

当社グループは、生産に必要な原材料や半導体をはじめとした部品及び製品を外部のサプライヤーから調達しています。しかし、以下のような事象が当社グループのサプライヤーや調達網で発生した際には、供給・輸送能力の低下や供給・輸送の中断が引き起こされ、生産に必要な量の原材料、部品及び製品が確保できなくなる、又は確保が遅れる可能性があります。 p.24

・サプライヤーや物流網において自然災害や大規模な事故等の不測の事態が発生した場合 p.24

・サプライヤーや物流網において労働争議等が発生した場合 p.24

・サプライヤーや物流網で大規模なシステム障害が発生した場合 p.24

・サプライヤーの供給能力を大幅に超えるような需給状況になった場合 p.24

・サプライヤーにおいて許認可取り消し等による製品の出荷停止が生じた場合 p.24

・サプライチェーン上の人権侵害等、品質・コスト・納期以外の問題が顕在化した場合 p.24

・海上交通の要衝での事件・事故等により物流網で混乱が生じた場合当社グループは、サプライヤー各社の生産能力、信用リスク、製品等の品質、コスト等を定期的に把握するとともに、各社の法令・コンプライアンス遵守や気候変動問題等への対応状況を確認し、調達に支障が生じないように努めています。しかし、上記のような事象が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 p.24

⑪ 製品の欠陥 p.24

当社グループは、厳格な品質管理基準に従って各種の製品を開発・生産しています。品質の維持及び改善のため、当社グループは「品証・CS委員会」を通じて、不具合情報の早期発見と共有、品質向上のための全社横断的検討、全社的な品質マネジメントの運用状況の監視を実施しています。また製品の欠陥等を原因とする損害賠償が必要な場合に備えて、製造物賠償責任保険に加入しています。 p.25

しかし、万が一、大規模なリコールを実施する場合、加えて、実際に発生した費用が事前に計上した引当金を大きく上回る場合や損害賠償の価額が製造物賠償責任保険により填補できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 p.25

⑫ 人権の侵害 p.25

当社グループでは、従業員、関係者、取引先等のすべてのステークホルダーの人権を尊重し、事業活動を展開しています。また、「いすゞグループ人権方針」に基づき、サプライチェーン上に労働環境や安全衛生面での人権侵害などがないかを確認する「人権デュー・ディリジェンス」を実施し、人権に対する負の影響を特定・評価し、これらの防止・軽減に取り組んでいます。 p.25

しかし、全世界のサプライチェーン全体の人権状況を正確かつリアルタイムに把握することは困難であり、当社グループやサプライチェーンで人権侵害が発生した場合、事業の中断、法令違反に伴う制裁金、レピュテーションの低下等により、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 p.25

⑬ 優秀な人財の確保・定着の困難 p.25

当社グループの事業では、人財が最も重要な資産と考え、当社グループの事業推進に必要となる技能・能力をもった多様な人財の確保に努めるとともに、従業員一人ひとりのモチベーション、熱意、技能、能力、パフォーマンスを高め、当社グループに定着させるための取組みを進めています。しかし、今後の人財獲得競争の一層の激化により、優秀な人財確保・定着がより困難になっていく可能性があります。 p.25

こうした状況を踏まえて、当社グループでは「ISUZU ID」に掲げる「働きがいNo.1」を目指し、また「IX」で2030年に目指す姿の一つとして掲げた「人的資本経営への進化」を実践しています。従業員の専門性強化と挑戦を後押しするグローバル基準の人財マネジメント基盤を整備すべく、当社では2024年4月より人事制度を刷新し順次展開するとともに、今後、それぞれの特性を踏まえながらグループ各社へ人的資本経営への進化に向けた仕組みや取組みの浸透を図っていきます。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」中の「(3)人的資本・多様性」を参照ください。 p.25

しかし、これらの対応が十分ではない場合、従業員の離職、モチベーション低下、期待値に満たない成果、技能伝承の失敗、競争力の低下によって、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 p.25

⑭ 労働災害の発生 p.25

当社グループは、自動車及び自動車部品の生産、開発実験、販売にあたり、組立、機械加工、プレス、塗装、自動車整備及び設備メンテナンス等を展開しています。これらの業務において、従業員の労働安全の確保をグループ全体の重要な経営課題と位置づけており、代表取締役 取締役社長CEOを最高責任者とした「安全推進特別委員会」を設置し、安全に関する方針の策定と、その実行状況のモニタリング及び是正措置を継続的に行っています。また、災害リスクの低減に向け、法令遵守の徹底、安全管理体制の強化、安全パトロールの実施、設備の安全仕様向上対策、VR等を活用した実践的な安全教育の導入にも取り組んでいます。発生した労働災害については、専門会議体を設置し、個別事案における原因究明と対策を実行することで、再発防止に努めています。 p.25

こうした取組みを通じて安全な職場環境の構築に努めていますが、万が一、労働災害が発生した場合には、操業停止等により事業活動に支障をきたし、当社グループの業績及び財政状況に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 p.25

⑮ コンプライアンス違反 p.25

当社グループでは、関係法令の遵守はもちろん、社内規範や倫理規範を含めコンプライアンスを徹底しています。 p.25

当社では、代表取締役 取締役社長CEOを委員長とし、重要法令を所管する各部門長をメンバーとした「コンプライアンス委員会」を定期的に開催、当社グループのコンプライアンス活動の推進状況をモニタリングし、適切な指示・助言を行っています。さらに、グループ内でコンプライアンス違反又はそのおそれがある事象が発生した場合には、速やかにCRMOに報告するとともに、是正及び再発防止を行う体制を構築しています。また当社グループでは、経営層から従業員まで定期的にコンプライアンス教育を実施しています。 p.25

しかし、コンプライアンスの徹底にもかかわらず、将来にわたってコンプライアンス違反が発生する可能性は皆無ではなく、コンプライアンス違反の重篤性及び発生時の対応内容や迅速性等が不十分な場合には、当社グループの社会的信用に重大な影響を与える場合があり、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。特に、道路運送車両法違反による生産停止や各国の個人情報保護、腐敗防止、独占禁止・不正競争防止・中小受託取引、及び金融商品取引に関する法令等への重大な違反が認められ、当局等から勧告を受けたり、高額な制裁金が課せられたりした場合、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 p.26

⑯ 情報セキュリティへの対応不足 p.26

当社グループの事業は多くのシステムに依存しており、情報の機密性、完全性、可用性を一定以上で維持するため、体制整備及び対策強化に努めています。具体的には、個人情報や機密情報の保護、データやシステムの可用性の維持、各種情報の改竄防止等を目的に、様々な情報セキュリティ対策を実施しています。また、製品のサイバーセキュリティ法規(R155 CSMS認証、R156 SUMS認証)も遵守し、お客様が安心安全にご利用できるように努めています。 p.26

しかし、不測の事態により情報漏洩等が発生した場合や、製品の安心安全に影響がある事象が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。また、システム障害、ランサムウェアを含むコンピューターウイルスへの感染、サイバー攻撃、不正アクセス等が発生した場合には、受発注、出荷、物流、顧客対応、生産・販売活動等の停滞又は中断、データの破損・喪失、情報漏洩等を引き起こす可能性があります。その結果、復旧対応費用、調査費用、代替運用費用、損害賠償責任、信用低下等により、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 p.26

また当社グループは、アライアンス先等の取引先との機密情報の管理についても上記のような様々なリスク対策を実施しています。しかし、不測の事態により情報漏洩等が発生した場合、企業としての信用低下、アライアンス先等に対する損害賠償責任が発生するなど、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 p.26

⑰ 知的財産の保護の不足や侵害・被侵害 p.26

当社グループは、他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してきましたが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、特定の国・地域では法的制限のため知的財産権による完全な保護が不可能、又は限定的にしか保護されない状況にあります。 p.26

当社グループは、知的財産保護のための取組みを進めています。しかし、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造することを効果的に防止できない場合や当社グループに対する知的財産権侵害訴訟による製造・販売の差し止めや損害賠償の請求が認められた場合、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 p.26

⑱ 気候変動に関する社会的要請への対応遅れ p.26

当社グループは、気候変動対応を重要な経営課題の一つとして位置づけ、気候変動に関する規制強化及び頻発・激甚化している自然災害への対応に取り組んでいます。一方で、更なる成長機会の獲得のため、脱炭素社会に貢献するイノベーションの創出を進めています。 p.26

当社グループは、「いすゞ環境長期ビジョン2050」を策定し、2050年までに、当社グループ製品のライフサイクル全体での温室効果ガス(GHG)ゼロ及び当社グループの事業活動から直接排出されるGHGゼロを掲げ、GHG削減に取り組んでいます。 p.26

また、2024年4月に中期経営計画として策定した「IX」においても、「運ぶ」を創造する新事業として、「カーボンニュートラルソリューション」を掲げています。具体的には、「いすゞ環境長期ビジョン2050」に基づきマルチパスウェイで技術開発を進め、地域の状況や社会動向に適した商品を展開することで、CN社会実現に貢献します。また、燃料代や電気代までを含む総所有コスト(TCO)の観点で価格競争力のあるBEVを投入し、周辺事業の展開を推進します。 p.26

しかし、脱炭素に向けたイノベーションの取組みが失敗ないし遅延した場合、気候変動による影響への対応・取組みが不十分である場合には、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 p.26

なお、詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)気候変動」を参照ください。 p.26

⑲ 災害等の発生 p.26

当社グループは、全世界で事業を展開しており、国内外において様々な災害リスクにさらされています。大規模地震、風水害や噴火等の自然災害、停電又はその他の中断事象、疫病・感染症が顕在化した場合、当社グループの生産活動、販売活動、その他事業活動に影響が生じる可能性があります。特に主要な事業拠点が集中する日本・南関東やアセアン地域における主要拠点が多数存在するタイ等で大規模な災害等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。また、設備トラブル、オペレーションミスによる事故、火災等の人為的災害が発生した場合にも、当社グループの生産、販売、その他事業活動に影響が生じる可能性があります。当社グループでは、自然災害や人為的災害等が発生した場合に備え、事業継続計画を予め策定し、それに基づいた訓練を実施することで被害の拡大防止及び迅速な復旧に努めています。しかし、これらの取組みにもかかわらず、災害等による影響を完全に防止又は軽減できない場合、当社グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 p.26

第一部 第2 事業の状況 3EDINETで原文を開く → p.22–26

研究開発活動

当社グループでは、世界中のお客様に満足していただける商品とサービスを提供するため、xEVを含むトラック・バス、ピックアップトラック及びディーゼルエンジン等における最新技術の研究開発を行うとともに、多様な市場ニーズに対応した商品の開発に取り組んでいます。 p.37

中期経営計画における新事業への挑戦として、①自動運転、②コネクテッド、③カーボンニュートラルの3領域を柱に、各領域において以下の取組みを推進しました。 p.37

①自動運転の実証への取組みとしては、経済産業省及び国土交通省が推進する自動運転プロジェクト「高速道路における高性能トラックの実用化に向けた取り組み(テーマ3)」(※1)において、受託社4社及び国内商用車メーカー4社(※2)で検証を進め、新東名高速道路における総合走行実証を2025年10月~12月に実施しました。 p.37

また、同プロジェクト「公道交差を含む専用道区間等におけるレベル4自動運転サービスの実現に向けた取り組み(テーマ2)」(※1)において、平塚市及び5者(※3)で推進する「平塚市内の自動運転移動サービスを中心とした地域公共交通のDX推進に係る連携協定」に参画し、自動運転路線バスの実証実験を推進しています。神奈川県平塚市内で2025年12月~2026年1月の間に実施された自動運転バス実証実験に、「エルガEV 自動運転バス」を提供しました。 p.37

このほか、当社部品物流ルートにおいて自動運転トラックによる事業実証を2026年1月に開始しました。いすゞロジスティクス株式会社の岩舟パーツセンター(栃木県栃木市)と中部部品センター(愛知県一宮市)間において補給部品輸送を行い、自動運転物流モデルの構築に取り組んでいます。 p.37

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自動運転の技術開発については、株式会社ティアフォー及びNVIDIA Corporationと共同で、自動運転レベル4バスの開発を2026年3月より推進しています。「エルガ」及び「エルガEV」をベースに、ティアフォーのソフトウェア、当社の車両設計技術及びNVIDIAのAIコンピューティングを組み合わせ、公共交通向けの自動運転レベル4バスの開発を進めています。そのほか、株式会社いすゞ北海道試験場の敷地内に自動運転専用テストコースの新設を2025年8月に公表し、2027年9月の本格的な稼働開始を計画しています。 p.37

②コネクテッドの技術開発については、物流効率化に向けたデータ活用基盤の強化とサービス拡充を推進しました。2025年4月施行の物流改正法への対応として、荷待ち・荷役時間の可視化の高度化に取り組みました。具体的には、「MIMAMORI」に「荷待ち判定機能」「作業時間集計機能」「作業時間ハイライト表示機能」を追加し、2025年5月よりサービス提供を開始しました。 p.37

また、商用バッテリーEV(以下「BEV」という。)向けエネルギーマネジメントサービス「SmartEVer」の提供を2025年12月に開始しました。外部パートナーとの連携としては、富士通株式会社と、物流効率化及びカーボンニュートラルの実現など物流業界の課題解決に向け、ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)の開発強化に関するパートナーシップ契約を2025年4月に締結し、開発体制の強化や人材育成及び開発基盤の高度化を推進しています。さらに、株式会社ロジスティクスナイト・ジャパン及び富士通株式会社と共同で、医薬品物流プラットフォームの構築に向けた実証実験を2025年11月~2026年3月に実施しました。製造拠点から最終納品先までの物流網において医薬品を一元管理する仕組みの構築に向けて検討を加速していきます。 p.37

③カーボンニュートラルの技術開発については、株式会社ファミリーマート、伊藤忠商事株式会社、横浜市と共同で、バッテリー交換式小型トラック「エルフEV」を用いた配送実証を2025年11月より開始しました。横浜市内約80店舗への配送を通じ、業務効率化と運行継続性の検証を進めています。また、全日本空輸株式会社と、航空機地上支援機材の電動化に関するパートナーシップを2026年2月に締結しました。「エルフEV」のカーゴトラック(※4)を羽田空港及び新千歳空港の2拠点に導入し、EVトラックの運用実用性及びソリューションの検証を実施しています。さらに、トヨタ自動車株式会社と共同で次世代FC路線バスの実用化に向けた開発に関し、2025年9月に合意しました。2026年度より、当社と日野自動車株式会社が50%ずつ出資するジェイ・バス株式会社 宇都宮工場での生産開始を計画しています。既存のBEVフルフラット路線バスのプラットフォームをベースに、トヨタの燃料電池システムを組み合わせ、部品共通化によりコスト低減を図っています。 p.37

次に既存事業の強化として、当社は高付加価値な商品・サービスの充実を図るため、以下の取組みを推進しました。 p.37

小型トラック「エルフ」では、2025年7月より4WDモデルをフルモデルチェンジしました。キャブ内外装を刷新し、AT免許で運転可能な9速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)ISIMを採用し、優れた燃費性能とスムースな走行性能を実現しました。 p.37

また、AT限定の普通免許で運転できる国内唯一の小型ディーゼルトラック「エルフミオ」にも、2025年7月から4WDを新たに追加しました。 p.37

さらに、UDトラックス株式会社に対し、海外向け小型トラック「Nシリーズ」をベースとした「クーザー」の供給を2025年6月より開始し、商品相互補完によるシナジー創出を進めました。 p.37

中型トラック「フォワード」では、先進安全装備の拡充及び一部車型に軽量・高効率な4JZ1エンジンとISIMの展開追加による商品改良を行い、2025年11月より発売しました。 p.38

大型トラック「ギガ」では、6UZ1型エンジン搭載車(※5)を改良し、車輪脱落予兆検知システムの全車標準搭載及び「架装コネクテッドサービス」(※6)の開始により、安全性及び稼働管理機能の向上を図るとともに、新キャブデザインを採用し2025年10月より発売しました。また、「ギガLNG車」及び「ギガCNG車」では、ドライバー異常時対応システム EDSS(※7)を追加し、2025年10月より発売しました。 p.38

ピックアップトラックでは、フロントとリアに新開発のeアクスルを組み合わせたフルタイム4WDシステムを採用した「いすゞD-MAX」のBEVモデル「D-MAX EV」を、2025年4月より泰国いすゞ自動車のサムロン工場で生産し、欧州主要国向けに出荷を開始しました。 p.38

当連結会計年度に発生した研究開発支出は自動車事業で1,580億円です。 p.38

なお、当社グループでは研究開発支出の一部について、無形資産に計上しています。連結損益計算書に計上している研究開発費の詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 28.研究開発費」を参照ください。 p.38

(※1)無人自動運転サービスの実現及び普及に向けて、4つの取組み(テーマ1~4)が設定されている。 p.38

(参考)経済産業省HP: https://www.road-to-the-l4.go.jp/ p.38

(※2)豊田通商株式会社、先進モビリティ株式会社、日本工営株式会社、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社、いすゞ自動車株式会社、日野自動車株式会社、三菱ふそうトラック・バス株式会社、UDトラックス株式会社 p.38

(※3)神奈川中央交通株式会社、三菱商事株式会社、いすゞ自動車株式会社、アイサンテクノロジー株式会社、A-Drive株式会社 p.38

(※4)本トラックは、走行動力に加え、トラック荷台のリフトを動かす動力も車両のバッテリーから供給する。 p.38

(※5)ギガトラクタ(GH11/GH13エンジン搭載車)除く。 p.38

(※6)車両(エンジン・シャシなど)に加えて架装エリアまで含めた車両トータルでのコンディションを把握できるコネクテッドサービス。 p.38

(※7)Emergency Driving Stop Systemドライバーが意識を失うなどの異常が発生した際に、車内外へ異常事態を報知するとともに、車両の減速を行い停車させることができるシステム。 p.38

第一部 第2 事業の状況 6EDINETで原文を開く → p.37–38

設備投資等の概要

当連結会計年度の当社グループの設備投資としては、総額1,512億円の投資を行いました。 p.39

自動車事業では、1,508億円の設備投資を行いました。同事業における設備投資の継続中の主なものとしては、EV開発研究設備、生産設備の更新、基幹システム、中小型トラックのモデルチェンジに関する投資及び販売・サービスインフラ強化に向けた拠点投資などです。 p.39

金融事業では、4億円の設備投資を行いました。 p.39

なお、当連結会計年度において重要な設備の除却、売却等はありません。 p.39

第一部 第3 設備の状況 1EDINETで原文を開く → p.39

企業データ

このページに載っている件数

業績指標42指標 × 5期
沿革16件
大株主10名
役員13名
開示の記述5章、約21,860字
関係会社120社
適時開示未取得(TDnet)
知的財産未取得(特許庁)
公共調達未取得(調達ポータル)
このデータをAIで使うMCP対応クライアント(Claude、Cursor など)から、この会社の業績指標・沿革・役員・開示の記述を構造化データで取得できるようにする予定です。
接続方法(準備中)

同業

輸送用機器東証33業種

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