経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 p.8
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 p.8
(1)会社の経営の基本方針 p.8
当社グループは、経営の基本方針として「ビジョン・ミッション・バリュー」及び「企業スローガン」を掲げており、環境・社会・経済の持続可能性に配慮したサステナビリティ経営を実践し、全てのステークホルダーとともに、質的成長をめざしてまいります。 p.8
また、倫理規定を制定し、守るべき法令や社会ルールについて、国内・海外子会社を含めたプレス工業グループ社員への周知徹底を図っております。 p.8
<ビジョン> (目指す姿・ありたい姿) p.8
「私たちだからできる」と誇れる仕事を通して p.8
世の中になくてはならない存在として p.8
全てのステークホルダーと共に成長し続けます p.8
<ミッション> (社会に約束すること、存在意義) p.8
社会と共生、共鳴し p.8
ものづくりを通して p.8
人、車、機械を支える力であり続けます p.8
<バリュー> (価値観)・・・ビジョン、ミッションに向かって進むための行動規範 p.8
■ 安心・安全・コンプライアンス p.8
安心・安全・コンプライアンスは私たちの行動の基本で、全てのステークホルダーに対して担う責任と誇りです p.8
■ 誠実・努力 p.8
私たちのビジネスの中心は人です p.8
誠実さと地道な努力によって培われる信頼を、私たちは財産とします p.8
■ やりぬく力 p.8
私たちは「なんとかものにする」覚悟を持って行動をおこし、やりとげます p.8
■ 創造力 p.8
私たちは「まずやってみる」好奇心と探究心で現状に問いを立て、未来を創造することを楽しみます p.8
■ 多様性 p.8
私たちは自分、そして仲間の個性と自由な発想を尊重し、協働します p.8
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<企業スローガン> p.8
製造の先の創造へ。 p.8
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 p.8
世界経済は、流動的な米国の関税政策、地政学リスク等による減速感があるものの、各国の政策等により、全体としては緩やかな成長が見込まれております。自動車業界においては、EV化減速とパワートレイン多様化、企業再編の活発化、人手不足問題に加え、足下では、中東情勢によるエネルギーコスト高騰、物流混乱等が発生し、先行き不透明な事業環境が継続しております。 p.8
2024年度よりスタートした5か年中期経営計画 では、不確実で変化が激しい時代においても、なくてはならない存在として成長し続けるための成長戦略を策定いたしました。基本方針に「質を追求し、プレゼンスを高める」を掲げ、3つの骨子①コア事業における攻めと挑戦、②電動化に向けたコア商品の進化、③サステナビリティ経営の推進、に基づき、着実に取組みを進めております。事業環境の変化をチャンスと捉え、様々な経営課題に挑み、企業価値の向上と社会課題解決への貢献を目指します。 p.8
① コア事業における攻めと挑戦 p.8
自動車関連事業では、主要取引先の中計戦略と連携した取組みを進めております。ボリューム拡大に向けた取組みでは、国内各工場の生産能力増強に加え、米国拠点に新工場を設立し、北米現地生産化への対応も行います。また、国内商用車メーカー再編による変化は成長機会と捉え、当社の強みである技術開発・提案力を武器に、商権維持と事業拡大を図ります。 p.9
建設機械関連事業においては、顧客のモデルチェンジをターゲットに、キャビン商品のフルラインナップ化による事業拡大を図ります。狙い目としては、油圧ショベル用ミニ/小型キャビン、ホイールローダー、農機・産機キャビン等、地政学リスクの高まりや米国の関税政策を背景としたメーカー各社の調達戦略変化を機に、受注拡大・付加価値拡大に取り組んでおります。当社の開発力を結集したオリジナルキャビンは高評価を得ており、次期モデルへの新たな引合いもいただいております。 p.9
事業拡大に向けた「技術開発・提案力とものづくり力の追求」では、「要素技術の絶対的なプレゼンスの向上」「プレス機械の刷新、生産工順に応じた最適配置及び生産ラインの再編、一新」「DX強化に向けた革新」を柱とし、様々な取組みを進めております。自動化推進の一環として協働ロボット導入検討を進めており、人とロボットの協力による安全性と生産性の両立、人手不足解消を図ります。また、宇都宮工場では、少量多品種のフレーム部品生産への対応として、穴あけ・外形カット~ロール成形/プレス成形~ショットブラスト~塗装までのフレキシブルな一貫生産ラインを新たに構築しました。ショットブラスト設備も新設し、一貫生産ライン内に組込み、商品性向上を図っております。AI・IoT等のDXを活用した予知保全も進んでおり、革新的な生産性向上を実現してまいります。 p.9
② 電動化に向けたコア商品の進化 p.9
電動化スピードは地域別にバラつきが出ており、ICE車を含めた全方位戦略にて対応してまいります。コア商品で高いシェアを誇る当社は、現行の生産設備を活用した電動車用商品の生産が可能であり、強みを活かして事業環境の変化に対応してまいります。電動車用コア商品の開発では、バッテリー搭載を考慮したフレーム多機能化やEV用のアクスル開発を推進しており、タイでは量産中のEV専用アクスルをさらにレベルアップさせるべく開発を進めております。 p.9
電動車専用商品に対しては、車両構造の変化により必要となるバッテリー保護部品や衝撃吸収製品を開発しております。EV化が先行する欧州拠点においては、すでに受注・量産開始しており、新たな引合いもいただいております。実績から得た知見と新規開発技術を活かし、将来的な国内での法規改正を見据えた受注活動を展開してまいります。 p.9
③ サステナビリティ経営の推進 p.9
当社グループは2022年に長期視点で取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を特定し、サステナビリティ経営を推進しております。2024年度には、重要課題(マテリアリティ)について、それぞれにおける目指す姿、ありたい姿を整理、明確化し、これらを実現するためのKPIを設定いたしました。各KPIの達成に向け、重要課題(マテリアリティ)の活動項目に取り組み、持続可能な社会の実現に向けて、企業価値の向上を目指します。 p.9
「人材の多様性と活性化」は、当社グループの将来成長を支える重要な取組みと位置づけ、「やりぬく」「創造力」「多様性」「安心・安全」をキーワードとした人的資本戦略の各施策に取り組んでおります。 p.9
中でも、当社グループは「やりぬく」を重視しており、当社文化として根付かせるべく、やりぬく力醸成に特化した研修を展開中です。2025年度は、従業員のやりがい、満足度を把握するために、従業員エンゲージメントサーベイを実施いたしました。課題を特定し、人的資本戦略と連動させることで、組織の活性化につなげてまいります。人権への取組みは、人権方針に基づき推進しており、人権デューデリジェンスを順次展開しております。 p.9
「地球環境・社会への貢献」では、環境方針に基づき、気候変動問題への対応、生物多様性の保全や水リスクへの対応、資源循環や地域社会との共生などの重点取組事項を推進しております。気候変動問題への対応では、連結ベースでスコープ1、2、3の目標値を設定し、2050年カーボンニュートラル実現を目指して取り組んでおります。省エネルギー、生産効率向上のほか、エネルギー使用量見える化やグリーン電力の導入拡大等、施策を積み上げ、グループ全体で2030年の中間目標達成を目指します。 p.9
生物多様性の保全に向けた取組みでは、生態系調査を国内各工場で実施し、保全活動を開始しております。地球環境を大切にし、社会と共生することで、持続可能で豊かな社会の発展に貢献してまいります。 p.10
「コーポレートガバナンスの強化」では、ステークホルダーエンゲージメントの更なる充実を図るため、CFO傘下にIR専門組織を設置いたしました。IRチームと連携し、情報開示と対話の充実を図ります。リスクマネジメントの取組みも強化しており、変化の激しい事業環境において、安定的な事業継続と更なる企業価値の向上に向け、掲げた取組みを推進してまいります。 p.10
なお、資本政策に関する目標値として、総還元性向60%以上を掲げており、本中計期間は、1株当たり年間配当金を32円以上とし、DOE3.0%超を目指します。 p.10
(3)今後の見通し p.10
2027年3月期の業績予想につきましては、直近の顧客生産情報に基づき計画しており、国内の自動車・建機向け需要は堅調に推移するものの、タイにおけるピックアップトラック生産の回復遅れが大きく影響する見込みであります。また、中東情勢による影響については、得意先の生産台数情報や原材料価格の上昇等、現時点で把握可能な範囲において業績予想に織り込んでおります。 p.10
連結業績予想は売上高1,900億円(前年同期比6.0%減)、営業利益114億円(前年同期比15.6%減)、経常利益115億円(前年同期比18.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益70億円(前年同期比17.4%減)となります。 p.10
事業等のリスク
以下において、当社グループの事業その他に関するリスク要因と考えられ、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主な事項を記載しております。なお、将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。 p.18
(1) 経済状況の変動 p.18
当社グループの主要製品は、自動車部品や建設機械用部品であり、当社グループの営業収入は、これらの製品を直接的及び間接的に供給している国や地域の経済状況の影響を受けるため、情報を収集・分析しその内容を年度計画や中期経営計画等の事業計画へ反映するよう努めております。しかし、日本・北米・欧州・アジアを含めて、当社グループの主要市場における景気後退や、それに伴う予測を超えた需要減少は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 p.18
(2) 海外事業環境の変動 p.18
当社グループは、日本・北米・欧州・アジアで生産及び販売活動を展開しており、海外事業において以下のリスクが発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 p.18
・政治的または経済的に不安定な事象や、戦争、テロ、過激なデモ、暴動、ストライキ等の社会的な混乱 p.18
・法律、規則や税制の予期しない変更 p.18
・労働争議、人件費の急激な上昇、人材確保や採用の難化 p.18
・大規模な自然災害や感染症、伝染病 p.18
・合弁事業における経営方針、経営環境などの変化 p.18
(3) 為替レートの変動 p.18
当社グループの海外関係会社の財務諸表は、現地通貨で表示されており、連結財務諸表の作成のために円換算されております。そのため、為替レートの変動により当社グループの経営成績及び財政状態へ悪影響を及ぼす可能性があります。 p.18
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(4) 人材の確保・育成 p.18
当社グループは、業界における競争力の維持・向上及びグローバルな事業活動の強化を目指し、高度な専門技能を有する人材やマネジメント能力に優れた人材の継続的な確保・育成が、極めて重要な課題と認識しております。このため、中期経営計画において人材の多様性と活性化を重点施策として掲げ、積極的に推進しています。しかし、当社グループにおける人材確保・育成の計画が遅れた場合には、当社グループの将来的な事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 p.18
(5) 技術・製品開発 p.18
当社グループを取り巻く事業環境は、企業再編が進み、グローバル競争の激化、電動化に向けた開発の本格化など、大きく変化しようとしています。このため、事業環境の変化をチャンスと捉えて、中期経営計画において①コア事業における攻めと挑戦、②電動化に向けたコア商品の進化を掲げ、技術革新や新製品開発に経営資源を投入しております。しかし、市場ニーズや顧客ニーズの変化への対応が結果として不十分であったり、実現時期がタイムリーでなかったりした場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 p.18
(6) 気候変動 p.18
当社グループは、気候変動リスクへの対応を経営上の重要課題として位置付けており、2050年度カーボンニュートラル実現を目指し、CO₂排出量(Scope1, 2※)を2030年度までに2019年度基準で41.0%削減する中間目標を設定、その達成に向けた取組を進めております。具体的には、省エネ活動の徹底(待機電力削減等)、高効率設備への更新、生産ラインの再編及び再生可能エネルギーの導入を加速させます。また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に沿ったシナリオ分析を実施し、気候変動に伴うリスクと機会を明確化しており、そのリスクへの対応をさらなる成長の機会と捉え、製品軽量化、新商品開発、新技術・新工法の技術開発への取組を強化し、脱炭素社会における新たな市場ニーズへ対応してまいります。しかし、気候変動により生じる物理的リスクや、脱炭素社会への移行リスクに適切に対応できなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 p.18
※ Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス) p.18
Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出 p.18
(7) 大規模災害等による影響 p.19
当社グループでは、大規模災害等(地震、津波、台風、火災等)による生産活動への影響を最小化するために、BCP(事業継続計画)の強化、見直し、それに基づく訓練、ならびに政府指針等に基づく防災対策の徹底を図り、リスク発生の未然防止や啓発活動等を進めております。しかしながら、想定を超える大規模災害等が発生し、建物や設備の倒壊・破損、ライフラインやサプライチェーン、輸送ルート、情報インフラの寸断、人的資源への重大な影響などにより、生産能力の著しい低下や操業の停止といった事態が起こった場合は、顧客への製品供給遅延や、設備復旧費用の増大により、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 p.19
(8) 材料・部品の調達 p.19
当社グループは、事業活動に必要な材料・部品の多くをグループ外の仕入先から調達しております。特定の仕入先の納入遅延、製品の欠陥、経営状態の悪化、不慮の事故、ならびに想定を超える自然災害などにより、原材料や部品の不足やコストの上昇が生じる事態が懸念されます。調達先の複数確保や迅速な復旧支援等、調達方針に基づく諸施策を講じておりますが、著しい原価上昇や生産停止等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 p.19
(9) 製品の欠陥 p.19
当社グループは、国際的に認知されている品質管理基準に基づき製品を製造しており、製品品質の安定と向上に取り組むとともに、第三者審査を受けることにより、品質管理体制を整備しております。しかし、全ての製品について欠陥がなく、将来においてリコールなどの問題が発生しない保証はありません。また、製造物賠償責任に関しては、保険に加入しておりますが、最終的に負担する賠償額は、保険によって十分にカバーされない事態も懸念されます。そのため、リコールや製造物責任賠償につながる製品の欠陥が生じた場合は、多大なコストと社会的信用の低下を発生させ、当社グループの評価に大きな影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 p.19
(10)情報セキュリティ p.19
当社グループは、顧客からの情報や自社の開発情報など、営業上・技術上の機密情報を有しております。また、生産活動をはじめとした事業活動全般において、IT技術・ネットワークを活用しております。当社グループでは、サイバー攻撃の未然防止とその事件・事故を対象とした、ネットワークやサーバー等の脅威監視や分析の範囲拡大など、インシデント検知・対応能力の強化を図るとともに、テレワークやクラウドサービス利用の増加に対応するためのセキュリティ対策基盤の強化や、教育の充実を図っております。しかし、日々高度化・巧妙化するサイバー攻撃等による不測の事態が発生した場合、情報漏洩による社会的信用の低下や損害賠償責任の発生、復旧のための費用、システムダウンによる顧客や調達先全体を巻込んだ業務の停止などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 p.19
(11)企業倫理の遵守 p.19
当社グループの従業員は、労務関連、独占禁止、情報管理、知的財産保護、環境保護、適正な会計・税務処理、インサイダー取引防止といった各種法令等を遵守する必要があります。このため、当社グループでは、「倫理規定」を制定し、全社的な「行動指針」として守るべきルールやマナー、業務への取組姿勢などを定め、企業倫理を遵守した業務運営や啓蒙活動に努めております。また、コンプライアンス対応やハラスメント防止に関する相談窓口を社内・社外に設け、寄せられた事案に関しては、適時・適切に対応しております。しかし、従業員による法令違反等の問題が万一発生した場合は、直接的な費用の増加や社会的制裁、風評被害等、有形無形の損害の発生により、当社グループの社会的信用が低下し、円滑な事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。 p.19
(12)大規模感染症等の流行による影響 p.19
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症等の大規模な感染症拡大防止に備え、衛生管理を徹底し、在宅勤務・フレックス勤務・時差出勤等の柔軟な働き方を許容・推奨する労務管理を実施しております。しかしながら、ひとたび国内外で大規模な感染拡大が起こった場合、ロックダウン等の外出措置により経済や生活に著しい制限が生じ、事業活動に多大な影響を及ぼすことが想定され、当社グループの経営成績及び財政状況に重大な影響を与える可能性があります。 p.19
研究開発活動
当連結会計年度はビジョン・ミッション・バリューのもと、2022年5月に当社グループが長期視点で取り組むべき重要課題(マテリアリティ)が策定されました。本マテリアリティは将来に亘って新たな価値を創造し続けるうえで最も重要であり、EV/FCV化への対応は喫緊に進めていく必要があります。 p.25
また、アクスル、フレーム、建設機械用キャビン、パネルといった当社のコア商品の中長期先を展望した研究開発活動、海外生産への移行が進む中、国内のコア事業以外の新たなビジネス発掘を目的として、新技術・新工法の調査、実験、検討を行ってまいりました。 p.25
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は321百万円となっており、主な内容は次のとおりであります。 p.25
(1) 新規事業に関する取組み p.25
当社コア事業である自動車関連、建設機械関連とは異なる分野に於いて、プレス工業グループ全体の強みを活かした新しい事業に関し、調査、検討、商品の開発を行ってまいりました。 p.25
今後も、SDGs、脱炭素化を切り口に、短期のみならず長期的な視点で、環境負荷軽減や社会・市場のニーズを捉えた商品を提案、具現化を図り、新たなビジネスの創出を目指してまいります。 p.25
(2) コアビジネスの更なる進化への取組み p.25
① 自動車関連事業 p.25
EV/FCV化への対応に加え、環境負荷に配慮した軽量化、高強度化に向けた当社オリジナル商品・仕様提案及びその具現化のための要素技術開発、生産準備期間のさらなる短縮を狙った技術データベースの蓄積及び安定した品質を得る工法の検討、強度・精度・形状などお客様の高度な要望にお応えできる当社オリジナル要素技術のさらなる構築を行ってまいりました。また、既存設備を活用した当社製品の付加価値、競争力向上のための技術開発に取り組んでまいりました。これらの技術開発は、国内外で新たな量産部品の獲得へ繋がり、当社からの提案はお客様から高い評価をいただいております。 p.25
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これらの取組みを効率よく行う手段として、当社が利用技術を構築してきた塑性加工成形シミュレーションがあります。塑性加工成形シミュレーションにより通常目視することができない金型内の材料の変形過程を含めて模擬し確認することができ、精度不良原因の特定を製品設計段階で行い、その対策を金型設計の早期に反映させる取組みにより、開発期間の短縮、開発コスト削減に大きな効果をあげています。 p.25
また、車両の軽量化ニーズにより年々需要が高まっている高強度材の部品では、より塑性加工成形シミュレーション活用の必要性が高まっております。更なるQCDの向上、技術の適用範囲拡大のため、検証を積み重ね、塑性加工成形シミュレーションの予測精度向上に取組んでおり、次期製品開発の軽量化・高強度化への取組みにも寄与しております。今後も当社オリジナルの塑性加工成形シミュレーション技術の確立を進めてまいります。 p.25
コア商品であるフレームの生産において、金型製作費を抑制して小ロット生産への対応が可能なロール成形機を新規導入しました。現在保有する生産設備とノウハウを有効活用し、自社で開発した装置を採用することで客先要求品質を満足するロール成形技術を確立することができました。現在、量産に向けた準備を進めており、2026年8月から生産を開始する計画です。 p.25
溶接組立分野では、当社独自のセンシング技術の構築とそれを利用した溶接品質安定手法の確立、自動検査技術の確立、過去に経験のない新規設備を導入するにあたり工場・メーカー等とコラボレーションしながら早期立ち上げ及び確実な品質評価手法の確立を行っております。これらの手法ノウハウを活用した新大型アクスルラインの設置を藤沢工場で行い、2026年5月から生産を開始しました。 p.25
なお、自動車関連事業に係る研究開発費は239百万円であります。 p.25
② 建設機械関連事業 p.25
建設機械分野では、2024年度に開発した当社オリジナルキャブ(新機能キャブ)について、次世代モデルを見据えた更なる進化に取り組んでおります。 p.25
具体的には、異形鋼管の新工法採用による部位別断面の最適化を行うとともに、各新機能の生産性及び信頼性の向上、コスト最適化を進めております。これらの技術開発については、2026年度中の試作を計画しております。本取組みにより、製品の差別化と競争力強化を図り、建設機械分野における新たな事業機会の創出に繋げてまいります。 p.25
なお、建設機械関連事業に係る研究開発費は75百万円であります。 p.25
(3) 全社共通 p.25
喫緊の課題である地球環境問題への対応は、グループ全体のサステナビリティ基本方針及び環境方針に基づき、地球環境保全活動の基本的な考え方とその推進体制を定め取り組んでおります。 p.25
具体的には、気候変動については、2050年度カーボンニュートラル実現に向け、Scope1,2 の二酸化炭素排出量削減目標を『2019年度比、2030年度41.0%削減』、Scope3の二酸化炭素排出量削減目標を『2019年度比、2030年度20.0%削減』として、グループ全体で取り組んでいます。 p.25
また、生物多様性や水リスクへの取り組みについても、現状把握、課題・リスクの洗い出し及び目標等の策定に取り組んでおります。 p.26
当グループは今後も環境に配慮した更なる技術開発とものづくりを推進し、持続可能で豊かな社会の発展に貢献してまいります。 p.26