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業種›輸送用機器›日産自動車
日産自動車

日産自動車 7201

横浜市神奈川区宝町2番地に本社を置く自動車メーカー。p.71933年設立。2026年3月期の売上高 12.0兆円。

輸送用機器自動車・輸送機TOPIX Mid400従業員1万人以上

企業概要

出所: 有価証券報告書 2026年3月期 p.1国税庁

企業名
日産自動車株式会社(NISSAN MOTOR CO., LTD.)p.1
法人番号
9020001031109 国税庁
設立
1933年12月(「日本産業㈱」と「戸畑鋳物㈱」の共同出資により、「自動車製造㈱」として資本金10)p.4
資本金
605,813 百万円p.3
代表者
代表執行役社長兼最高経営責任者 イヴァン エスピノーサp.1
本店
横浜市神奈川区宝町2番地p.1
電話番号
045-523-5523p.1
業種
輸送用機器(東証33業種)JPX
決算期
3月日本基準p.1
監査法人
EY新日本有限責任監査法人p.72
従業員数
120,079人(連結)p.223,174人(単体)p.3
関係会社
子会社-社、関連会社・共同支配企業-社
URL

上場企業情報

出所: JPX 銘柄情報有価証券報告書 2026年3月期 p.1

証券コード
7201JPX
市場区分
東証プライムJPX
33業種
17業種
自動車・輸送機JPX
規模区分
TOPIX Mid400JPX
EDINETコード
E02142p.1
上場
1951年1月p.4
発行済株式総数
3,713,998 千株p.3
直近の有報
2026年3月期(提出 2026年6月22日)p.1
配当
-円配当性向 -%p.3
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事業の内容

出所: 有価証券報告書 2026年3月期 p.7

事業の内容

当社グループは当社と当社の子会社、関連会社及び当社のその他の関係会社で構成され、自動車及び部品の製造と販売を主な事業内容とし、さらに上記事業における販売活動を支援するために販売金融事業を行っている。 p.7

当社グループは世界的な本社機能として「グローバル日産本社」を設置し、各事業への資源配分を決定するとともに、グループ全体の事業を管理している。また、当社グループは4つの地域のマネジメント・コミッティによる地域管理と研究・開発、購買、生産といった機能軸による地域を越えた活動を有機的に統合した組織(グローバル日産グループ)により運営されている。 p.7

当社グループの構成図は以下のとおりである。 p.7

* 連結子会社 p.7

** 持分法適用会社 p.7

・上記の他に*日産トレーデイング㈱、*日産ネットワークホールディングス㈱他の関係会社がある。 p.7

・また上記のうち、国内証券市場に上場している連結子会社は以下のとおりである。 p.7

日産車体㈱…東京 p.7

第一部 第1 企業の概況 3 事業の内容EDINETで原文を開く → p.7

業績指標

連結 17指標単体 17指標5期出所: 有価証券報告書 2026年3月期「主要な経営指標等の推移」 p.2–3

連結(日本基準)

指標直近前期比5期 CAGR推移 (古 → 新)出所
売上高
百万円
12,007,888
2026年3月期
-4.9%+9.3%p.2
経常利益
百万円
1,081
2026年3月期
-99.5%-75.6%p.2
親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失
百万円
-533,095
2026年3月期
+20.5%-p.2
包括利益
百万円
-142,063
2026年3月期
+82.7%-p.2
純資産額
百万円
5,241,668
2026年3月期
-3.7%+1.0%p.2
総資産額
百万円
19,812,442
2026年3月期
+4.1%+4.9%p.2
1株当たり純資産額
円
1,372.6
2026年3月期
-3.3%+4.1%p.2
1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失
円
-152.6
2026年3月期
+18.4%-p.2
潜在株式調整後1株当たり当期純利益
円
-
2026年3月期
--p.2
自己資本比率
%
24.2
2026年3月期
-7.3%-3.6%p.2
自己資本利益率
%
-10.9
2026年3月期
+11.4%-p.2
株価収益率
倍
-
2026年3月期
--p.2
営業活動によるキャッシュ・フロー
百万円
794,674
2026年3月期
+5.4%-1.6%p.2
投資活動によるキャッシュ・フロー
百万円
-914,301
2026年3月期
+5.9%-p.2
財務活動によるキャッシュ・フロー
百万円
51,903
2026年3月期
-80.3%-p.2
現金及び現金同等物の期末残高
百万円
2,264,801
2026年3月期
+3.1%+6.0%p.2
従業員数
人
120,079
2026年3月期
-9.6%-2.7%p.2
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提出会社(単体)

指標直近前期比5期 CAGR推移 (古 → 新)出所
売上高
百万円
3,601,971
2026年3月期
-11.8%+10.6%p.3
経常利益又は経常損失
百万円
-29,762
2026年3月期
-105.1%-p.3
当期純利益又は当期純損失
百万円
-239,266
2026年3月期
-496.8%-p.3
資本金
百万円
605,813
2026年3月期
+0.0%+0.0%p.3
発行済株式総数
千株
3,713,998
2026年3月期
+0.0%-3.1%p.3
純資産額
百万円
1,892,247
2026年3月期
-11.7%+1.3%p.3
総資産額
百万円
5,895,260
2026年3月期
+5.2%+3.8%p.3
1株当たり純資産額
円
511.6
2026年3月期
-11.8%+4.5%p.3
1株当たり配当額
円
-
2026年3月期
--p.3
1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失
円
-64.72
2026年3月期
-508.6%-p.3
潜在株式調整後1株当たり当期純利益
円
-
2026年3月期
--p.3
自己資本比率
%
32.1
2026年3月期
-16.0%-2.4%p.3
自己資本利益率
%
-11.9
2026年3月期
-540.7%-p.3
株価収益率
倍
-
2026年3月期
--p.3
配当性向
%
-
2026年3月期
--p.3
従業員数
人
23,174
2026年3月期
-5.1%+0.0%p.3
株主総利回り
%
59.7
2026年3月期
-11.2%-9.7%p.3
単位は指標名の下に記載。前期比は直近期と前期の差、5期 CAGR は5期(4年間)の年平均成長率。推移は各行の最小と最大で正規化した形で、色は前期比の符号。出所列の p.N は有価証券報告書の該当ページ。

沿革

75件出所: 有価証券報告書 2026年3月期 p.4–6

  1. 1933年12月「日本産業㈱」と「戸畑鋳物㈱」の共同出資により、「自動車製造㈱」として資本金10百万円をもって、横浜市神奈川区宝町に設立 p.4
  2. 1934年5月横浜工場完成 p.4
  3. 1934年6月社名を「日産自動車㈱」と改称 p.4
  4. 1935年4月横浜工場で一貫生産による第一号車オフライン p.4
  5. 1943年8月富士工場(旧、吉原工場)完成 p.4
  6. 1944年9月社名を「日産重工業㈱」と改称、本社事務所を東京日本橋に移転 p.4
  7. 1946年1月本社事務所を再び横浜市神奈川区宝町に移転 p.4
  8. 1949年8月社名を「日産自動車㈱」に復帰 p.4
  9. 1951年1月東京証券取引所上場 p.4
  10. 1951年5月「新日国工業㈱」(現、「日産車体㈱」・連結子会社)に資本参加 p.4
  11. 1958年5月乗用車の対米輸出開始 p.4
  12. 1960年9月「米国日産自動車会社」設立 p.4
  13. 1961年9月メキシコ、メキシコ市に「丸紅飯田㈱」(現、「丸紅㈱」)との合弁会社「メキシコ日産自動車会社」を設立(現、連結子会社) p.4
  14. 1962年3月追浜工場完成 p.4
  15. 1965年3月「愛知機械工業㈱」に資本参加(現、連結子会社) p.4
  16. 1965年5月座間工場完成 p.4
  17. 1966年8月「プリンス自動車工業㈱」と合併、これに伴い村山工場等が当社に帰属 p.4
  18. 1967年7月本牧埠頭(輸出専用基地)完成 p.4
  19. 1968年1月本社事務所、東京銀座の新社屋に移転 p.4
  20. 1971年3月栃木工場完成 p.4
  21. 1973年10月相模原部品センター完成 p.4
  22. 1977年6月九州工場完成 p.4
  23. 1980年1月スペイン「モトール・イベリカ会社」(現、「日産モトール・イベリカ会社」・連結子会社)に資本参加 p.4
  24. 1980年7月「米国日産自動車製造会社」設立 p.4
  25. 1981年11月テクニカルセンター完成 p.4
  26. 1981年11月「米国日産販売金融会社」設立(現、連結子会社) p.4
  27. 1982年11月メキシコ日産自動車会社、アグアスカリエンテス工場完成 p.4
  28. 1984年2月「英国日産自動車製造会社」設立(現、連結子会社) p.4
  29. 1984年11月追浜専用埠頭完成 p.4
  30. 1989年4月「欧州日産会社」設立 p.4
  31. 1990年1月(旧)「北米日産会社」設立 p.4
  32. 1991年5月苅田専用埠頭完成 p.5
  33. 1994年1月いわき工場完成 p.5
  34. 1994年4月北米事業組織を再編し、「北米日産会社」を新規設立(現、連結子会社) p.5
  35. 1994年10月中東地域における地域統括会社「中東日産会社」を設立(現、連結子会社) p.5
  36. 1995年3月座間工場車両生産中止 p.5
  37. 1998年12月「北米日産会社」、「米国日産自動車会社」を合併 p.5
  38. 1999年3月フランス「ルノー」と資本参加を含む自動車事業全般にわたる提携契約締結(現、持分法適用関連会社) p.5
  39. 1999年7月富士工場関係の営業を「トランステクノロジー㈱」へ譲渡。同社は、同年に「ジャトコ㈱」と合併し、「ジヤトコ・トランステクノロジー㈱」(現、「ジヤトコ㈱」・連結子会社)と社名変更 p.5
  40. 2000年4月「北米日産会社」、「米国日産自動車製造会社」を合併 p.5
  41. 2001年3月村山工場車両生産中止 p.5
  42. 2002年3月ルノーが当社株式保有比率を44.4%に引き上げ p.5
  43. 2002年3月日産ファイナンス㈱(現、連結子会社)を通じてルノーへ資本参加 p.5
  44. 2002年3月ルノーとの共同運営会社「ルノー・日産会社」設立 p.5
  45. 2002年8月欧州事業再編の為、欧州日産自動車会社を設立(現、連結子会社) p.5
  46. 2003年3月欧州日産会社を清算 p.5
  47. 2003年5月北米日産会社、キャントン工場完成 p.5
  48. 2003年7月東風汽車有限公司事業開始(現、持分法適用関連会社) p.5
  49. 2004年4月サイアムニッサンオートモービル社の第三者割当増資を引き受け子会社化(現、「タイ日産自動車会社」・連結子会社) p.5
  50. 2004年5月東風汽車有限公司、花都工場完成 p.5
  51. 2005年1月カルソニックカンセイ㈱の第三者割当増資を引き受け、同社を子会社化 p.5
  52. 2007年12月ルノー日産オートモーティブインディア社設立 p.5
  53. 2008年1月日産インターナショナル社、欧州地域の生産・販売等の統括業務開始(現、連結子会社) p.5
  54. 2009年8月本社事務所を横浜市のグローバル本社に移転 p.5
  55. 2010年4月ルノー及びダイムラーAGと資本参加を含む戦略的協力に関する提携契約締結 p.5
  56. 2011年7月アセアン地域における地域統括会社「アジア・パシフィック日産自動車会社」を設立(現、連結子会社) p.5
  57. 2011年8月九州工場を母体とした「日産自動車九州㈱」を設立(現、連結子会社) p.5
  58. 2013年11月メキシコ日産自動車会社、アグアスカリエンテス第2工場完成(現、連結子会社) p.5
  59. 2014年4月ブラジル日産自動車会社、レゼンデ工場完成(現、連結子会社) p.5
  60. 2014年5月インドネシア日産自動車会社、プルワカルタ第2工場完成 p.5
  61. 2016年5月三菱自動車工業㈱と資本参加を含む戦略的協力に関する提携契約締結 p.6
  62. 2016年10月三菱自動車工業㈱の第三者割当増資を引き受け、同社へ資本参加(現、持分法適用関連会社) p.6
  63. 2017年3月カルソニックカンセイ㈱の株式の公開買付が成立し、保有する全株式をCKホールディングス㈱に売却 p.6
  64. 2017年6月三菱自動車工業㈱との合弁会社「Nissan-Mitsubishi B.V.」を設立(現、持分法適用関連会社) p.6
  65. 2018年7月アルゼンチン日産社、サンタ・イザベル工場完成(現、連結子会社) p.6
  66. 2019年6月指名委員会等設置会社に移行 p.6
  67. 2021年10月欧州地域の販売の統括業務を日産インターナショナル社から欧州日産自動車会社に移管 p.6
  68. 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行 p.6
  69. 2023年7月ルノーと資本参加を含む自動車事業全般にわたる提携契約「新アライアンス契約」を締結 p.6
  70. 2023年11月ルノーと資本参加を含む自動車事業全般にわたる提携契約「第1次改訂新アライアンス契約」を締結 p.6
  71. 2025年3月ルノーと資本参加を含む自動車事業全般にわたる提携契約「第2次改訂新アライアンス契約」を締結 p.6
  72. 2025年7月ルノー日産オートモーティブインディア社の株式をルノーに売却 p.6
  73. 2025年8月インドネシア日産自動車会社の株式を売却 p.6
  74. 2025年10月アルゼンチン日産社、サンタ・イザベル工場車両生産中止 p.6
  75. 2026年3月メキシコ日産自動車会社、シバック工場車両生産中止 p.6

大株主

上位10名出所: 有価証券報告書 2026年3月期 p.49

#株主名所有株式数(千株)持株比率出所
1ナティクシス エスエイアズ トラスティー フォー フィデューシー ニュートン 701910 (注)693,12418.7%p.49
2ルノー エスエイ633,10717.1%p.49
3日本マスタートラスト信託銀行 株式会社(信託口)391,49010.6%p.49
4ザバンクオブ ニユーヨーク トリーテイー ジヤスデツク アカウント89,1862.4%p.49
5株式会社日本カストディ銀行 (信託口)71,5691.9%p.49
6マンインターナショナル アイシーブイシーマン ジャパン コアアルファ ファンド69,5031.9%p.49
7ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 50500161,3471.7%p.49
8CGML PB CLIENT ACCOUNT/COLLATERAL39,7221.1%p.49
9日本生命保険相互会社37,8201.0%p.49
10ジェーピー モルガン チェース バンク 38578131,6840.9%p.49
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持株比率は発行済株式(自己株式を除く)に対する割合。信託銀行の株式数は信託業務に係るもの。

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  • 大株主 上位10名
  • 役員 12名
  • 従業員・人的資本
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役員

12名男性10名 女性4名2026年6月22日現在出所: 有価証券報告書 2026年3月期 p.61–63

  • 取締役 取締役会議長 指名委員会委員木村康p.61
  • 取締役 報酬委員会委員 監査委員会委員ベルナール デルマスp.63
  • 取締役 報酬委員会委員長 指名委員会委員井原慶子p.63
  • 取締役 監査委員会委員長 指名委員会委員 報酬委員会委員永井素夫p.63
  • 取締役 指名委員会委員長 報酬委員会委員アンドリュー ハウスp.63
  • 取締役 監査委員会委員ブレンダ ハーヴィーp.63
  • 取締役 監査委員会委員朝田照男p.63
  • 取締役 報酬委員会委員得能摩利子p.63
  • 取締役 監査委員会委員ヴァレリー ランドンp.63
  • 取締役 指名委員会委員ティモシー ライアンp.63
  • 取締役イヴァン エスピノーサp.63
  • 取締役赤石永一p.63

従業員・人的資本

出所: 有価証券報告書 2026年3月期「従業員の状況」 p.84–85 ほか

連結従業員数
120,079 人
単体従業員数
23,174 人
平均年齢
40.9 歳
平均勤続年数
14.9 年
平均年間給与
8,571,467 円
女性管理職比率
11.3 %
男性育児休業取得率
75.5 %
男女賃金差異(全体)
84.7 %
同(正社員)
83.1 %
同(パート・有期)
79.2 %
役員の女性比率
29 %(女性4名/14名)
自己資本比率(連結)
24.2 %
ROE(連結)
-10.9 %
EPS
-152.6 円
BPS
1,372.6 円
株主総利回り
59.7 %

セグメント別従業員数(連結)

セグメント従業員数(人)出所

開示の記述

出所: 有価証券報告書 2026年3月期 の該当章をそのまま掲載

経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

(1) 経営方針及び経営戦略等 p.12

(経営指標の改善に向けて) p.12

当社は、2025年5月に、日産自動車の経営再建計画として「Re:Nissan」を発表した。本計画は、実行性と規律を重視した現実的な計画であり、コスト構造の抜本的改革、市場戦略及び商品戦略の再定義、並びにパートナーシップの強化の三つを柱としている。本計画のもと当社は、2026年度までに自動車事業における営業利益及びフリーキャッシュフローの黒字化(関税影響を除く。)を目指している。 p.12

(コスト構造改革の進捗) p.12

当社は、固定費・変動費を合わせて総額5,000億円規模のコスト削減を目標に掲げ、全社を挙げて取り組んでいる。 p.12

① 変動費の削減 p.12

この取り組みの中核として、各部門から集められたプロフェッショナルによる専属部署を設置し、コスト構造を見直し、改善措置を機動的に講じる体制を構築した。2025年度末では、5,000件を超える改善案が創出され、想定効果額は2,700億円に達しており、多くの施策がすでに実行段階へ移行しており、変動費削減は2025年度末で550億円に達している。これらの取り組みは、品質第一の原則を堅持しつつ、着実に成果を上げている。 p.12

② 固定費の削減 p.12

・生産の再編と効率化 p.12

車両生産工場数を2027年度までに17から10に削減するほか、生産シフトや人員配置の最適化、設備投資の抑制を通じた固定費削減を進めている。 p.12

・人員体制の見直し p.12

グローバル人員体制の最適化に向けた取り組みを進めており、規律正しくも、各ステークホルダーにも配慮した手続に則って丁寧に実行している。 p.12

・開発費の削減 p.12

開発プロセスの刷新により、エンジニアリングコストの削減と開発スピードの向上を同時に実現する。グローバルでR&Dのリソースの合理化を通じて、2025年度末実績の労務費単価は18%削減した。 p.12

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また、部品種類・プラットフォームの統合と最適化を進めており、確かな成果が出ている。さらに、リードモデル・後続モデルの開発期間の大幅な短縮化の取り組みも進めており、着実にその成果も出始めている。 p.12

これらの取り組みにより、固定費削減は2025年度末で2,000億円に達し、順調に削減が進んでいる。 p.12

当社は、厳しい経営環境の中にあっても、2026年度が計画の最終年となる「Re:Nissan」を、計画どおりに進めている。コスト構造の改革や生産能力の適正化に加え、競争力の高い新商品を投入することにより、今後の成長に向けた確かな基盤を築いていく。 p.12

(長期ビジョン) p.12

当社は、2026年4月に、「モビリティの知能化で、毎日を新たな体験に」という長期ビジョンを策定し、次の成長フェーズに向けた中長期的な方向性を発表した。本ビジョンは、「Re:Nissan」で築いた基盤を踏まえ、持続的な競争力と企業価値の向上を実現するための指針となるものである。 p.12

・次世代技術:AIを核とした知能化と電動化 p.12

日産は、AIディファインドビークル(AIDV)を技術イノベーションの中核に位置づけている。AIドライブ技術とAIパートナー技術を組み合わせることで、より安全で直感的、かつ信頼性の高い移動体験の提供を目指す。将来的には、AIドライブ技術を搭載するモデルを当社ラインアップの約9割へと拡大していく方針である。また、電動化は次世代モビリティを実現する重要な要素であり、当社独自のe-POWERを中核に、多様なニーズに応える幅広い電動パワートレインを展開していく。 p.12

・商品ポートフォリオの刷新と事業モデルの変革 p.12

商品戦略においては、各モデルの役割を明確化しながらモデル数を56車種から45車種に最適化するとともに、開発スピードの向上を図る。あわせて、共通プラットフォーム、パワートレイン、ソフトウェアプラットフォームを基盤とするアーキテクチャー主導の開発を進め、品質向上とコスト規律を両立させた競争力の高い商品を迅速に市場へ投入していく。また、パートナーとの協働を活用してポートフォリオを補完し、各市場で固有のニーズに応えるモデルを提供する。 p.12

・新たな市場アプローチ:リード市場を軸としたグローバル戦略 p.13

グローバル市場においては、日本、米国、中国をリード市場と位置づけ、これらを起点とした市場戦略を推進する。リード市場に向けた戦略を一体化して策定することで、イノベーションの展開力を高め、需要に応じた供給体制を確保し、スピード、コスト競争力、並びにお客さまへの訴求力の強化を図る。 p.13

当社は、本ビジョンのもと、技術、商品、市場、事業モデルを一体で進化させることにより、変化の激しい事業環境においても、持続的な競争優位の確立と成長を実現していく。 p.13

(日産のサステナビリティ) p.13

日産は、創業以来、移動と社会の可能性を広げることで人々の生活を豊かにすることを信条としてきた。この考え方は、経営再建に取り組む厳しい環境下においても変わることなく、サステナビリティを長期的な企業価値創出のための経営基盤として位置づけている。気候変動をはじめとする社会課題への対応は、重要な経営課題の一つであり、今後も2023年度に策定した第5次中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2030(NGP2030)」、及び2030年度までの社会性の取り組みを包括的に推進する「ニッサン・ソーシャルプログラム2030(NSP2030)」に基づき、バリューチェーン全体で取り組みを進めながら、その解決を推進していく。 p.13

当社は新たな長期ビジョンのもと、強みを生かした事業活動を通じて価値を創出し、事業と社会の持続的な発展の両立を目指していく。 p.13

(2) 2025年度の経営環境及び主要な経営指標 p.13

2025年度のグローバル自動車市場では、販売競争の激化、急激な為替変動及びインフレーションの影響を受ける厳しい環境が続いた。特に、米国市場では車両や車両部品の輸入に対する追加関税により、自動車製造各社は生産・流通体制の見直しが急務となっており、さらに、中東情勢等の地政学的リスクから先行きは不透明な状況である。 p.13

このような自動車事業全体の市場環境に加え、当社固有の課題によっても厳しい状況となった。 p.13

2025年4月から新たなマネジメント体制に移行し、確実な事業回復に向けて日産経営再建計画「Re:Nissan」を策定した。「Re:Nissan」を通じて、当社は2024年度の実績比で、固定費と変動費を計5,000億円削減し、2026年度までに自動車事業における営業利益とフリーキャッシュフローの黒字化(米国関税影響を除く。)を目指している。2025年度においては、固定費では約2,000億円の削減、変動費では約550億円の削減を実現した。また、2027年度までに削減する7つの車両工場について、対象となる工場を公表するなど、経営再建に向けて計画を着実に実行している。 p.13

2025年度の当社の連結売上高は、前年比4.9%減の12兆79億円となった。連結営業利益は580億円、連結売上高営業利益率は0.5%、親会社株主に帰属する当期純損失は5,331億円となった。 p.13

自動車事業のフリーキャッシュフローは、4,808億円のマイナスとなった。この結果、2025年度末の自動車事業におけるネットキャッシュ(手元資金から有利子負債額を差し引いた額)は、1兆1,704億円となった。 p.13

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題 p.14

当連結会計年度における事業上及び財務上の対処すべき課題は、次のとおりである。 p.14

・元会長らの不正行為に関連した事項 p.14

当社の元代表取締役が金融商品取引法違反(虚偽有価証券報告書提出罪)で起訴されるとともに、元代表取締役会長においては会社法違反(特別背任罪)でも起訴された。併せて当社自身も金融商品取引法違反により起訴された。当社はこの事態を重く受け止め、独立第三者及び独立社外取締役で構成されるガバナンス改善特別委員会を設置し、2019年3月27日に同委員会からガバナンスの改善策及び、将来にわたり事業活動を行っていくための基盤となる健全なガバナンス体制の在り方についての提言をまとめた報告書を受領した。これを受け、当社は指名委員会等設置会社へ移行した。 p.14

当社は、2019年9月9日の取締役会において、監査委員会よりゴーン氏らの不正行為に関する社内調査の報告を受けた。2019年9月9日付の「元会長らによる不正行為に関する社内調査報告について」と題する適時開示に記載したとおり、本報告では、ゴーン氏らによる不正行為を認定している。そのうち、ゴーン氏の会社資産の私的流用等及び販売代理店に対する奨励金支払いに関する不適切な行為は、以下のとおりである。2019年9月9日以降、当有価証券報告書提出日時点において、下記の内容に特段の変更は生じていない。今後、下記の内容に重要な進展が生じた場合には、法令等に基づき開示する。 p.14

A) ゴーン氏の会社資産の私的流用等 p.14

ゴーン氏は、以下を含む様々な方法で当社の資産を私的に流用した。 p.14

・将来性のある技術に投資するとの名目で子会社Zi-A Capital社を設立させ、同社の投資資金のうち約2,700万米ドルを、ブラジル(リオデジャネイロ)及びレバノン(ベイルート)所在のゴーン元会長個人のための住宅の購入に流用したほか、会社資金で秘密裏に購入又は賃借した住宅を私的に利用した。 p.14

・2003年から10年以上にわたり、実体のないコンサルティング契約に基づくコンサルタント報酬名目で実姉に合計75万米ドルを超える金銭を支払った。 p.14

・コーポレートジェットを自身及び家族の私的用途に使用した。 p.14

・会社の資金を家族の旅費支払いや、個人的な贈答品支払いなどに充てた。 p.14

・業務上の必要性がないにもかかわらず自身の出身国の大学への200万米ドルを超える寄付を会社資金で行わせた。 p.14

・2008年、ゴーン氏は個人的に締結した為替スワップ契約のもと約18億5,000万円の含み損を抱え、事実と異なる取引内容を取締役会に説明したうえ為替スワップ契約を当社に承継させて、かかる含み損を当社に承継させた(金融当局の指摘を受け、2009年、当該為替スワップ契約は秘密裏にゴーン氏の関連企業に再承継された)。 p.14

・2018年4月以降、三菱自動車工業株式会社との間で設立した合弁会社であるNissan-Mitsubishi B.V.(以下「NMBV」)から、給与・契約金名目での取締役会決議を欠く支払い合計780万ユーロを受領した。 p.14

B) 販売代理店に対する奨励金支払いに関する不適切な行為 p.14

ゴーン氏は、国外の知人から私的な資金援助を得ていることを当社取締役会及び関係部署に秘したまま、当社子会社から当該知人の経営する企業に対し、自身とその直属の特定少数の部下が承認すれば金銭支出が可能となる予備費予算(CEOリザーブ)を使用して、特別ビジネスプロジェクト費用などの名目で合計1,470万米ドルの支払いを行わせた。 p.14

また、国外の販売代理店の関係者からゴーン氏自身又はその関係企業に対して数千万米ドルの支払いがなされていることを当社取締役会及び関係部署に秘したまま、当社子会社から当該販売代理店に対し、CEOリザーブを使用して、販売奨励金名目で合計3,200万米ドルの支払いを行わせた。 p.14

金融庁長官から、2019年12月13日付で審判手続開始決定通知書を受領した。これにつき、当社は、課徴金に係る事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書を2019年12月23日に提出した。その後、2020年2月27日付で金融庁長官から24億2,489万5,000円の課徴金納付命令の決定の送達を受けた。 p.14

2022年3月3日、当社は東京地方裁判所から金融商品取引法違反(虚偽有価証券報告書提出罪)により、罰金2億円に処するとの有罪判決を受けた。当社は、当社に対する当該判決を厳粛に受け止め、判決の主文並びに理由として述べられた事項を慎重に検討した結果、当該判決に対する控訴を行わないことを決定した。その後、当社及び検察官のいずれも刑事訴訟法が定める控訴期間内に控訴しなかったため、当該判決は確定した。 p.14

上記課徴金に関して、金融商品取引法第185条の8第6項の規定に基づき、当該刑事裁判の判決による罰金額である2億円を控除し、課徴金の総額を22億2,489万5,000円に変更する処分が2022年4月26日付で行われた。当該課徴金については、すでに全額納付済である。 p.14

また、ゴーン氏がNMBV及び他の当社の子会社に対してアムステルダム地方裁判所に提起した不当解雇訴訟において、NMBVは、ゴーン氏がNMBVから不正に着服した資金の返還を求めゴーン氏に対し反対請求を提起した。アムステルダム地方裁判所は、2021年5月20日に出された判決においてゴーン氏の請求を棄却し、ゴーン氏に対し約500万ユーロの返還を命じたが、ゴーン氏は2021年8月20日に控訴状をアムステルダム高等裁判所に提出した。その後NMBVが提出した交差控訴及び防御の結果、2022年8月23日にアムステルダム高等裁判所による判決が出され、ゴーン氏の請求は大部分が棄却されるとともに、ゴーン氏に対し約420万ユーロの返還が命じられた。上告期限の経過により判決は確定した。 p.15

ゴーン氏による会社資金の不正使用により購入された住居の一部については、売却が完了している。 p.15

当社は、既に英領バージン諸島においてゴーン氏及びその関係者を相手に、豪華ヨットに対する仮処分命令を申立て、同命令を得た上で、損害賠償等を求めて訴訟を提起し、また日本国内においても、2020年2月12日にゴーン氏に対し、2022年1月19日に当社元代表取締役ケリー氏に対し、損害賠償請求訴訟を提起しているが、本社内調査結果を踏まえ、今後も、ゴーン氏らの責任を明確にすべく、ゴーン氏らの法令違反や不正行為によって被った損害の回復のため法的措置を含めた必要な対応をとっていく方針である。 p.15

指名委員会の選出による経営層の新体制が2019年12月に発足、内部監査による監督機能を強化したこと、などに見られるように、種々の再発防止策に取り組んでいる。 p.15

当社は、2020年1月16日に東京証券取引所に提出した改善状況報告書に記載した改善措置の継続的実施を含め、これからも必要な改善を随時検討するなど、引き続きガバナンスの向上に努めるとともに、企業風土の改革、企業倫理の再構築、企業情報の適切な開示、コンプライアンスを遵守した経営に努めていく所存であることを表明している。 p.15

・公正取引委員会からの勧告に関連した事項 p.15

2024年3月7日、当社は公正取引委員会から、下請代金支払遅延等防止法(以下、「下請法」という。なお、2026年1月に改正され、中小受託取引適正化法として施行されている。)の適用対象となる事業者との取引に関して、下請法に基づく勧告を受けた。 p.15

これは、当社が、下請法の適用対象となる事業者36社との取引において、当該事業者から割戻金を受け取った行為の一部が、下請法第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止)の違反と判断されたものである。本勧告において下請代金の減額に該当すると判断された割戻金の総額は、2021年1月から2023年4月までの約30億円である。当社は、本勧告の対象下請事業者に対して、下請代金の減額に該当すると判断された金額を返金するとともに、割戻金の運用自体も廃止した。 p.15

当社は、本勧告を大変重く受け止めている。サプライヤーの皆様との強固な信頼関係なくして双方の事業の発展は成し得ない。法令の遵守状況についての定期的な点検、並びに役員や下請取引に関わる従業員への教育の徹底及び定期的な研修の実施などを通じて、法令遵守体制を強化するとともに、再発防止策の徹底に取り組み、取引適正化を図っており、2025年3月5日に改善報告書を公正取引委員会に提出した。 p.15

取引先との関係を強化し、双方に価値を創造し、法令遵守の徹底のための更なる取り組みの一環として、法令違反の疑いなどがある場合に、取引先から匿名で意見を集約するホットラインを外部に設置している。さらに、モノづくり部門、並びに、関連部署の担当者からなる社長直轄の「パートナーシップ改革推進室」を新設した。このチームは、積極的に取引先のもとに足を運び、懸念事項を正しく理解し、頂いた声を速やかに社内にフィードバックして、必要な対応を迅速に講じることができるようにしている。各部署の通常窓口に加え、2つのルートを設けることで、取引先の状況把握、法令遵守の徹底を図っている。 p.15

第一部 第2 事業の状況 1EDINETで原文を開く → p.12–15

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。 p.25

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月22日)現在において当社グループが判断したものである。 p.25

1.世界経済や景気の急激な変動 p.25

(1) 経済状況 p.25

当社グループの製品・サービスの需要は、それらを提供している国又は地域の経済状況の影響を強く受けている。従って、日本、北米、中国、中東、ヨーロッパなど、当社グループの主要な市場における経済や景気動向、各国の関税政策・インフレーション・市況変動とそれに伴う需要の変動については可能な限り正確な予測に努め必要な対策を行っている。しかしながら、米国による関税政策に加え、中東地域の地政学リスクの増大は、エネルギー価格の激しい変動や世界的なサプライチェーンの混乱を招いており、先行きを見通すことが非常に困難である。また、世界同時不況やパンデミック、各国政策が重視する点・優先度の変化、国際紛争の激化など予測を超えた急激な変動がある時は、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。 p.25

(2) 資源エネルギー情勢 p.25

原油、天然ガス、再生エネルギー等の価格高騰など資源やエネルギー情勢の急激な変化により当社グループの製品・サービスに対する需要も大きく変動する。特に昨今の中東情勢の悪化に伴う原油・天然ガス価格の急騰や、海上輸送ルートの混乱による供給不足の懸念は、製造・物流コストの大幅な上昇に直結するリスクがある。ガソリン価格が上昇すれば燃費の良い製品に需要がシフトすることが予測され、更に上昇すれば全体の需要は低下することも予測される。鉄、アルミ、樹脂といった従来の自動車の原材料に加えて、リチウム、コバルト、ニッケル、ロジウム、パラジウムといった希少金属の価格に予測を超えた急激な変動がある時は、業績の悪化や機会損失の発生等、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。 p.25

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2.自動車市場における急激な変動 p.25

自動車業界は、世界的に非常に厳しい状況と不確実な競争に直面している。また、米国の関税政策や、中東情勢に起因するエネルギー価格の激しい変動や世界的なサプライチェーンの混乱など、事業環境は大きく変化している。このような外部環境の中で、当社グループもその競争に打ち勝つべく、お客様のニーズにあった製品・サービスを素早く提供できるように技術開発・商品開発や販売戦略において努力している。しかしながら、お客様ニーズに合う製品・サービスをタイムリーに提供できなかった場合や、環境や市場の変化、地政学的な事由による物流網の混乱や、それに伴う生産活動への支障等への対応が不十分な場合には、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。 p.25

例えば、成熟市場では人口の減少や少子高齢化の進行により需要が減退したり変化したりする一方で、新興市場では大きく需要が増える可能性もある。これらはビジネスチャンスとして当社グループに有利な結果をもたらす可能性もある一方、特定商品や特定地域への過度な依存が発生し、次なる変化への対応が十分に行われない場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。 p.25

また、車両の電動化が進み、各国での温室ガス排出に対する規制が強化されており、カーボンニュートラルに向けたライフサイクルでの取り組みが必須となってきている。これらの社会・環境要請に対応する取り組みが遅れた場合には、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性がある。 p.25

さらに、CASE(Connected, Autonomous, Shared, and Electric)、SDV(Software Defined Vehicle)、AIなどの技術革新が進むことにより、今後、カーシェアリング、ライドシェアリング、ロボタクシーといった業態が普及し、「自動車メーカーがハードウェアとしてのクルマを製造・販売し、お客様はそのクルマを購入・所有・使用する」という従来のビジネスモデルが大きく変革していくことが想定される。また、自動車の付加価値の中心がハードウェアとしてのクルマの性能から、ソフトウェアの活用によるお客様へのサービス・体験の提供へ移ることが想定される。その結果、ソフトウェアの部分での魅力が他社との差異化のポイントとなり、予てより当社の強みであったクルマというハードウェアを開発・量産するというノウハウや専門性がそれ程の付加価値を生まないものとなっていく可能性もある。また、新技術の開発という点では、各国、メーカー共に激しい競争状態にあり、開発費負担の増大、車両コストの増加等により、当社グループの業績や財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。 p.25

これらの自動車市場の変化に対して、可能な限り的確な予測に努め必要な対策を行っているが、我々の想定を超えた速度や範囲で変革が起き、そのような変化に対して十分に対応できない場合には、我々は競争相手に対して優位性を保つことができず、競争力を失う可能性もある。 p.25

3.金融市場に係るリスク p.26

(1) 為替レートの変動 p.26

当社グループは世界13の市場で完成車の生産を行い、およそ160の市場で販売をしている。原材料や部品、サービスの調達も多くの国で行っている。 p.26

当社の連結財務諸表は日本円で表示するため、一般的に他の通貨に対する円高は当社グループの業績に悪影響を及ぼし、反対に円安は好影響をもたらすことになる。また、当社グループが生産を行う地域の通貨価値が上昇した場合、それらの地域の生産コストを押し上げ、当社グループの競争力の低下をもたらす可能性がある。 p.26

当社グループでは、為替変動リスクを軽減するための根本的な対策として、生産の現地化や、原材料及び部品の外貨建てによる購入等の対応を行っている。しかしながら、為替リスクを完全に取り除くことは不可能であるため、想定を超えた変動が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。 p.26

(2) 通貨、金利並びにコモディティ価格のリスクヘッジ p.26

市場金利の上昇及びコモディティ価格の上昇は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。 p.26

また、当社グループは外貨建債権債務の為替変動リスク回避、変動金利で調達した有利子負債の金利変動リスク回避及び、コモディティの価格変動リスク回避を目的として、デリバティブ取引を行うことがある。こうしたデリバティブ取引によりリスクを回避することができる一方で、為替変動、金利変動、コモディティ価格の変動によってもたらされる利益を享受できないという可能性もある。 p.26

(3) 有価証券の価格変動 p.26

当社グループは、戦略的な理由や取引関係維持、キャッシュマネジメント等の理由により市場性のある有価証券を保有する場合があり、それらの有価証券の価格変動リスクを負っている。このため株価や債券価格の変動は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。 p.26

(4) 資金の流動性 p.26

金融市場では通常の想定を超える環境変化が発生する場合がある。また、リクイディティ・リスクは国内外の格付機関による格付の引き下げによっても増加する。そのような事態に対処するため、当社グループでは十分な資金の流動性を確保できるよう社内規定を整備し、内部資金の蓄積や金融機関とのコミットメントライン、調達手段や調達地域の多様化等、あらゆる資金捻出・調達ソースの確保に取り組んでいる。また、当社グループは自動車事業において未使用のコミットメントラインや十分な手元資金を維持することにより、これらのリスクを低減させている。販売金融事業では、リースを含む保有金融債権の流動化も行いながら必要資金を十分に確保している。昨今、国内外の格付機関によって当社の長期信用無担保格付が引き下げられているものの、当社グループは銀行借入や社債等に加えて、長期信用無担保格付の引き下げに左右されにくい資金調達手段であるリースを含む保有金融債権のさらなる流動化を通じた資金調達も検討している。しかしながら市場環境に予期せぬ大規模な変化が発生した場合や国内外の格付機関によるさらなる格付の引き下げによっては、当初計画どおりの資金調達に支障をきたす可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に負の影響を及ぼす可能性がある。 p.26

(5) 販売金融事業のリスク p.26

販売金融事業は消費者、法人顧客及び販売店に金融ソリューションを提供することにより、これら顧客による日産車の購入又は販売活動に資するものであり、当社グループにとって重要なビジネスのひとつである。販売金融事業は、徹底したリスク管理により適正な収益水準と健全な財務状態を維持しながら自動車販売をサポートしている。しかし、顧客に金融ソリューションを提供するため、販売金融事業は、金利リスク、信用リスク、残存価格変動リスク等のリスクにさらされている。これらのリスク要因が適切に管理されていないと当社グループの業績と財務状況に負の影響を及ぼす可能性がある。 p.26

これらのリスクを軽減するため、販売金融事業は健全なポリシーとリスクマネジメントフレームワークを導入している。 p.26

金利リスクの場合、当社グループは徹底した資産負債管理により期間と資産負債利率の不一致(固定金利対変動金利)の最小化、及び市場金利の変動に対するエクスポージャーの最小化に努めている。しかしながら、販売金融事業は国内外の格付機関による格付の引き下げ及びマクロ経済状況等の外部要因による金利コスト上昇の影響を受ける。 p.26

信用リスクは、審査から回収までのサイクル全体に対して管理されている。審査において販売金融事業は、厳格な与信審査ポリシーに従い、顧客の支払能力、支払履歴、資産状況、適切な担保価値及び融資条件を勘案したうえで与信判断を行っている。与信期間中又は支払延滞があった場合、潜在的な損失を最小限に抑えるために綿密な回収戦略が実施される。 p.26

残存価格変動リスクについては、当社グループは独立第三者による評価金額と過去の中古車価格の統計分析結果を基準に、部門横断的なチームにより適切な残存価値設定を行っている。また、新車販売のための販売インセンティブの適切なレベル及び施策を管理、適切なフリート販売台数の維持管理及び認定中古車の販売促進によるブランド価値構築を通じて日産車の将来的市場価値を高める戦略により、残存価格変動リスクの軽減に努めている。 p.26

(6) 取引先の信用等のリスク p.27

当社グループは販売会社、金融機関、サプライヤーなど様々な地域の数多くの取引先と取引を行っており、取引先の債務不履行などが発生するリスクにさらされている。当社グループは、これらの取引先の財務情報をもとに継続的な評価を行うことで、かかるリスクを削減するよう努めている。しかしながら、世界的な経済危機をきっかけにした、販売会社、金融機関及びサプライヤーの経営破たんのような予期せぬ事態が発生した場合には、当社グループの業績と財務状況に負の影響を及ぼす可能性がある。 p.27

また、当社グループの主要サプライヤーであるマレリホールディングス株式会社は、2022年6月の民事再生法に基づく民事再生手続開始を申し立て以降、再建に向けた取り組みを進めている。2025年6月には、米国のデラウェア州連邦破産裁判所にて債権者の合意の下、連邦破産法第11条の手続きを開始し、以後引き続き、再建へ向けた取り組みを進めているが、かかるサプライヤーの債務不履行など信用リスクが顕在化するなどにより、かかるサプライヤーからの供給の停止、遅延又は不足による当社グループの操業の停止、生産の遅延又は減少、もしくは財務的負担の増加やコストの上昇が生じる可能性があり、当社グループの業績と財務状況に大きな負の影響を及ぼす可能性がある。 p.27

(7) 退職給付費用及び債務 p.27

当社グループの従業員の退職給付に備えるための退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されている。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性がある。 p.27

4.事業戦略や競争力維持に係るリスク p.27

(1) 国際的活動及び海外進出に関するリスク p.27

当社グループは世界13の市場で完成車の生産を行い、およそ160の市場で販売を行っている。海外市場への事業進出の際には以下に掲げるようなリスクの検討も十分行っているが、アメリカ・中国及び中東をはじめとする不透明な世界情勢など進出した先で予期しないリスクあるいは想定を超えるリスクが顕在化した場合には計画どおりの操業度や収益性を実現できず、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。 p.27

・ 政治的又は経済的要因 p.27

・ 法律又は規制の変更 p.27

・ 法人税、関税その他税制の変更及び移転価格税制等の国際税務問題による影響 p.27

・ ストライキ等の労働争議 p.27

・ 優秀な人材の採用と定着の難しさ p.27

・ テロ、戦争、クーデター、デモ、暴動、大規模自然災害、伝染病、その他の要因による社会的混乱 p.27

(2) 研究開発活動 p.27

当社グループが開発する技術は、世の中のニーズに即し、有用かつ現実的で使い易いものでなくてはならない。この目的のため当社グループは、将来のニーズを予測し、優先順位をつけ、AIディファインドビークル(AIDV)、先進運転支援技術、電動化、安全面の強化、モビリティサービス等にかかわる新技術の開発に投資している。しかし、予測を超えた環境の変化や世の中のニーズの変化、相対的な開発競争力の低下により、最終的にお客様にその新技術が受け入れられない可能性もあり、その結果当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性がある。 p.27

(3) 他企業との提携等 p.27

当社グループは、長期ビジョン「モビリティの知能化で、毎日を新たな体験に」の達成に向けて、AIディファインドビークル(AIDV)、先進運転支援技術、電動化などの技術革新に対応しより高い競争力を短期間で獲得するために、また現在の厳しい経営状況を考慮して、優れた技術・サービスを有する他の企業と戦略的に提携することがある。将来に想定されるビジネスモデルの変革も見据え、従来の自動車業界の企業との提携のみならず、業界の枠を超えた、異業種企業との戦略的な提携等の可能性も含まれる。しかしながら、当該分野の市場環境や技術動向の変化、提携先との活動の進捗状況によっては予定した成果を享受できない可能性もあり、その結果当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性がある。 p.27

(4) 製品・サービスの品質 p.27

当社グループは、優れた品質の製品・サービスを提供するため、開発・製造から販売・サービスまできめ細かい管理体制を敷き最善の努力を傾けている。しかしながら、より高い付加価値を提案するための新技術の採用は、それが十分に吟味されたものであっても、後に製造物責任や製品リコールなど予期せぬ品質に係る問題を惹起することがある。また、今後自動運転技術が発展し、かつ広く普及していった場合は、運転者の関与の希薄化に伴い、より製造者側の責任が問われるようになることも想定される。製造物責任については賠償原資を確保するため一定の限度額までは保険に加入しているが、必ずしもすべての損害が保険でカバーされるとは限らない。またお客様の安全のため実施したリコールが大規模なものになった場合には多額のコストが発生するだけでなく、ブランドイメージが低下する等、当社グループの業績と財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。 p.27

(5) 気候変動によるリスク p.28

気候変動に影響を与えると言われている温室効果ガスは、2015年に採択されたパリ協定にてできるだけ早い時期にピークアウトすること、また、2018年のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)1.5℃特別報告書では、遅くとも2050年までにはネットゼロとする必要性が示されている。これを受けて各国での気候変動対策が具体的な制度や法規として実装段階に移行、内容の強化や変更が進んでおり企業活動の不確実性が高まっている。 p.28

当社グループは、事業活動やクルマによって生じる環境への依存と負荷を自然が吸収可能なレベルに抑え、豊かな自然資産を次世代に引き継ぐことを究極のゴールとしている。2021年1月には、2050年までに事業活動を含むクルマのライフサイクル全体におけるカーボンニュートラルの実現を目指す宣言を行った。この実現に向け、自社の企業活動だけでなくクルマの原材料の調達から輸送、使用時などバリューチェーン各段階での排出量削減を取引先と共に取り組んでおり、中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム」でグローバルKPIと目標値を設定し、年次成果を公表している。2024年3月には、カーボンニュートラル実現に向けた一層の取り組み拡大をまとめた「ニッサン・グリーンプログラム2030(NGP2030)」を発表した。クルマの使用時に排出されるCO2量は、企業活動に伴う排出量に比較して著しく多く、バリューチェーン全体の80%以上を占めている。そのため、NGP2030ではバリューチェーンでの削減に向けた各取り組みを維持、強化するとともに、2030年までに主要地域における新車1台当たりのCO2排出量を2018年比で50%削減することを目標にしている。 p.28

気候変動のような不確実な将来事象に起因するリスクと機会に対しては、複数のシナリオでの変化を評価し、レジリエントな戦略とすることが重要と認識しており、明確になったインパクトはNGP2030に織り込まれている。シナリオ分析の結果を含む、NGP2030の詳細は第2[事業の状況]の2[サステナビリティに関する考え方及び取組]にて開示しているほか、2026年7月末に当社企業サイトに掲載のサステナビリティデータブック2026にて開示を予定している。 p.28

また、社会全体の気候変動対策の度合いが当社の想定を超えて進展あるいは後退した場合、移行リスクとして脱炭素社会へのさらなる政策や法規制、公共交通機関や自転車の選択などの市場需要の変化、物理的リスクとして異常気象災害のさらなる増加や海面の上昇などが予想され、各リスクに対応するための研究開発費用、設備投資などのコスト増とクルマの販売台数減少は財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。 p.28

(6) 環境や社会課題に関する規制、企業の社会的責任 p.28

自動車業界は、排出ガス基準、CO2/燃費基準、騒音、化学物質管理、資源循環、水資源、環境や安全性、人権等に係る様々な規制の影響を受けており、これらの規制はより一層厳格になってきている。当社グループは従来の車両に対する規制だけでなくサプライチェーンを含むバリューチェーン全体に対する規制に関しても各種ポリシーを定め取引先と共に対応している。これらの法規を遵守するだけでなく、さらに企業の社会的責任として、「ニッサン・グリーンプログラム2030」「ニッサン・ソーシャルプログラム2030」を掲げ、環境と社会課題に対する取り組みを加速している。法規や社会的な要請の高まりに伴い、対応のための開発や投資の費用負担は増加している。仮に、規制や社会的責任への対応が不十分と判断された場合には、リコール、認証の取り消し、罰金、社会的信用やブランドイメージが低下する等、当社グループの業績と財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。 p.28

また、上記取り組みを行ったとしても、株主やお客様等のステークホルダーから、他社との比較において優位性を持たないと評価された場合には株価や販売に負の影響を及ぼし、その結果当社グループの業績と財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。 p.28

(7) 重要な訴訟等 p.28

当社グループが事業活動を進めていく中で、様々な訴訟が起きることがある。それら訴訟については、当社グループ側の主張又は予測と異なる結果となるリスクは避けられず、場合によっては当社グループの業績と財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。また、当社グループの製品、技術、サービス等に関して、第三者の知的財産権(特許権等)を侵害しないよう細心の注意を払っているものの、第三者から知的財産権の侵害を理由とする請求又は訴訟が提起される可能性がある。このような紛争が生じた場合には、当社グループは防御のための相当の費用及び経営資源の投入を余儀なくされるほか、差止請求、損害賠償請求、ライセンス料の支払、又は設計変更等を求められる可能性があり、これらが当社グループの事業活動、業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。 p.28

(8) 知的財産保護 p.29

当社グループは、他社製品と差別化できる技術とノウハウを保持している。これらの知的財産は今後の当社グループの発展に不可欠なものであり、当社グループは専門の部署を設け知的財産を保護している。しかしながら、第三者が当社グループの知的財産を侵害した製品を製造・販売することを、すべて防止できない可能性がある。そのような事象が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。 p.29

(9) 優秀な人財の確保 p.29

当社グループでは人財はモノづくりをはじめとする競争力の源泉であり、最も重要な資産と考えている。コーポレートパーパスや長期ビジョンで掲げた目標及びそれを実現するための人財戦略については、第2[事業の状況]の2[サステナビリティに関する考え方及び取組]にて述べたとおり、人財育成の投資や評価報酬制度の充実にも力を入れている。しかしながら優秀な人財確保のための競争は厳しく、計画どおりに採用や定着化が進まなかった場合は、長期的に当社グループの競争力が低下する可能性がある。 p.29

(10) コンプライアンス、レピュテーション p.29

2017年に発生した、当社国内車両製造工場における完成検査に係る不適切取扱いの案件を受けて、当社は再発防止に向けた取り組みを進めてきた。特に、完成検査トレーサビリティシステムの導入、経営会議メンバーの工場訪問などによる風通しの良い職場づくり、コンプライアンス意識向上のためのコンプライアンスイベントの開催やコンプライアンス教育など、完成検査問題の風化を防止するための取り組みを継続して実施している。 p.29

一方、2018年から2019年にかけて、当社の元代表取締役による不正行為を受けて、独立第三者及び独立社外取締役で構成されるガバナンス改善特別委員会を設置し、2019年6月、東京証券取引所に一連の問題の経緯とその改善措置を記載した「改善報告書」を提出し、2020年1月には改善措置の実施状況及び運用状況を「改善状況報告書」として同取引所に提出した。 p.29

2023年11月に規制当局の承認を受け、新たなアライアンス契約が発効した。これに伴い、独占禁止法等の遵守と抵触防止の活動にも、継続して取り組んでいく。 p.29

また、2024年3月に当社は公正取引委員会から、下請代金支払遅延等防止法(現在は中小受託取引適正化法)に基づく勧告を受け、2025年3月に「改善報告書」を提出した。当社は、法の遵守状況についての定期的な点検体制の強化、役員や従業員への教育の徹底及び定期的な研修の実施など、法令遵守体制の強化を行うとともに、再発防止策の徹底ならびに取引適正化に全社的に取り組んでいく。当社は引き続き、ガバナンスの改善、企業風土の改革、企業倫理の再構築、企業情報の適切な開示、コンプライアンスを遵守した経営に努めている。 p.29

しかしながらコンプライアンスの問題は全ての従業員、全ての役員のあらゆる行動にかかわっており、会社全体でコンプライアンスの重要性を明確に認識するとともにその実効性を担保するための環境を整備し、一人一人がコンプライアンスの重要性を本当の意味で理解し、常に意識して行動することが定着しない限りは案件の発生を完全に防止することは困難である。もし求められるガバナンスを十分に実現できなかったり、再び重大なコンプライアンス違反の発生を許したりした場合には、当社グループの社会的信用及びブランドや製品に対する信頼は失われ、当社グループの業績に極めて大きな影響を与える可能性がある。2020年より、国連の「国際腐敗防止デー」が設けられた12月に「日産エシックス・デー」を開催し、全地域の従業員を対象として業務に関する行動を振り返り、日産の価値観をいかに日々の業務において実践できるかについて全社的な振り返りを行っている。 p.29

さらに守るべき法令やルールは年々増加している一方で企業の社会的責任に対する社会の期待や要求も増大している。仮に、企業の社会的責任に照らして不適切な行為を行ったのが2次3次以降のサプライヤーや販売者であったり、あるいは当社グループが想定した販売ルート以外で流通した製品に関連するものであっても、当社グループ自身が社会的責任を追及され、対応の内容や迅速性が不十分な場合には当社グループの社会的信用や評判に悪い影響を及ぼし、売上高の減少等、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。 p.29

5.事業の継続 p.29

(1) 大規模災害 p.29

日本を本拠とする当社グループとして、地理的リスクについては地震(津波)・水害(台風・洪水)リスクを重点管理すべきリスクと位置付けている。地震リスクについて当社グループでは、地震リスクマネジメントに関する基本方針を設定するとともに、主要な経営会議メンバーで構成されるグローバルベースの災害対策組織を設置している。また、工場などの建屋や設備などの耐震補強も積極的に推進している。なお、火山の噴火についても地震対策の中で対策を講じるべく検討を推進している。しかし、想定を超えた大規模な地震により大きな損害が発生し、操業を中断せざるを得ないような場合は、当社グループの業績と財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。 p.29

さらに、地震(津波)、昨今急増している水害(台風・洪水)並びにパンデミックについても、事前の予防対策及び発生時の緊急対応体制の整備、停電時に電気自動車の電池を非常用電源として活用する仕組みの構築等を行っているが、想定を超えた規模で発生した場合などは当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性がある。 p.30

東日本大震災や熊本地震、西日本豪雨や2019年の台風15号・19号等の災害を契機として、下記のような従来想定していなかった様々なリスクも顕在化した。 p.30

・ 計画停電の実施や長期にわたる電力不足により、工場の操業が大きく制限されるリスク p.30

・ 原子力発電所からの放射能汚染による立入制限や避難指示により、対象地域内の工場やサプライヤーが復旧又は操業できないリスク p.30

・ 放射能汚染を理由とする、部品・製品の受け入れ制限や遅延のリスク、及び風評による売れ行き低下のリスク p.30

・ 「南海トラフ巨大地震」等で想定される、従来の高さと範囲を大きく超える津波のリスク p.30

・ 日本国内各地に数多く存在する活断層型の地震によりサプライヤーが被災し、工場の操業が大きく制限されるリスク p.30

・ 台風・豪雨(突風)により大きな被害となる土砂崩れや広範囲での停電当社グループではこれら顕在化した問題に対しても一つ一つ対策を検討・実行し、問題解決の努力を続けているが、当社グループだけでは対応できない問題も多く、また、対応のためのコストも発生するため、業績や財務状況に対する影響は避けられない可能性がある。 p.30

(2) 原材料及び部品の購入 p.30

当社グループは事業の構造上、多数の取引先から原材料や部品及びサービスを購入している。また、電動化の拡大や新技術の導入に伴い、産出量が少ない、又は産出が特定の国や地域に限られる希少金属の使用も増えており、結果として需給バランスの急激な変動などによる原材料の価格高騰や供給ひっ迫、災害、パンデミック、又は人権侵害などの発覚、産出国における政情の変化や昨今の突然の輸出規制等のリスクにさらされている。当社グループでは、これらのリスクを最小化するため、サプライヤーと連携した事業継続計画(BCP)レベル向上の活動や、代替サプライヤーの検討、サプライチェーン全体での在庫の確保など、購入品の安定的な供給体制強化に継続的に取り組んでいる。しかし予期せぬ市況状況の変化が起こった場合は、必要な原材料・部品等を継続的・安定的に確保できなくなる可能性もあり、当社グループの業績と財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。 p.30

(3) 特定サプライヤーへの依存 p.30

より高い品質や技術をより競争力ある価格で調達しようとすると、発注が特定のサプライヤーに集中せざるを得ないことがある。また、特別な技術や生産工程を要するものについてはそもそも提供できるサプライヤーが限定されることもある。例えば、世界的な半導体供給のひっ迫は当社グループの生産計画に対して大きな影響を与えうる。当社グループでは、リスクを最小化するため、2次3次以降のサプライヤーを含めた代替サプライヤーの検討、サプライチェーン全体での在庫の確保、業界としての安定調達の取組みへの参画、半導体サプライヤーとの長期供給契約など、サプライチェーンの見直しと強化に継続的に取り組んでいるが、予期せぬ事由によりサプライヤーからの供給が停止したり、遅延や不足が生じた時は、当社グループの操業も停止し、当社グループの業績と財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。 p.30

また、当社グループの主要サプライヤーであるマレリホールディングス株式会社は、2022年6月の民事再生法に基づく民事再生手続開始を申し立て以降、再建に向けた取り組みを進めている。2025年6月には、米国のデラウェア州連邦破産裁判所にて債権者の合意の下、連邦破産法第11条の手続きを開始し、以後引き続き、再建へ向けた取り組みを進めているが、かかるサプライヤーからの供給の停止、遅延又は不足による当社グループの操業の停止、生産の遅延又は減少、もしくは財務的負担の増加やコストの上昇が生じる可能性があり、当社グループの業績と財務状況に大きな負の影響を及ぼす可能性がある。 p.30

(4) 情報システムに係るリスク p.30

当社グループのほとんど全ての業務は情報システムに依存しており、システムやネットワークも年々複雑化高度化している。今や、これらシステムネットワークのサービス無くしては業務の遂行は到底不可能である。この状況に対して大規模な自然災害、火災、停電等の事故は引き続き当該システムに対して脅威であり、更にコンピュータウイルスへの感染やより巧妙化しているサイバー攻撃など人為的な脅威も急激に高まっている。 p.30

当社グループではそれらのリスクに備え事業継続計画(BCP)の策定、システム及びインフラの老朽化更新、サイバーセキュリティ対策の向上等、ハード面・ソフト面両方にわたる様々な対策を実施している。しかしながら、想定を超える災害の発生、サイバー攻撃の発生やウイルス等への感染が発生した場合には、システムダウンによる業務の停止、重要なデータの消失、機密情報や個人情報の盗取や漏えい等のインシデントを引き起こす可能性、サプライチェーンに影響を及ぼす可能性(サプライヤーに起因する影響も含む)もある。 p.30

その結果、当社グループの業績や信頼性に対する評判、財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。 p.31

第一部 第2 事業の状況 3EDINETで原文を開く → p.25–31

研究開発活動

当社グループは、将来にわたって持続性のあるモビリティ社会の実現に向けて、環境や安全など様々な分野における研究開発活動を積極的に行っている。 p.41

当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は5,625億円であった。 p.41

当社グループの研究開発体制及び活動成果は次のとおりである。 p.41

(1) 研究開発体制 p.41

当社グループの日本における研究開発は、日産テクニカルセンター(神奈川県厚木市)を中心に、車両開発を株式会社日産オートモーティブテクノロジー、日産車体株式会社、ユニット開発をジヤトコ株式会社などの関係各社が担当し、当社と密接な連携のもとで推進している。また、総合研究所(神奈川県横須賀市)において電動化・知能化を柱とした研究開発を行っている。 p.41

米欧地域においては、米国の北米日産会社、メキシコのメキシコ日産自動車会社、英国の英国日産自動車製造会社、スペインの日産モトール・イベリカ会社において、一部車種の設計開発業務を行っている。また、米国の日産先進技術開発センター・シリコンバレーにおいて、自動運転車の研究、最先端のICT(Information and Communication Technology)技術開発を行っている。 p.41

アジア地域では、中国の日産(中国)投資有限公司、東風汽車集団股份有限公司との合弁会社である東風汽車有限公司、台湾の裕隆汽車製造股份有限公司との合弁会社である裕隆日産汽車股份有限公司、タイのアジア・パシフィック日産自動車会社及びインドのルノー日産テクノロジー&ビジネスセンターインディア社において一部車種のデザイン及び設計開発業務を行っている。また、日産技術開発(上海)有限公司において自動運転車、電気自動車(EV)、コネクテッドカーに重点を置いた研究開発を行っている。 p.41

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また、南米地域のブラジル日産自動車会社においても現地生産車の一部開発業務を行っている。 p.41

(2) 新商品の開発状況 p.41

国内にて「日産リーフ」、「ルークス」を発売した。海外では北米において「セントラ」、インフィニティ「QX65」、欧州において第3世代「e-POWER」を搭載した「キャシュカイ」のマイナーチェンジモデルを発売した。 p.41

(3) 新技術の開発状況 p.41

日産は2050年度までに製品のライフサイクル全体でカーボンニュートラルを実現するという目標に向けて電動化技術の進化を続けるとともに、交通事故の死者数を実質ゼロにする「ゼロ・フェイタリティ」の実現に向けた知能化技術の開発に取り組んでいる。 p.41

電動化に関しては、EVと「e-POWER」でモーター・インバーターなど主要部品を共用化することによりコストの大幅低減を実現する次世代電動パワートレイン「X-in-1」を開発。EVと「e-POWER」の市販車に搭載を開始した。さらに電動化の鍵となるバッテリーについては従来のNCMリチウムイオンバッテリーに加えて、コストに優れるLFPバッテリー及びバッテリーの革新となる全固体電池の開発を進めている。全固体電池を搭載したEVは、2028年度に市場投入する予定である。今後も引き続きEVと「e-POWER」の競争力を向上させる技術開発と車種の拡大に取り組む。EVでは、「日産リーフ」を発売した。3代目となる新型「日産リーフ」は高い実用性が支持され先進的な電動性能と日常の快適さなどの両立が評価され、「ウィメンズ・ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー2026」を受賞し、EVパワートレインはワーズ社の2025年「10ベストエンジン&推進システム」に選出された。また、軽自動車「日産サクラ」は2022年の発売以来、4年連続で国内における暦年電気自動車販売台数No.1を獲得した。 p.41

「e-POWER」は2016年より販売を開始し、2025年にはグローバル累計生産台数が170万台に到達した。2025年には第3世代へと進化した「e-POWER」を搭載した「キャシュカイ」を欧州で発売、2026年には日本に「エルグランド」、北米に「ローグ」の投入を予定している。 p.41

最新となる第3世代の「e-POWER」システムは、車速やアクセルの踏み加減に関わらず、独立してエンジンを運転させることができる「e-POWER」ならではの特長を活かした発電特化型エンジンと、主要な5つの構成部品を一体化し性能を高めた「5-in-1」電動ユニットを組み合わせ、高速走行時の燃費を15%向上、静粛性も大幅に向上させた。今後も「e-POWER」は環境性能と走行性能を高い次元でバランスさせながら、幅広い車種に搭載可能な技術として開発を続けていく。 p.41

車両の軽量化も燃費向上に向けた重要な取り組みのひとつであり、材料、構造合理化、工法の3つの手法により推進している。材料では、軽量化・高強度・高成形性が同時に実現できる超ハイテン材を、軽自動車からインフィニティに至る幅広い車種に採用している。2025年「日産リーフ」においては、高成形性超ハイテン材に加えて、熱間プレス材を採用している。また工法では、V-LPDC(Vacuum Low Pressure Die Cast process / 吸引低圧鋳造法)という、鋳造金型内へのアルミニウム充填時、外部からの吸引で金型内圧力を制御し、薄肉化を可能とする新しい鋳造工法を実用化し「ローグ」「キャシュカイ」に採用した。シリンダーヘッドの薄肉化により4%の軽量化に貢献している。今後も軽量化技術開発を積極的に進め、カーボンニュートラル達成に向けてCO2の排出削減を推進していく。 p.41

当社グループは「EVを作って売る」のみならず、環境の整備をはじめEVのある生活・社会をより豊かなものにするための様々なソリューション「ニッサンエナジー」を提供しており、それらを合わせた「EVエコシステム」を構築してきた。「ニッサンエナジー」は次の3つの領域で構成される。 p.42

・充電ソリューションの拡充:安心・便利なEVライフのための各種充電ソリューションを提供。 p.42

・EVを活用したエネルギーマネジメントサービス:EVのバッテリーに貯めた電力を、住宅と「シェア」することで、新たな価値を提供。さらにビル、地域社会へ拡大する取り組みを推進。日本では法人や地方自治体のお客様向けに、「ニッサンエナジー・シェア」としてエネルギーマネジメントのサービスを提供。 p.42

・リチウムイオンバッテリー二次利用事業「4R」の推進:EVがさらに普及する将来を見据え、クルマで使用された後でも高い性能を有する日産のEVのバッテリーを二次利用するための取り組みを推進。 p.42

加えて、EVを活用し日本が抱える地球温暖化、災害対策、再生可能エネルギーの推進、地方での観光の活性化や移動の問題といった課題を解決するための活動、日本電動化アクション『ブルー・スイッチ』に取り組んでいる。再生可能エネルギーの利活用に有効な手段であるEVは、地球規模の課題である脱炭素社会の実現に大きく貢献するものであり、2026年3月末時点で自治体・企業との連携によるブルー・スイッチ活動は286件となった。 p.42

安全面において、日産は事故による犠牲者を減らすため、事故そのものを減らすことに取り組み、安全性能に係わる技術の進化と採用拡大を推進する。 p.42

米国では、米国新車アセスメントプログラム(US-NCAP)にて「日産アリア」、「アルティマ」、「セントラ」、「パスファインダー」、「ムラーノ」、「日産リーフ」、「日産リーフプラス」、「ローグ」、「ヴァーサ」、インフィニティ「QX50」、「QX60」が最高評価となる5つ星を獲得した。 p.42

また、米国道路安全保険協会(IIHS)にて、「パスファインダー」、「ムラーノ」、「セントラ」、インフィニティ「QX60」がトップセーフティピック+(TSP+)を獲得、「アルマーダ」、インフィニティ「QX80」がトップセーフティピック(TSP)を獲得した。 p.42

また、当社グループは交通事故低減に大きな効果が期待できる運転支援技術の採用を推進している。さらに、ドライバーの負担を軽減する技術として、2016年より「プロパイロット」、2019年より高速道路で同一車線内ハンズオフが可能な「プロパイロット2.0」を販売しており、2025年は「日産リーフ」、「ローグ」、「ムラーノ」に採用した。引き続き、「プロパイロット」技術を軽自動車に至るまで幅広い車種で採用を推進していく。 p.42

さらに、一般道や敷地内の走行を含めたドアツードアの運転支援を実現する、AI技術を活用した次世代「プロパイロット」の開発を進めている。2025年にはこの技術を搭載した試作車で東京の市街地を走行するデモンストレーションを行った。この次世代「プロパイロット」は2027年度に市販車に搭載する予定である。今後、AI技術を活用したAIドライブ技術は重点領域として取り組み、さらなるドライバーの負担軽減と交通事故の低減を目指していく。 p.42

日産は、AIディファインドビークル(AIDV)を技術イノベーションの中核に位置づけている。AIドライブ技術とAIパートナー技術を組み合わせることで、より安全で直感的、かつ信頼性の高い移動体験の提供を目指す。将来的には、AIドライブ技術を搭載するモデルを当社ラインアップの約9割へと拡大していく方針である。また、電動化は次世代モビリティを実現する重要な要素であり、当社独自の「e-POWER」を中核に、多様なニーズに応える幅広い電動パワートレインを展開していく。 p.42

当社グループは、今後も競争力のある商品、将来に向けた先端技術等のための研究開発活動に積極的に取り組んでいく。 p.42

第一部 第2 事業の状況 6EDINETで原文を開く → p.41–42

設備投資等の概要

当社グループ(当社及び連結子会社)では、新商品、電動化・知能化や新たなモビリティサービス、安全・環境対応に向けた新技術の研究開発及び効率的な生産体制の確立などのために、当連結会計年度において全体で4,992億円の設備投資を実施した。 p.43

なお、当連結会計年度において、提出会社が保有する神奈川県横浜市西区の本社事務所のセール・アンド・リースバック取引を活用した売却譲渡を実施した。譲渡した土地及び建物の帳簿価額は230億円であり、自動車事業に属する。 p.43

第一部 第3 設備の状況 1EDINETで原文を開く → p.43

企業データ

このページに載っている件数

業績指標34指標 × 5期
沿革75件
大株主10名
役員12名
開示の記述5章、約24,146字
関係会社0社
適時開示未取得(TDnet)
知的財産未取得(特許庁)
公共調達未取得(調達ポータル)
このデータをAIで使うMCP対応クライアント(Claude、Cursor など)から、この会社の業績指標・沿革・役員・開示の記述を構造化データで取得できるようにする予定です。
接続方法(準備中)

同業

輸送用機器東証33業種

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